Tevaの踵踏み屋内外シューズ、いいところイマイチなところ本音レビュー!

  • 写真・文:高橋一史

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ルームシューズを外履きするような、キルティングのもこもこシューズが近ごろ大人気。
ボリュームのある流行の服装と相性がよく。
ほっこりした野暮ったさが家周辺のライフスタイルやアウトドアに似合います。

スポーツサンダルの雄、アメリカのテバ(Teva)もリリースしていて、昨年の2021年にリニューアル新登場したのが「リ エンバーモック 2(RE EMBER MOC 2)」。
踵を踏んでスニーカー&サンダルのツーウエイで履ける、現代的なモデル。
主にキャンプ用途が想定されているようです。
このたびテバ担当PRオフィスのはからいで、お試し用に一足いただきました。
色は選んでOKとのことで、このシューズに合いそうなオリーブにすることに。
「存在しないミリタリールームサンダル」として履きたくて。

トライしてみたらいい点がたくさん見つかり、この秋冬に活躍しそうです。
ただ諸手を挙げてバンザイ!とは言いがたい点もややあり。

ここではそんなリ エンバーモック 2のいいところ、イマイチなところを本音で語っていきます!

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いいところ

1. スポーツシューズメーカーならではの確かなつくり

2. 再生素材を多様したSDGsへの配慮

3. レトロランニングシューズのようなソール

ややタイトめな形で固さもあり、アッパーがしっかりと足をホールドします。
軍モノのように丈夫そうなリップストップ生地とライナーは100%再生繊維。
アウトソールとミッドソールには粉砕再生素材を使用。
アッパーは撥水加工され、インソールは形状記憶フォーム。
このシューズには足の臭いを防ぐ抗菌加工も施されてます。
そこらのサンダルやルームシューズとはレベルの違うモノづくりです。

クラシックスニーカーを彷彿させる靴底も味わい深し。
履いてる自分が楽しい、そんな和やかムードに満ちてます。

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イマイチなところ

1. 踵がすぐ脱げる

2. 履き口のロゴタブはいらない

踵を潰さずシューズとして履くと普通に歩けません(わたしの場合は)。
踵のネオプレン系素材(ウエットスーツ素材)がふにゃふにゃで、前へ踏み出そうとするとズルッと脱げ、そのままグシャッと崩れます。
踵を踏めてサンダルになるシューズには裏面が革のスエードのものがありますが、その理由は摩擦を利用して踵(人体)にくっつかせるため。
アッパーが布などの柔らか素材のときは踵裏をザラつかせ、表革のようなスムース素材なら固く成型するのがシューズづくりのセオリー。
でもリ エンバーモック 2の踵は、滑りのいい化繊のファイバー素材。
足についていかなくて当然なのです。

素足でもトライしましたが結果は変わらず。
サイズは合っており、わたしの足が極めて奇形ということもなく。
サンダル状態のほうが軽やかに歩けるという、なんとも不思議なつくりです。

そこで気づいたのは、単に踵を保護するためのディテールでは?ということ。
野外をスリッパサンダルで過ごすと、小石が入り込んだり泥がついたりします。
キャンプでの料理中や食事どきに踵を覆えばガードできます。
床座りやシートに寝転ぶときも、脱げずに履いていられる。
あまり動かないシチュエーションで役立つパーツ。
基本はサンダルで、踵はオプションと考えると合点がいくのです。

もうひとつ、美的にどうにも苦手なのが履き口についたロゴ刻印レザータブ。
本体に馴染まない色と質感で目立ちすぎです。
トゥ補強のオリーブ色スエードをタブに使えばすっきりまとまってたのに。

そこで!
やりました。
約10年前にニューバランスのNマーク外し記事をつくってネットでバズった、伝家の宝刀「ロゴはずし」です。

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めちゃカッコよくないですか!?
タブを外す、それだけのことでスタイリッシュな顔つきに。

タブが縫い付けられた表側ステッチを細かく切ってアッパーから外し、裏側でアッパーと一体縫製されたタブをハサミでカット。
そのあと残った縫い糸をピンセットで取り除いて終了。
一足で数分の仕事。
慣れた作業です。

わたしはジャケットのボタン全取っ替え、ポロシャツの胸刺繍外し(できるんです)、帽子の形つくりかえなど手軽な(?)カスタマイズをよくやります。
シューズだといつもやるのが靴紐チェンジ。
劇的に見え方が変わります。

店でも「ここを変えればイケる」と考えつつの買い物。
ひと工夫で大好きになれるなら、やって損ナシのカスマイズです。

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All photos&text©KAZUSHI

KAZUSHI instagram
www.instagram.com/kazushikazu/?hl=ja

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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