駐日イタリア大使館で発表された、修道院がルーツのサンタ・マリア・ノヴェッラのオードパルファム

  • 写真・文:一史

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オーデコロンで名高いイタリアの老舗サンタ・マリア・ノヴェッラから新登場したオードパルファム。写真は駐日イタリア大使館での発表イベントでのディスプレイ。

フランス語のオーデコロン(コロンの水)の名称のルーツは、17世紀末にドイツのケルン(コロン)で販売された香水にある。フランスのナポレオンがドイツを占領した時代で、香水はその後にフランスを通じて世界に広まった。ケルンで香水を販売した人物は、イタリア生まれでドイツに移住したジョヴァンニ・パオロ・フェミニス。イタリアで得た香水の知識で商売に成功したようだ。
アルコールや水と植物を調合する香水は、薬学の知識があり植物栽培もしていたイタリアの修道院で生まれた。約800年の歴史を持つ世界最古の薬局で、最初期の香水をつくったとされる「サンタ・マリア・ノヴェッラ」も元は修道院だ。現在もこの薬局の本店は、フィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ教会の横にある。運営が修道院から離れてからも、両者の深い関係が続いているようだ。

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香りはどれもニュートラルで男女問わず使いやすい。左より、柑橘系の「ビッザリア」、花の「アイリス」「マグノリア」「ジェルソミーノ」。各50mL ¥28,600(税込)、100mL ¥41,800(税込)

サンタ・マリア・ノヴェッラの香りはこれまで、ルーツに根ざすオーデコロンを主軸にしてきた。ただしアルコール濃度の低いオーデ コロンは香りの持続時間が短い特性がある。現在の世界の香水市場は濃度の高いオードパルファムが主軸。そんな時代において、サンタ・マリア・ノヴェッラも待望のオードパルファムを登場させた。新たに調香された香りの種類は4タイプ。どれもフルーティ&フローラルな、屋外の菜園を連想させる自然派の香りである。
ジャスミン系の「ジェルソミーノ」は付けはじめのトップノートにツンとした清涼感があり、ほかの3品はトップノートからほのかに優しい。コーヒーに例えるなら単一品種のシングルオリジンのように、厳選素材の持ち味を引き出したシンプルな落とし込みだ。

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ケースつきの本を模したパッケージデザイン。19世紀後半のサンタ・マリア・ノヴェッラのカタログ装丁を再現した図案だ。

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ケースはこのままディスプレイしたくなる卓説した品質。この香りは「アイリス」。

日本での発売直前に開催された駐日イタリア大使館でのお披露目イベントにて、サンタ・マリア・ノヴェッラの専任スタッフが洒落た使い方を教えてくれた。それは「重ねづけ」のテクニック。シンプルで同じ傾向の香りだからこそ、組み合わせても違和感なくすっきりと馴染む。
同じ箇所に重ねず、例えば左右の手首に別の香りをつけるのも愉しいだろう。手を近づけたとき香りが混じり、離せば別の香りになる。身体の動きによって香りが変化していく。色とりどりの花が咲き誇る庭を歩くような、レイヤーのある物語を演出できる。

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創業は1221年。現在世界34ヶ国で300以上の販路を持つ。

「ジャルディーニ メディチェイ(メディチ家の庭園)」と名付けられた同オードパルファムの国内先行発売は公式オンラインストアと、4月23日(火)まで開催中の東京・伊勢丹本館 4階 センターパーク/ザ ステージ#4でのポップアップストア「ジャルディーニ メディチェイ」にて。4月1日(月)より一般発売される。歴史が証明する“本物”に価値を見出す人も、複雑になりすぎた最近の香水に食傷気味の人も、ご自身の感覚でどうぞトライを。

サンタ・マリア・ノヴェッラ・ジャパン

TEL:03-6384-5188
https://jp.smnovella.com

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【画像】駐日イタリア大使館で発表された、修道院がルーツのサンタ・マリア・ノヴェッラのオードパルファム

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オーデコロンで名高いイタリアの老舗サンタ・マリア・ノヴェッラから新登場したオードパルファム。写真は駐日イタリア大使館での発表イベントでのディスプレイ。

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香りはどれもニュートラルで男女問わず使いやすい。左より、柑橘系の「ビッザリア」、花の「アイリス」「マグノリア」「ジェルソミーノ」。各50mL ¥28,600(税込)、100mL ¥41,800(税込)

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ケースつきの本を模したパッケージデザイン。19世紀後半のサンタ・マリア・ノヴェッラのカタログ装丁を再現した図案だ。

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ケースはこのままディスプレイしたくなる卓説した品質。この香りは「アイリス」。

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創業は1221年。現在世界34ヶ国で300以上の販路を持つ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。