噴火中の「活火山ツアー」で観光客誘致⁉ ガスマスクをして記念撮影も

  • 文:門倉奈津子

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首都レイキャビックから40kmほど離れたメラタリル火口の様子(8月10日頃)。ぜひ音声をオンにしてチェックしてほしい。

8月3日、アイスランド・レイキャネス半島にあるメラタリル渓谷付近で昨年に引き続き火山が噴火。現在、多くの観光客を惹きつけている。この地域は去年、800年ぶりに溶岩流が発生し、地元企業はコロナ禍で大打撃を被った観光業を再び盛り上げるべく、ツアーを開始し人気を集めた。その二匹目のどじょうを今年も狙っている。

ここで起きている亀裂噴火は、交通アクセスの良い場所で起きている。火山頂上からの爆発的な噴火ではなく、地割れから溶岩が流れ出す性質から、地元アイスランド人に「観光火山」と呼ばれている。観光客の中にはホットドッグやマシュマロを溶岩で焼いて楽しむ人もいるという。

しかし大自然の力を侮るなかれ。火山からの毒ガスが、近隣の村を汚染し、首都レイキャビックにも迫っているという報道もある。アイスランド環境庁によると、二酸化硫黄の濃度は1m3あたり最大2600マイクログラム(100万分の1g)に達し、「敏感な人には不健康」とされるレベルに。

とはいえ、このまたとない機会を逃したくないという冒険心にあふれる人には、写真家同行のガイドツアーをお勧めしたい。ファグラダルスフィヤル活火山へのツアーには、資格をもつドライバー、ガイド、写真家が同行し、ガスマスクも提供されるので安心度も高そうだ。1名につき火山前でのポートレート撮影、火山風景、あなたが観光した火山周辺でドローン撮影された3枚の写真を手にすることができる。価格は1名330ドル(8月中旬現在)。

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「1年前、レイキャビクからほど近いレイキャネス半島でファグラダルスフィヤル火山が噴火しました。噴火している姿を目撃した方はいますか? 幸いにも噴火は無害であることがわかり、すぐに一般公開されるようになりました。コロナの影響で観光客は少なかったのですが、地元の人々は噴火の様子を写真に収めようと火山に群がり、その姿を目の当たりにしたのです」とインスタグラムの投稿にはキャプションがついている。(画像は2021年のもの)

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【動画】活火山の様子