超絶機構に美をもたらす、凄腕の持ち主アントワーヌ・プレジウソに注目

  • 文:笠木恵司
  • イラスト:西田真魚

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初代ブレゲを筆頭に、時計界では多くの天才を輩出してきた。現代の時計技術やデザインを大きく飛躍させたカリスマたちを紹介する。今回は、超絶機構に美をもたらす、凄腕の持ち主、アントワーヌ・プレジウソに注目。

世界の女性が憧れるハイ・ジュエラーのハリー・ウィンストンは、2001年から凄腕の独立時計師とコラボレーション。これまでになかった革新的な超複雑機械式時計を製作するオーパス・シリーズを発表している。現在までに14本が誕生しているが、その第2号を手がけたのがアントワーヌ・プレジウソだ。トゥールビヨンの華麗な動きを強調した2本のモデルが製作されたが、それでわかるように、複雑なメカはもちろん、その中に芸術性の高い「美」を表現できる時計師なのである。

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アントワーヌ・プレジウソ
Antoine Preziuso (1957~)

1957年スイス・ジュネーブに生まれ、わずか7歳で機械式時計を組み立てたという。さらに時計学校ではフランク・ミュラーと同じ部屋で学び、78年にともに首席で卒業した。柔和で親切な人柄のせいか、日本にもファンが多く、本人も親日家だ。

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「ジ・アート・オブ・トゥールビヨン」。ムーブメントに手作業で彫金装飾。「美術工芸」の価値を感じさせるフラッグシップモデル。

※Pen2017年12/1号「腕時計100の物語」特集よりPen編集部が再編集した記事です。