服を買いに京都へ? 和空間のGraphpaper kyotoならその価値あり!

  • 写真・文:高橋一史

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東京暮らししてると、「この街で手に入らない日本の“モノ”はないな」、と思えてきます。
海での獲りたてしか生で食べられない刺し身などを除けば、価値あるモノはたいてい集まってきますから。
卸しもネット販売もしない作家さんや職人さんの制作物はあるでしょうが、そこまで行くと高尚な趣味の領域ですし。

ところが買い物や飲食を“体験”と捉えると話はだいぶ違ってきます。
古来より続く品格のある土地の空気だけは、常に移り変わる東京では味わいにくくて。
古民家を改装した雰囲気のいい店があっても、店内から一歩外に出て歩き出すと混沌とした都会に囲まれて夢が立ち消えます。
室内空間で得られた心地よさが持続せず、思い出として記憶されにくい街。
その逆にデジタルアートのヴァーチャル表現は、東京が日本一よく似合うでしょう。

そこで、京都。
同じモノを買うのでも、京都の店だと奥行きが感じられて。
東京なら仕事でしか利用しないカフェも、京都だと訪れる気分で入ってしまいます。
観光客の幻想に浸ってるだけかもしれませんが。
京都市は中心部のショッピングエリアにいても、清水寺方面(鴨川方面)に山が見えるのが素晴らしい!
自然界とつながり、空は高く広く、心がすっきりと抜けていく。

そこで、グラフペーパー 京都
モダンベーシックなファッションブランド、グラフペーパーが東京の次に出店した店。
町家を改装した和の世界のなかに、現代の大人の日常着が並ぶ構成。
ここで見るとグラフペーパーの上質感が際立ちます。
自身に本当に必要な一着を選べる、そんな店です。

ここに掲載する写真は、7月中旬に取材出張で訪れたときの様子。
いまとは品揃えが変わっていると思いますので、どうぞご留意くださいませ。

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メインの部屋から、奥の蔵を改装した部屋へと続く屋外の中庭。

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2020年のオープンから時が経ち、苔の生え方にも変化が。

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中庭の手入れは基本的にショップスタッフが担当。この岩は元の町家に置かれていて、スタッフが一生懸命掃除して風格のあるこの姿に!

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日本庭園では苔の生え方にもセオリーがあるようですが、荒れてるくらいが好みな私はふわっと伸びてるこの光景がお気に入り。

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奥の蔵のほうからメイン部屋を振り返って。当初は青竹だった竹垣も落ち着いた色に。

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オープン当初は金ピカだった真鍮の「鎖樋(くさりとい)」。雨水を地面に逃すパーツ。いい味にエイジングしてます。

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店内には畳敷きの座敷あり。

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どん!と飾られたキモノは、Y.&SONS×Graphpaper。キモノ業界最大手やまとが手掛けるメンズブランドのワイアンドサンズと、グラフペーパーとのコラボアイテム。ワイアンドサンズは京都・新風館に店があります。Pen Online記事「【着る/知る】Vol.115 オーラリー、コモリ、グラフペーパー、スノーピーク……、人気ブランドが和の着物を敬愛する時代」に詳しい解説が。

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有名な履物店、祇園ない藤の下駄。

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古い木材の梁と、補強する鉄筋のコンビネーション。大好きです、この感じ。照明器具もすごい……。

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エントランスすぐのメイン部屋。東京のグラフペーパーは世界中からのセレクトアイテムを扱う店ですが、ここはグラフペーパーオンリー。

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センスのいいインテリアはクリエイティブ・ディレクター南貴之さんならでは。

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奥の蔵部屋は不定期でギャラリーに使われるようです。

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グッズブランドのイーラ(ERA.)と、グラフペーパー×ワイアンドサンズのトリプルコラボバッグを発見!ミリタリーのヘルメットバッグから着想された形と、ワイアンドサンズの浴衣生地とのミックス。イーラはバイヤー向け展示会で個人オーダーするほどわたし好みのブランドです。

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いまほしいバッグといえば巾着型ですよね。口絞りの紐を肩に掛けて使うこともできます。

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外装はモダンで、京都だからこそ目を引きます。中に入ると穏やかな気分になれる小粋な仕掛け。

人の多い京都市の中心的ショッピングエリアから少し外れた静かなところにある店。
フランチャイズで運営を手掛けるバディーのさまざまな出店により、ここの通りがだんだん盛り上がってきたそうです。

グラフペーパーについては、20年に南さんに解説してもらったPen Onlineの特集記事、
【大人の定番ワードローブはどこに? ライフスタイルの仕掛け人、南貴之の「グラフペーパー」に答えがある】
も、ぜひ合わせてご覧くださいませ。

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All Photos©KAZUSHI

KAZUSHI instagram
www.instagram.com/kazushikazu/?hl=ja

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連載記事

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。