【Penが薦める腕時計、今月の3本】機能美と静穏が共存する“新定番”、グリーンダイヤルのダイバーズ

  • 写真:渡邉宏基
  • 文:並木浩一

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PANERAI[パネライ]/ルミノール マリーナ eSteel ヴェルデ スメラルド。「eスティール」は環境への負荷を画期的に軽減する、リサイクルベースのステンレス・スチール素材。ストラップだけでなく、時計の総重量の約6割に相当する部品にリサイクル素材を用いた。SDGsへの取り組みを具現化した、次世代への架け橋となる逸品だ。イタリア語で「エメラルドグリーン」を意味するモデル名のごとく、ダイヤルのグラデーションも美しい。自動巻き、eSteel、ケース径44㎜、パワーリザーブ約72時間、リサイクルPET製ナイロンストラップ、300m防水。¥1,056,000/オフィチーネ パネライTEL:0120-18-7110

ダイバーズウォッチといえば、白黒の定番色に加え、近年はブルーのダイヤルが流行していた。海を思わせる爽やかな色合いが、白シャツやネイビーのスーツなど男性の主たるワードローブと相性がよかったことも要因だろう。今年はそこに、新たな潮流が生まれている。グリーンのダイバーズだ。

実際に海へ潜る時でなくとも、ダイバーズウォッチは安心感と力強い印象を手元に添えてくれる。さまざまな機能を載せた用の美、ソリッドでタフネスなフォルム、蛍光塗料を盛った針やインデックスが描く、目鼻立ちのはっきりとしたフェイス。陽光の下で目立つだけでなく、闇夜でも光る存在感は、ダイバーズの身上である。

これまではさほど目にしなかった色だけに、まわりからの注目を集めることはもちろんだが、落ち着いた印象を醸すグリーンカラーは、自然への回帰を彷彿させる。ダイバーズ特有の力強さを備えながらも、どこか優しげな雰囲気も奏でるのだ。腕時計と向き合うひと時は、まるで深海へ潜っているかのような、心に落ち着きをもたらしてくれることだろう。

サンゴが育ちエメラルドグリーンに煌めく南国の海のように、緑色と海とのつながりは深い。ダイバーズと相性がいい色であるのは言わずもがなだ。ダイバーズに定評あるブランドなら性能も安心。試さない手はない。

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TUDOR[チューダー]/ブラックベイ フィフティ–エイト 18K。黄金色のケースは18金のイエローゴールド製。高級感をたたえながら、これみよがしにならない好例だ。1958年のモデルに着想を得たレトロな意匠が、初のグリーン文字盤を引き立てる。自動巻き、18KYG、ケース径39㎜、パワーリザーブ約70時間、ファブリックストラップ(交換可能なブラウンアリゲーター革ストラップ付属)、200m防水。¥1,916,200/日本ロレックス / チューダー TEL:03-3216-5671

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RADO[ラドー]/キャプテン クック オートマティック ブロンズ。オリジナルは1962年に遡る不朽の名品をNATOストラップとグリーン文字盤で最新モードに仕上げた。ゴールドの皮膜層を施したブロンズケースは、ゆっくりと経年変化が進む。ベゼルには耐傷性に優れるハイテクセラミックを、ケースバックには堅牢なチタンを採用。自動巻き、ブロンズ、ケース径42㎜、パワーリザーブ約80時間、ファブリックストラップ、300m防水。¥286,000/ラドー TEL:03-6254-7330

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