新しい視点に焦点を当てた北欧絵画の展覧会から宇野亞喜良展まで【今月の展覧会2選】

  • 文:河内タカ(アートライター)

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一世紀前の北欧絵画に焦点を当てた、新しい視点の展覧会

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エドヴァルド・ムンク『ベランダにて』1902年 油彩・カンヴァス 86.5×115.5cm ノルウェー国立美術館 photo: Nasjonalmuseet / Børre Høstland

シンプルで機能的な家具や陶磁器など洗練されたデザインで知られる北欧の国々。しかし本展覧会では、エドヴァルド・ムンク以外はあまり日本では馴染みがなかった19世紀後半から20世紀初頭にかけての、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの3カ国の絵画に焦点が当てられている。「神秘の源泉―北欧美術の形成」「自然の力」「魔力の宿る森―北欧美術における英雄と妖精」「都市―現実世界を描く」といったテーマに分けられ、厳選された約70点が来日する。

『北欧の神秘―ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画』

開催期間:~6/9
会場:SOMPO美術館
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10時~18時(金曜は20時まで) ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日 ※4/29、5/6は開館
料金:一般¥1,600
www.sompo-museum.org

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1960年代から第一線で活躍する、巨匠イラストレーターの神髄

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演劇実験室◎天井棧敷公演『星の王子さま』ポスター 1968年 © AQUIRAX

天井棧敷の演劇ポスターや舞台美術を担当し、一躍時代の寵児として脚光を浴びた日本を代表するイラストレーターで、グラフィックデザイナーとしても活躍を続けている宇野亞喜良。その宇野の歩みを振り返る大規模な本展では、60年代初期から現在にいたるまで手掛けたポスター、自らが切り開いた独特のエロティシズムを持つ作品、さらに近年の俳句と少女をテーマとした絵画など、 900点超の史上最大規模のスケールで宇野の仕事が紹介される予定だ。

『宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO』

開催期間:4/11~6/16
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:11時~19時 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜)
料金:一般¥1,400
www.operacity.jp/ag

※この記事はPen 2024年5月号より再編集した記事です。