わずか1年でデビュー、 EVデザイン開発の裏側

  • 文:サトータケシ
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気になる未来の姿に迫った、Pen最新号『2033年のテクノロジー』。その中から、脚光を浴びた1台の電気自動車、AIM(エイム)が出展した「EV SPORT 01」の記事を、抜粋して紹介する。

Pen最新号は『2033年のテクノロジー』。AIの進化でどう変わる!? モビリティ、建築、アート、ファッション、食&農業、プロダクト、ゲーム、金融と8つのジャンルで2033年の、そしてさらなる未来のテクノロジーを占った。気になる未来の姿に迫る。

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4月に千葉県の幕張で開催されたオートモビルカウンシルで、1台の電気自動車が脚光を浴びた。名古屋の自動車エンジニアリング会社、AIM(エイム)が出展した「EV SPORT 01」だ。この小さなスポーツカーは、自動車文化の未来に光明をもたらす可能性を秘めている。

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AIM EV SPORT 01(エイム EV SPORT 01)
AIMは技術力向上のためにル・マン24時間レースに参戦した経験があり、入賞も経験。2010年にル・マンを“卒業”してからはEV開発に注力する。左右の後輪にモーターを配置、トルクベクタリングによって刺激的なハンドリングを実現。モーターの最高出力は490ps、最高速度は300㎞/h。量産も視野に入れ開発を続ける。

「AIM EV SPORT 01」が話題を集めた理由はふたつ。ひとつは日産自動車で活躍した中村史郎がデザインを手がけたこと。もうひとつは、プロジェクト発足からわずか1年足らずで完成したことだ。同社社長の鈴木幸典は、短期間で完成した背景を説明してくれた。

「弊社はEVの時代を見越して高性能モーターの開発を行ってきました。走行実験用のスポーツカーシャシーを製作して、モーターのテストを重ねたところ、なかなかいいものができたんです」

中村さんは、むき出しの実験用シャシーにボディを被せることになったいきさつを振り返った。

「昨年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードという英国のクルマの祭典で、鈴木さんが“来年はここで走らせたい”とおっしゃったんです。僕は1年あればできるよ、とけしかけました。モーターショー用のコンセプトカーは、大体1年でできますから」

鈴木さんによれば、シミュレーション技術の進化によって、デザインや車両開発に要する時間が短くなっているという。

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「未来的なEVでなく自分たちがカッコいいと思うデザインにしてほしい」と鈴木さんが中村さんにリクエストしたところ、想像をはるかに上回るスケッチ画が届いたという。スパッと切り落とされたコーダトロンカと呼ばれるリアビューにショートオーバーハングで短くコンパクトなプロポーションが、往時の名車を彷彿とさせる。
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実験用シャシーにはインテリアと呼べるものはなかったため、内装も中村さんがゼロからデザインを手がけた。
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2023年、英国のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで疾走する「EV SPORT 01」。その勇姿が世界に発信された。

「モーターや電池の制御は高度で複雑ですが、EVは構造がシンプル。1950〜60年代は、まだクルマの構造がシンプルでした。だから欧州で面白いクルマが登場したのです。いまも同じ可能性があると思います」

EV製造やシミュレーションのテクノロジーがさらに進化する近未来では、魅惑のEVが増えているかもしれない。小舟のようなオープンカーや愛らしいラリー車が生まれた1960年代のイタリアのように。

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