【ビデオゲーム『ぽこ あ ポケモン』で建築家が特別に設計!】佐々木慧が考えた「ポケモンが暮らすための建築」とは

  • 編集&文:吉田とらじろう
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ポケモン30周年という節目に、ポケモン初のスローライフ・サンドボックスゲーム『ぽこ あ ポケモン』が誕生し、話題をさらっている。本作が描くポケモンの現在地を「建築家の視点」から見ていく。

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木や石を使って道具をつくっている場面。ほかにも家具や装飾品をつくることができ、それらを駆使してポケモンたちが住みやすい場所をつくり上げていく。©2026 Pokémon. ©1995-2026 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc. ©2026 KOEI TECMO GAMES

1996年に発売されたビデオゲーム、『ポケットモンスター 赤・緑』。当初からポケモンカードゲームやアニメなどで展開されたポケモンは、30年を経て、アプリ、イベントまで広がり、世界中で愛されている。もはやエンタメの枠を超え、時代の空気を映す“ひとつの文化”になったポケモン。さぁ、そんなポケモンの世界へ――。

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建築家・佐々木慧が考えた、ポケモンが暮らす建築

佐々木のデザインをもとに、ゲーム内で建築を再現した。
佐々木のデザインをもとに、ゲーム内で建築を再現した。入り組んだ構造を持ちながらも、要所にはブリッジやトンネル、階段があり、ポケモンたちが自由に空間を行き来できるつくりになっている。©2026 Pokémon. ©1995-2026 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc. ©2026 KOEI TECMO GAMES
建築のスケッチ
佐々木慧によるコンセプトスケッチ。建築はこのスケッチをもとに再現された。「草、炎、水が、すべて垂直方向にネットワークをつくります。だからこの建築は、塔でなければいけません。塔という形式があるからこそ、三者の多様な交わりが可能になるんです」

『ぽこ あ ポケモン』が掲げるジャンルは、スローライフ・サンドボックスである。スローライフという言葉は知っていても、「サンドボックス(砂場)」という言葉には馴染みのない人がいるかもしれない。ゲーム内で与えられたアイテムを駆使し、まるで砂場で遊ぶかのように、城を建てたり、トンネルを掘ったり、ときには自分だけのリゾートをつくることもできる。そんなふうに想像をかたちにして遊ぶのが、サンドボックス型ゲームのおもな楽しみ方だ。

この自由な体験がポケモンたちの豊かな個性と出会ったとき、なにが可能になるのか。今回は、その可能性を探るため、建築家の佐々木慧に「ポケモンが暮らすための建築」のデザインを依頼した。佐々木は、建物が持つ機能性と、不確定な要素としての自然とを共存させることによる、多面的な設計を得意とする。そんな彼がつくるデザインを、ゲーム内で再現してみたのである。

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佐々木 慧●建築家。1987年、長崎県生まれ。東京藝術大学大学院修了。藤本壮介建築設計事務所を経て、2021年にaxonometricを設立。おもな設計に「NOT A HOTEL FUKUOKA」「2025年大阪・関西万博ポップアップステージ」など。

まず佐々木は、フシギダネ(くさタイプ)、ヒトカゲ(ほのおタイプ)、ゼニガメ(みずタイプ)の3匹に着目した。ゲーム内で三すくみの関係にある3匹が、あえてともに暮らすとしたら、どのような空間がふさわしいのか。

「ポケモンは人間と自然の関係性の写し鏡であり、ポケモンのための建築を真剣に考えることは、翻って人間と自然のための建築を問い直すことになると感じました。まず、建物の最下部には燃え盛る炎があり、空間全体を温めていきます。その熱を追うように頂部へと進むと、泉がある。そこからあふれ出た水は小川となって落ちて枝分かれし、滝をつくりながら、また火のそばへとやってきます。緑は火と水の力を借りながら、建物全体をゆっくりと覆い、満たしていく。矛盾するはずの『草・炎・水』の要素が、同じ空間の中で影響し合いながら共存する建物をイメージしました」

佐々木が考える、サンドボックス型ゲームの魅力

建物の内部
建物の内部、中央にある火の空間。暖かな火のまわりには多くのベンチが設置され、ポケモンたちがゆったりと過ごしている。ちりばめられた隙間からあふれる緑が、多様な居場所をもたらした。©2026 Pokémon. ©1995-2026 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc. ©2026 KOEI TECMO GAMES

再現された建物は、交差する街路を多くのポケモンが行き交い、多様な姿を見せる、賑やかな共存空間となった。佐々木は、こうした表現を可能にするサンドボックス型ゲームの魅力を「空間デザインの民主化」と語る。

「かつて、建築や空間をかたちにする手段は、絵や工作などに限られていました。ところが、サンドボックス型ゲームでは、誰もが直感的にブロックを積み上げ、水や重力といった物理法則を感じながら空間を構築できる。『空間を考える』という行為が、子どもから大人まで誰もが楽しめる『遊び』へと開放されたように思えます」

さらに、このゲームにおいてはポケモンという他者が存在する。ここでの建築体験は、他者であるポケモンや世界と自分がどう関わっていくかを定義する、創造的な対話でもあるのだ。

緑に満ちた外縁
緑に満ちた外縁は多くのポケモンたちが集う憩いの場となる。日光浴を楽しむのも、日陰の小部屋で風を感じるのも、楽しみ方はポケモンたちの自由。 ©2026 Pokémon. ©1995-2026 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc. ©2026 KOEI TECMO GAMES

小川や滝となって建物全体に潤いをもたらす。
あふれ出た水が枝分かれし、小川や滝となって建物全体に潤いをもたらす。小川は水路にもなり、滝は自然のカーテンにもなる。豊かな水と緑に惹かれて、空からもポケモンがやってくる。©2026 Pokémon. ©1995-2026 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc. ©2026 KOEI TECMO GAMES
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©2026 Pokémon. ©1995-2026 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc. ©2026 KOEI TECMO GAMES 企画開発:株式会社ポケモン、株式会社ゲームフリーク、株式会社コーエーテクモゲームス

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