メンターはKIGI。Penクリエイターアワードでふるまう缶ビールのデザインを募集!

  • 写真:斎藤誠一 文:Pen編集部
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2017年に創設され、その年に活躍するクリエイターを称えるPenクリエイターアワード。6回目を迎える今年は、連動企画として若手のクリエイターに向けた作品公募制のワークショップ「NEXT by Pen クリエイター・アワード」が始動した。

このNEXTの企画にはポッドキャスト、ポスターデザイン、パッケージデザインの3部門がある。今回はPenクリエイターアワードのイベントでふるまう缶ビールのデザインを公募するという、パッケージデザイン部門の企画について紹介しよう。

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デザイナー志望の方、すでにデザインの仕事をしている方を対象に、デザイナーのKIGIのふたりをメンターに迎えて行う、作品公募制のワークショップです。自身で制作をしたデザイン案をご応募いただき、選考を通過した5組の方にワークショップにご参加いただきます。最優秀作品は12月1のクリエイターアワードのイベントで振る舞われ、また販売も予定しています。最優秀作品には賞金、副賞もあり。ぜひご応募ください。【応募締切:2023年10月19日(木)】

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第一線で活躍するデザイナーからのアドバイスが受けられるチャンス

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KIGI(クリエイティブユニット)●グラフィックや空間ディレクション、プロダクトデザイン、アートプロジェクトなど幅広い分野のデザインを手がけるKIGI。2012年に植原亮輔(左)と渡邉良重(右)によって設立され、オリジナルショップ&ギャラリーOFS.TOKYOの運営も行っている。

パッケージデザインの部門のメンターはデザイナーのKIGI(キギ)。AUDREY(オードリー)をはじめ、ブランディングからパッケージデザインまでを手がけてきたKIGIのふたりがメンター(講師)となり、クラフトビール缶のデザインを募集。選ばれた5作品はKIGIによるアドバイスを受け、最終的に選ばれた1作品が実際の缶に印刷され、代官山蔦屋書店やECサイトで販売も予定している。

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イベントでふるまうビールを選びに、東京エールワークスへ

 

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有楽町駅すぐの「東京エールワークスステーションタップルール有楽町」。https://tokyoaleworks.com/taproom_yurakucho

 

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今回の企画に協力していただいたのは、有楽町と板橋に店舗を構える東京エールワークス。代表のストックウェル・ボブさん自らがビールを注いでくれた。

12月1日のクリエイターアワードのイベントは、俳優、ミュージシャン、建築家、小説家とさまざまなクリエイターが一堂に会する、「クリエイターたちが交流できる場」がコンセプト。そんな場所にふさわしいビールとはどんなビールなのだろうか? KIGIとともにビールを選ぶため、東京エールワークスの有楽町店を訪れた。

代表のストックウェル・ボブさんはクラフトビールの魅力をこう語る。

「私はビールづくりのほかにウイスキーの仕事もしていますが、ビールというのは本当に幅広い味の表現ができる飲み物。親しみやすく、とても自由なお酒だと思っています」

ボブさんが言うように、東京エールワークスにあるビールはスイカ、パンプキンなど思いもよらぬフレイバーがたくさん。有楽町店では板橋にあるブリュワリーから直送されたビールが楽しめる。

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さまざまなクリエイターが集まる場にふさわしい、爽やかさのあるビール

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左から順に、東京エールワークスの代表のストックウェル・ボブさん、KIGIの渡邉良重さん、植原亮輔さん。クラフトビールの製法についても話が弾む。

大のクラフトビール好きというKIGIの植原亮輔さん。ボブさんのおすすめや説明を聞きながら、6種類のビールをテイスティング。最終的に選ばれたのは「センターガイIPA(Center Gai IPA)」だ。

「これはとにかく美味しい、の一言につきますね。最初に飲んだから美味しかったのかな、と思いましたが、舌に残らず嫌な感じがしないところがいい。飲みやすさもありつつ、しっかりとした刺激もある。この味は、ジャンルもさまざまなクリエイターが集まるイベントにふさわしいのではないでしょうか」

IPA独特のしっかりとしたホップの味わいがありながら、フルーティな爽やさも兼ね備えたビール。どんどん飲んでしまいそうな、危険な味わいだ。

このビールの名前にある「Center Gai=センター街」は、偶然だがクリエイターが集まる場というコンセプトにもピッタリだ。KIGIの渡邉良重さんはこう言う。

「センター街といえば渋谷のセンター街ですよね 。私たちの頃はいわゆる渋谷系が出てきたカルチャーの発信地だったけど、その後にはギャル文化のイメージも……。時代によって渋谷も変化しているから、デザインをする際にはセンター街というのは『とある都市の中心』くらいに捉えてもらうのがいいかも」

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KIGIが応募作品に求めることは?

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今回デザインする缶ビールは写真の500ml缶。左は香港シネマの名作「酔拳」の英語名「ドランケン・マスター」のダジャレから名付けられた「ジャンケンマスター」。右はスイカピューレを使用し清涼感のある飲みやすい「ソルティ スイカ ゴーゼ」。

今回、参加者がデザインする缶ビールの容量は500mlのいわゆるロング缶だ。缶ビールのデザインで気をつけておきたいポイントやルールはどんなところだろうか? ボブさんが必須条件を教えてくれた。

「一般的なルールとして、未成年を想起させるようなデザインはダメですね。また成分や注意書きについては決められた文字の大きさや視認性も大切です。今回はこの注意書きの部分以外をデザインしてもらうのがいいかなと思います」

公募されたデザインは、まずKIGIと編集部とで5組を選出し、KIGIからアドバイスを受ける。最終的に1組を選出し、実際に缶ビールとして印刷される。また、最優秀賞には賞金も出る予定だ。

KIGIが応募作品のデザインに求めることは何だろう? 植原さんはこう語る。

「いわゆる日本に昔からあるビールは、多くの顧客に向けたマーケティングの影響を受けていますよね。誰にでも受け入れられるデザインなんです。でもクラフトビールは味が個性的だから、デザインが自由で楽しい。多くの人に愛されるよりも、だれかひとりを一目惚れさせちゃうような、個性溢れる自由なデザインを期待したいですね」

たしかに、クラフトビールは味を想像しながら、ビジュアルから選ぶレコードの「ジャケ買い」のような楽しみ方ができる。一方で渡邉さんはパッケージデザインへの姿勢について話す。

「そうそう。バッケージってすぐに捨てられてしまうものではあるけれど、 私たちはいつも、使ったあとも小物入れにしたり、ずっととっておきたくなるようなものをデザインしたいなと思っています。今回応募締してもらう作品も長く愛せるようなデザインだといいですね」

デザインされた缶ビールはイベントで振る舞われるだけでなく、販売も予定している。自分がデザインしたパッケージが広く世に出るこのチャンス、ぜひ応募をしてほしい。 

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店内に並ぶさまざまな缶ビール。今回デザインする「センターガイIPA」は5種類の麦芽と6種類のホップを使用した、深みのあるフラッグシップIPA。しっかりした苦味もあり、「これでもか!?」と、“アイダホ7”でドライホッピングされている。トロピカルフルーツ、柑橘、ストーンフルー ツ、松ぼっくりに紅茶の葉っぱのアーシーさを絶妙にレイヤーリング。ヘイジーじゃない、古きよきアメリカン IPA。
【アルコール度数】7.0%【IBU値(苦み指数)】67【ビールスタイル】アメリカンIPA(ウェストコーストIPA)通常のIPAと比較して「苦味」と「香り」が強い。まずホップの「苦味」がガツンと来る。その後、フルーティーな香りがやってくる。

 

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デザイナー志望の方、すでにデザインの仕事をしている方を対象に、デザイナーのKIGIのふたりをメンターに迎えて行う、作品公募制のワークショップです。自身で制作をしたデザイン案をご応募いただき、選考を通過した5組の方にワークショップにご参加いただきます。最優秀作品は12月1のクリエイターアワードのイベントで振る舞われ、また販売も予定しています。最優秀作品には賞金、副賞もあり。ぜひご応募ください。【応募締切:2023年10月19日(木)】