【アニメファン垂涎】『ルックバック』展から『攻殻機動隊』展まで。 2026年上半期に行くべき原画・設定に迫る注目展3選

  • 文:Pen編集部
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現代の日本で、一つの文化的アイコンとなったアニメーション。それをテーマにした展覧会が2026年も全国で開かれている。AIと人間の未来を予想したSFアニメの傑作から、今年実写化予定の『ルックバック』のアニメ展など、今年も目白押しだ。そこで2026年の上半期で開催されている、Pen編集部がおすすめするアニメーションをテーマにした展覧会を3つ紹介しよう。

現代の日本で、アニメーションは一つの文化的アイコンとして確かな存在感を放っている。その魅力を多角的に掘り下げる展覧会が、2026年も全国各地で開催中だ。AIと人間の未来を描いたSFアニメの傑作から、今年実写化が予定されている『ルックバック』のアニメーション展まで、話題は尽きない。そこで今回は、2026年上半期に開催されるアニメーションをテーマにした展覧会を3つ紹介する。

①『劇場アニメ ルックバック展 -押山清高 線の感情』
開催期間:開催中~3月29日(日)
開催場所:麻布台ヒルズ ギャラリー 

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映画のワンシーン。©藤本タツキ/集英社 ©2024「ルックバック」製作委員会

『チェンソーマン』の作者である藤本タツキの短編漫画を原作に、2024年に最も話題になったアニメ映画『ルックバック』。その監督を務めた押山清高が自ら企画・監修する展覧会『劇場アニメ ルックバック展 ―押山清高 線の感情』が、2026年1月16日から3月29日まで麻布台ヒルズ ギャラリーで開催されている。

本展の見どころは、アニメーションとは何かを学べる点。マンガ作品がアニメーションへと昇華されていく制作過程を、監督自身の言葉とともに立体的に追体験をする構成となっている。会場に散りばめた原画や設定画、制作メモは初公開であり、アニメーションの持つ創造性が空間全体から立ち上がってくるようだ。特に原画を吊り下げて構成した圧巻の「作画トンネル」は、その集大成とも言える。

さらに、物語の核となる藤野と京本の制作空間を再現した展示も登場。藤野の部屋や、スケッチブックが積み重なる廊下など、印象的なシーンがフォトスポットとして再構築され、作品世界に入り込む感覚を味わえる。加えて、原作者・藤本タツキによる『ルックバック』のネームを日本で初めて一般公開する貴重な展示も実現した。

アニメーション制作の熱量と、線に宿る感情の行方を追う本展は、作品ファンはもちろん、表現の裏側に関心のある人にも強く響くはずだ。

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展示会場の様子。©藤本タツキ/集英社 ©2024「ルックバック」製作委員会
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展示されている原画の一つ。線一つで京本の細やかな表情を生み出す。©藤本タツキ/集英社 ©2024「ルックバック」製作委員会

『劇場アニメ ルックバック展 ―押山清高 線の感情』

住所:東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階
開催期間:開催中〜3月29日(日)
TEL:03-6433-8200
開催時間:10時~18時 ※最終入館17時30分
当日チケット:一般¥2,500 
https://www.azabudai-hills.com/azabudaihillsgallery/sp/lookback-ex/

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②『攻殻機動隊展 Ghost and the Shell』
開催期間:開催中~4月5日(日)
開催場所:TOKYO NODE

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今回の展示の注目作の一つ「Sexy Robot_The Ghost in the Shell type 1」(2026年) ©Hajime Sorayama. Courtesy of NANZUKA©Shirow Masamune / KODANSHA>

2026年の7月に最新作が放送予定の『攻殻機動隊 Ghost and the Shell』シリーズは、シリーズ37年の歩みを俯瞰しながら、〈ゴースト=精神・意識〉と〈シェル=身体〉をあえて切り離して捉えることで、「人間とは何か」を問い続けてきた。その核心に迫る大規模展が開催中だ。作中の舞台である“2029年”が目前に迫るいま、AIの浸透やクラウド時代の到来とともにフィクションが現実へ接近する感覚を、来場者自身の思考で確かめていく構成になっている。

中心となる「DIG」では、1,600点超の制作資料(原画、設定、背景美術、セル画など)が約1,000㎡に集結。メモや筆跡に残る制作現場の息遣いまで“覗き込む”ように楽しめる。『攻殻機動隊 Ghost and the Shell』は、メディア展開において常に制作者が変更してきた作品。各作品が訴えてきた異なる「人間とは何か」を見比べるのも今回の展示会では注目したい。

体験は、全アニメ作品世界へ“電脳ダイブ”する検索型インスタレーション「NODE(思考の結節点)」から始まる。壁一面のマッピング空間「Nerve Net」では、探索するほどに名シーンが呼び起こされ、空間そのものが変化。さらに天井高15mから降り注ぐケーブル群が“有線接続”を立ち上げる「World Tree」も登場し、巨大な電脳空間へ没入させる。続く「STORY」では、押井守、神山健治、黄瀬和哉、荒牧伸志ら歴代監督が本展のために語る“GhostとShell”の撮り下ろしインタビュー映像を初公開。攻殻機動隊の世界を各々の監督がどのように解釈をしているのか、聞くことができる。

さらにARグラスでタチコマの解説とともに巡る有料体験「電脳VISION」や、“笑い男事件”をモチーフにした体験型作品「Laughing Man Mirror」、そして門外不出の「カット袋」を自ら開け、複製原画を持ち帰れる「Analog Dig」など、アナログ/デジタル/ARで作品を“DIG(深掘り)”する仕掛けが揃う。コラボアーティスト展示(第一弾)には空山基の新作彫像も世界初公開予定。攻殻が投げかけ続けた境界線を、身体感覚で問い直す一歩になる。

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中心となる展示会場「DIG」のイメージ。©︎士郎正宗・講談社/攻殻機動隊展Ghost and the Shell製作委員会
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2026年に始まる攻殻機動隊の最新アニメシリーズのティザービジュアル。原作漫画をオマージュしたタッチやムードが原作ファンの注目の的だ。©︎士郎正宗・講談社/攻殻機動隊展Ghost and the Shell製作委員会

『攻殻機動隊展 Ghost and the Shell』

住所:東京都港区虎ノ門 2-6-2 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 45F
開催期間:開催中〜4月5日(日)
TEL:03-6433-8200
開催時間:12時〜18時(月、金) 12時〜21時(火〜木) 10時〜21時(土、日、祝) ※入場は閉館の30分前まで無休
当日チケット:一般¥2,700 
www.tokyonode.jp/index.html

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③『「銀河鉄道999」50周年プロジェクト松本零士展 創作の旅路』
開催期間:2026年3月20日(金・祝)~6月7日(日)
開催場所:名古屋市美術館 

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『銀河鉄道999』第7巻カバーイラスト 1978年(少年画報社) ©松本零士/零時社

3月20日から名古屋市美術館で開催される『松本零士展 創作の旅路』は、漫画家・松本零士の没後初となる大規模展覧会。『銀河鉄道999』50周年プロジェクトの中核として、その創作の革新に迫る内容だ。

本展の見どころは、漫画家・キャラクターデザイナーである松本零士のアーティストとしての技術と力を目の当たりにできる点だ。

15歳でデビューして以来、漫画とアニメの両フィールドで独自の表現世界を切り拓いてきた松本零士。本展では初期作から代表作まで、300点を超える原画や初公開資料、思い出の品々を通して、壮大な宇宙観と人間讃歌に貫かれた創作の軌跡を辿る。『男おいどん』『銀河鉄道999』『宇宙戦艦ヤマト』『宇宙海賊キャプテンハーロック』など、多彩な作品群をアート、テクニック、ストーリーテラーという複数の視点から検証し、線の美しさや構図、物語に込められた哲学を浮かび上がらせる。

永遠の命、自由、旅立ち──時代を超えて響くテーマは、いまなお私たちに問いを投げかける。70年を超える創作活動の中で未来に託されたメッセージを読み解く本展は、世代を越えたファンはもちろん、初めて松本零士作品に触れる人にとっても、豊かな発見に満ちた体験となるはずだ。

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『宇宙戦艦ヤマト』「冒険王」 1974年11月号(秋田書店) ©松本零士/零時社
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『男おいどん』「週刊少年マガジン」 1971年9月26日号/No.40 (講談社) ©松本零士/零時社

 

『「銀河鉄道999」50周年プロジェクト松本零士展 創作の旅路』

住所:名古屋市中区栄2-17-25 名古屋市美術館  企画展示室1・2
開催期間:2026年3月20日(金・祝)~ 6月7日(日)
開催時間:9時30分~17時、金曜日は20時まで(いずれも入場は閉館の30分前まで)
当日チケット:一般¥2,400
https://leiji-m-exh.jp

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