限定販売から満を持してリリースに。シングルモルトの銘酒「グレングラント15年」とは

  • 写真:長谷川潤(1、4p) スタイリング:廣松真理子(1、4p) 文:小久保敦郎

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その味わいをひと言で表現するなら、フルーティーで実にエレガント。シングルモルトの銘酒として世界中にファンをもつグレングラントが、新たに「グレングラント15年」をリリース。免税店で限定的に販売したところ、愛飲家から熱烈なラブコールを受けてレギュラー化したという商品だ。海外のコンペティションでは、続々と受賞を重ねている。ここで商品の説明をする前に、まずはグレングラント蒸留所の歴史を紹介しよう。

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スペイサイドが生んだグレングラントの歴史

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大小の川が流れ、濃い緑の気配に包まれるローゼス。その豊かな自然の恵みがグレングラントの源となる。

スコットランドの北部、国内で最もウイスキーづくりが盛んなスペイサイド地区。そのローゼスという小さな町で、1840年にグレングラント蒸留所は誕生した。設立したのはジェイムズとジョンのグラント兄弟。ゲール語で谷を意味する「グレン」と、彼らのファミリーネーム「グラント」がブランド名の由来だ。ふたりが蒸留所設立の地にローゼスを選んだのは、豊かで美しい自然に魅せられたから。周囲には清らかな水がふんだんに流れ、肥沃な平原で大麦が穂を揺らす。そんなウイスキーづくりに恵まれた環境と大自然へのリスペクトが、181年を超える蒸留所の歴史をしっかりと支えている。

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首の長いポットスチルは、ザ・メジャーの飽くなき探究心のたまもの。グレングラントの味わいを決定づける発明だった。

ふたりが亡きあと蒸留所を引き継いだのは、兄弟の甥であるジェイムズ・グラント。後年、“ザ・メジャー”・グラントと呼ばれることになる二代目が、いまのグレングラントの礎を築く。どうすればより質の高いシングルモルトウイスキーがつくれるのか。研究に余念がないザ・メジャーは、その形状がウイスキーの味わいを決めるともいわれるポットスチルの改良に着手。通常よりも首が長い、独自のフォルムを考案した。この画期的な発明で原酒の雑味を減少させ、グレングラントの特長であるフルーティーな味わいを実現。さらに冷却装置の精留器を発明し、原酒のクオリティーを高いレベルで安定させた。首の長いポットスチルは、いまもグレングラントの代名詞。ザ・メジャーの情熱が生み出したかけがえのない遺産は、今日まで連綿と受け継がれている。

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マスターディスティラーのデニス・マルコム。グレングラント創業時からの思想を受け継ぎ、味わいを支えるウイスキー界のレジェンド。

今日のグレングラントは、この人物抜きには語れない。それは、マスターディスティラー(蒸留責任者)のデニス・マルコム。祖父と父がグレングラント蒸留所で働いていたマルコムは、自身も15歳で蒸留所に入所。樽職人としてウイスキーづくりのキャリアをスタートした。その後、他の蒸留所も含めさまざまな要職を経て、現在の役職に就任。今年、スコッチウイスキー界での勤続60周年を迎えたレジェンドだ。規模よりも品質を追求するグレングラントは、ブティック蒸留所と呼ぶにふさわしい。大量生産の仕組みとは異なるゆえ、つくり手の技量が大切となる。職人は樽のひとつひとつと対話しながら、最上のウイスキーづくりを模索する。その象徴であるマルコムはウイスキー界への貢献が認められ、2016年に大英帝国勲章を受章。ローゼスという豊かな地を選んだ創業者、発明で蒸留所の礎を築いた二代目、その遺産を受け継ぎ、さらに磨きをかけるマルコム。そうしてグレングラントは、時代に左右されることなくプレミアムなシングルモルトウイスキーであり続けている。

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デリケートで華やかなアロマに合わせるなら、こんな一皿を

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「この原酒は15年の熟成を経てひとつのピークを迎えている。高いアルコール分そのままの味わいを楽しめるのはもちろん、加水しながら好みの味わいを見つける楽しみ方もできる」とデニス・マルコム。

ファンの声に応える形で一般向けリリースが決まった「グレングラント15年」。それもそのはず、従来のラインナップとは少し異なる製法を経てこの商品は生まれている。熟成に使ったのはバーボン樽。しかも、スコッチウイスキーの熟成には初めて使うファーストフィルの樽に限定。それらは同一条件下で熟成され、瓶詰め前に行われる冷却濾過をあえて省略した。アルコール度数は50%と高めの設定だ。それにより、グレングラント特有のフルーティーさを引き継ぎつつ、凝縮感と芳醇さを引き出すことに成功している。そんな一本に合わせてみたのが、柿とサラミとブッラータのサラダ。甘じょっぱくミルキーな料理とウイスキーの意外な組み合わせ。グレングラントのデリケートで華やかなアロマとのマリアージュを楽しんでみてほしい。

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柿の甘みとサラミがほどよく、ブッラータのみずみずしいミルク感を楽しめるサラダ。グレングラント15年はトワイスアップもおすすめ。

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創業以来、川や大地など原料を生む自然に敬意を払いつつ、ウイスキーづくりを続けてきたグレングラント。麦芽の発酵からボトリングまですべての工程を敷地内で行う蒸留所は、いまやスペイサイド地区で唯一という。そこにあるのは、最後まで自分たちの手で納得したものをつくりたいという、職人たちの思い。ブティック蒸留所がリリースする、エレガントでフルーティーなシングルモルトの数々。グレングラント15年の発売を機に、注目度がまた高まりそうだ。

『グレングラント』

www.glengrant.com

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