![スクリーンショット 2024-01-19 17.06.08.png](/uploads/7e62c070dd7ab30216963d594b8e624f8b647cb8.png)
県内の多様な事業者が地域や業種を超えて連携しながら、新商品開発に取り組むプロジェクト。年に数回開催するワークショップには各界で活躍する講師陣を迎え、事業者とともに魅力ある商品づくりを進める。今年度は4回目で、上に掲載した20事業者が参加した。開発商品は県内外で展示販売される。
伊勢神宮などの名所だけでなく、県内各地でさまざまな地場産品を誇る三重。この地では伝統的な技術を軸に、時代に合わせた新たなものづくりが行われている。
土鍋の全国シェアが約8割という四日市萬古焼や、江戸時代に一世を風靡した松阪木綿。他にも伊賀くみひもや伊勢形紙など、三重県では優れた伝統産業・地場産業が育まれてきた。食の分野に目を向ければ、松阪牛や伊勢海老に代表される豊かな食材に恵まれており、近年はチョウザメの陸上養殖という新たな試みも行われている。これらの産業に携わる事業者が目指すのは、確かな技術を背景にした、時代に受け入れられる商品づくり。その動きを後押しし、さらなる飛躍につなげる取り組みが「オール三重プロジェクト」だ。
このプロジェクトでは、業種の枠を超えて事業者が連携し、これまでにないコラボ商品を開発。食品に関しては人気料理家の監修によるアレンジレシピも作成された。次ページ以降で紹介するのは、その一例だ。三重のものづくりや食文化に秘められた可能性の大きさを感じてほしい。
---fadeinPager---
コラボ商品
分野の異なる事業者同士が手を組み、日常を彩る商品を生み出した。新たな可能性を秘めた、三重が誇る技術や素材を活かしたコラボレーションだ。
三重組子茶香炉
(藤総製陶所 × 馬場建具店)
![31_2023_1222_pen mie22262.jpeg](/uploads/627779e946dad804d513f2ae62da066533591874.jpeg)
![2023_1222_pen mie22270.jpeg](/uploads/fc175c9ee6adf18fed9a80ddafd26b03937b254f.jpeg)
ひのきと土のちっちゃな消臭・調湿オーナメント「kiddo」(馬場建具店 × 蒼築舎)
![32_2023_1222_pen mie22136.jpeg](/uploads/c58acf550f1947ed2b3a2bab668593b6557b1664.jpeg)
![2023_1222_pen mie22142.jpeg](/uploads/fb7738a6970f356d68ed551addbdde682ec9912e.jpeg)
組子キーホルダー
(衣 ジェネラルストア × 馬場建具店)
![2023_1222_pen mie22155.jpeg](/uploads/f0635d94e1c7f71c34cf25e49f98bba722988221.jpeg)
陶器の鏡餅
(衣 ジェネラルストア × 藤総製陶所)
![32_2023_1222_pen mie22175.jpeg](/uploads/37b8e993e2b08e8882c50f5a58cd614a2d1f6ae3.jpeg)
新年を迎えるにあたり、家庭でお供えする鏡餅。近年は飾る際の便利さや安心感が求められるようになり、「その傾向はコロナ禍で拍車をかけたように思う」と藤総製陶所の藤井健司。そこで飾っていてもカビが生えることなく、しかも毎年使える陶器の鏡餅を作製。「内部を空洞にし、真空パックの餅を入れるスペースをつくりました。鏡開きの時、安心してお餅を食べてもらえるよう工夫しています」¥9,350/衣 ジェネラルストア https://www.kholomo.com 藤総製陶所 https://fujisou-s.jp
![2023_1222_pen mie22180.jpeg](/uploads/f2bbb1a8b59f6ac56f3cf71ff85284ad3ca62978.jpeg)
上段の餅が蓋代わりに。表面はマットな質感で軽く、持ち運びしやすい。
組子のおしぼり台
(リラクゼーションジラク × 馬場建具店)
![2023_1222_pen mie22147.jpeg](/uploads/0a0339136392346f0f2204a201a90861ae0cc9e7.jpeg)
カッパ部位と麹味噌を使用したピザ
(よろこば食堂 × 田中精肉店 × 河村こうじ屋)
![33_2023_1222_pen mie22198.jpeg](/uploads/6c07ac9ab5b990f3112e54c07277e5954e51a1c9.jpeg)
貝の酢漬け
(ミクラ ビネガリー × 太陽水産さじべ屋)
![34_2023_1222_pen mie22187.jpeg](/uploads/542bd927944d4a93ec1f104375c89ddb9e82c1e2.jpeg)
新姫クロモジハーブ飴
(リラクゼーションジラク × 熊野薬草園)
三重県産骨付き豚 × 玄米黒酢 韓国風酢ペアリブ
(田中精肉店 × ミクラ ビネガリー)
![2023_1222_pen mie22253.jpeg](/uploads/e6319327d1a5f88688dbfd3def9c1a0e08588138.jpeg)
三重うましどり × 玄米黒酢 さっぱりチキンステーキ
(田中精肉店 × ミクラ ビネガリー)
![2023_1222_pen mie22238.jpeg](/uploads/c6ff8ae19981e8e7e8e2ddc17f1471124b5f2471.jpeg)
三重おこめ豚使用 厚切りロースの塩麹漬け
(田中精肉店 × 河村こうじ屋)
![2023_1222_pen mie22258.jpeg](/uploads/d69467452d4fd149522aff46e61d2826a8254c7a.jpeg)
伊勢祝い鍋セット
(TA西村 × かいだ食品 × 熊野薬草園)
![2023_1222_pen mie22090.jpeg](/uploads/2023_1222_pen%20mie22090.jpeg)
セビーチェ
(ミクラ ビネガリー × スタージョンロハス)
![2023_1222_pen mie22101.jpeg](/uploads/2023_1222_pen%20mie22101.jpeg)
みえの米こうじ「結びの神」
(ミエライス × 河村こうじ屋)
![2023_1222_pen mie22166.jpeg](/uploads/2023_1222_pen%20mie22166.jpeg)
限定開催! 実際に三重の魅力を感じられる場
誌面で掲載したコラボ商品だけでなく、三重ならではの食材や伝統工芸品などが並ぶ「つながる市 三重編」が、都内の「無印良品 銀座」にて開催される。期間中は商品販売だけではなく、さまざまな地場産品に関するワークショップなども実施予定。無印良品 銀座のほか、「衣 ジェネラルストア」「神戸ザック」などでも開催する。また、食関連の一部事業者が出店する「太陽のマルシェ」にも注目。
無印良品 銀座で開催される同イベント。足を運んで三重の名品に触れてほしい。
無印良品 銀座
住所:東京都中央区銀座3-3-5
会期:2/16~2/18
TEL:03-3538-1311
https://shop.muji.com/jp/ginza
衣 ジェネラルストア
住所:三重県伊勢市本町6-4 シャレオサエキ 1F
会期:開催中~2/9
TEL:0596-22-1128
www.kholomo.com
神戸ザック
住所:兵庫県神戸市長田区腕塚町3-2-2 新長田サンヨービル 1F
会期:2/10~2/12
TEL:078-742-9070
www.kobezac-imock.net
太陽のマルシェ
住所:東京都中央区勝どき1-9-8 月島第二児童公園
会期:2/10~2/11
www.timealive.jp
---fadeinPager---
アレンジレシピ
三重が誇る食材を、料理家のウエキトシヒロが斬新にアレンジ。ここではその全レシピを紹介する。
![34_IMG_8358 (1).jpeg](/uploads/34_IMG_8358%20%281%29.jpeg)
新姫の海鮮塩鍋
![36_2023_1222_pen mie22277.jpeg](/uploads/36_2023_1222_pen%20mie22277.jpeg)
![37_2023_1222_pen mie22077.jpeg](/uploads/37_2023_1222_pen%20mie22077.jpeg)
TA西村の「鍋セット」
鍋セットの食材は、伊勢海老に牡蠣、ヒオウギ貝、白身魚 など三重が誇る魚介類の数々。それらをリキッドフリー ズシステムで凍結させるため、解凍すると驚きの鮮度で 蘇る。その状態のよさに目をつけたウエキは「シンプル な塩スープで味わうのがベスト。貝の旨味が最高の出汁 になります。仕上げに熊野薬草園が扱う、三重特産の柑橘・新姫(にいひめ)を搾るとさらにいいですね」。新姫は具を器に取り分けてから搾っても美味。
TA西村 www.ta-nishimura.jp
白身魚とカツオ節の炊き込みご飯
![38_2023_1222_pen mie22071.jpeg](/uploads/38_2023_1222_pen%20mie22071.jpeg)
![39_2023_1222_pen mie22042.jpeg](/uploads/39_2023_1222_pen%20mie22042.jpeg)
世古米穀店の「魚に合う米」
刺身や煮魚、焼き魚など魚のおかずとの相性を考えてブ レンドした「魚に合う米」。ならば「魚の炊き込みご飯に もぴったりなのでは」とウエキ。使うのは白身魚で、味付けは塩と酒のみ。そこにカツオ節を加えるのがウエキ流 だ。炊きたてを口に運ぶと、カツオ節がふわりと香る優 しい味わい。「カツオ節も魚ですし、日本人のソウルフー ドといえるもの。できれば子どもに食べてもらって、魚 と米のファンを増やしたいですね」
汁なし坦々伊勢うどん
![40_2023_1222_pen mie22067.jpeg](/uploads/40_2023_1222_pen%20mie22067.jpeg)
![41_2023_1222_pen mie22052.jpeg](/uploads/41_2023_1222_pen%20mie22052.jpeg)
かいだ食品の「伊勢うどん」
お伊勢参りの参拝客をもてなすために生まれたと伝わる 伊勢うどん。一般的なうどんより太くもっちりした麺、 そしてたまり醤油ベースのタレを絡めて味わう食べ方も 独特だ。「もともとタレを絡める麺料理なら、汁なし担々 麺にアレンジしてもおいしいはず」とウエキ。肉味噌は 豚挽き肉を香ばしく炒めて。麺を茹でたら、すりごまを振り、ごま油と一緒に絡ませる。パクチーをのせ、お好みでラー油を振りかければ大人の味わいに。
タリアータ
![42_2023_1222_pen mie22229.jpeg](/uploads/42_2023_1222_pen%20mie22229.jpeg)
![43_2023_1222_pen mie22108.jpeg](/uploads/43_2023_1222_pen%20mie22108.jpeg)
田中精肉店の「松阪牛イチボ」
松阪牛のレシピを考案するにあたり、ウエキが選んだのは「イチボ」と「タリアータ」。肉の部位をイチボにしたの は「ロースよりお手頃価格。ほどよく脂があり、松阪牛の おいしさを存分に堪能できるから」。タリアータは表面をフライパンで焼き、中はレアの状態で仕上げる料理。
「しっかり火を通すより、肉の味をダイレクトに感じられ ます」。蜂蜜を加えたバルサミコ酢を煮詰めてソースに。 パルミジャーノチーズのスライスとともに味わう。
田中精肉店 www.tanakaseinikuten.com
三重の魚の新姫オイル蒸し
![2023_1222_pen mie22133.jpeg](/uploads/2023_1222_pen%20mie22133.jpeg)
![2023_1222_pen mie22118.jpeg](/uploads/2023_1222_pen%20mie22118.jpeg)
熊野薬草園の新姫
熊野市特産の新姫は、直径3cm程度の小ぶりな柑橘。どうすればおいしく利用できるか考えたウエキ。「まず思い浮かんだのが、サワーなどお酒の割材にすること。でも、料理の風味づけに使っても素晴らしい食材です」。スズキなど三重の白身魚を白ワインとバターでシンプルなホイル蒸しに。仕上げに、半分に切った新姫をギュッとひと搾り。香り高く爽やかな酸味が、食欲を一層増進させてくれる。
熊野薬草園 www.kuma-yaku.com
鹿肉ミートボールの甘辛つくね焼き風
![2023_1222_pen mie22124.jpeg](/uploads/2023_1222_pen%20mie22124.jpeg)
![2023_1222_pen mie22054.jpeg](/uploads/2023_1222_pen%20mie22054.jpeg)
サンショクの鹿肉のつみれ
三重県内で捕獲された野生の鹿肉を、鍋の具材に使えるようつみれにしたのがこの商品。「鍋に入れてもおいしいけれど、焼いても素敵なおかずになる」とウエキ。フライパンでこんがりと焼き目をつけたつみれ。醤油とみりん、酢をあわせ、片栗粉であんかけにしたタレを絡めれば、ミートボールの出来上がり。鹿肉を原料の50%使ったつみれにはレンコンと柚子の皮が練り込まれており、噛めばシャキシャキとした食感と爽やかな柚子の香りも楽しめる。
サンショク www.sanshoku.co.jp
お酢でさっぱり白麻婆豆腐
![2023_1222_pen mie22189.jpeg](/uploads/2023_1222_pen%20mie22189.jpeg)
![2023_1222_pen mie22202.jpeg](/uploads/2023_1222_pen%20mie22202.jpeg)
ミクラ ビネガリーの「玄」
ミクラ ビネガリーのお酢を使ったレシピを考案する中で、玄米黒酢「玄」の色に着目したウエキ。「黒酢だけれど、透明に近い優しい色。料理の仕上がりに影響しないので、白麻婆豆腐にしてみました。この料理に黒酢を使っている? という意外性もあって楽しい」。白麻婆豆腐は柚子胡椒で辛みを加え、仕上げに花椒を振りかけるのがウエキ流。色は優しいが深みある味わいの玄米黒酢が、料理の旨みをしっかりと支える。
ミクラ ビネガリー https://mikurasu.jp
鶏飯風いなり寿司
![2023_1222_pen mie22162.jpeg](/uploads/2023_1222_pen%20mie22162.jpeg)
![2023_1222_pen mie22041.jpeg](/uploads/2023_1222_pen%20mie22041.jpeg)
ミエライスの「結びの神」
ブランド米「結びの神」を使い、惣菜コーナーで売れるレシピをつくってほしい。そんな依頼を受けたウエキが考えたのは、いなり寿司。「ただのいなり寿司ではなく、詰めるご飯は伊勢名物の鶏めしにしました。結びの神は、炊きたてはもちろん冷めてもおいしいお米。いなり寿司にぴったりです」。鶏肉とキノコ、野菜を炊き込んだ鶏めしは、具だくさんで食べごたえ十分。粒立ちがよい結びの神と、ジューシーなお揚げの相性も抜群だ。
ミエライス www.mierice.co.jp
ソルティー檜サワー
![2023_1222_pen mie22221.jpeg](/uploads/2023_1222_pen%20mie22221.jpeg)
![2023_1222_pen mie22204.jpeg](/uploads/2023_1222_pen%20mie22204.jpeg)
伊勢商人のソルティー檜サワー
注いだグラスに鼻を近づけると、優しい檜の香り。口に含めば、弾ける泡とともに爽やかな木の風味が口いっぱいに広がっていく。「HINOKI SPARKRING WATER」を飲んだウエキは「新姫を使うなどさまざまなアレンジパターンを考えました。でも、まだ完成したばかりの商品。いまはキンミヤ焼酎のようにクセのないお酒をベースにしたサワーで、シンプルに檜を感じてもらうのがいちばんいい」。ハイボールにすればウイスキーの樽香と絶妙にマッチする。
米粉生地 餡子バターピザ 伊勢茶粉末入り
![2023_1222_pen mie22233.jpeg](/uploads/2023_1222_pen%20mie22233.jpeg)
![2023_1222_pen mie22047.jpeg](/uploads/2023_1222_pen%20mie22047.jpeg)
伊勢製餡所の餡子
伊勢製餡所のつぶあんでアレンジレシピを考えている時、ウエキの頭に浮かんだのがよろこば食堂のピザ生地。「トマトソースの代わりにつぶあんを塗り、バターをのせて焼けば餡バターピザに。間違いないおいしさです」。米粉生地はミエライスのものを使用。試食の際、伊勢茶の粉末を振りかけたものと食べ比べると、お茶を加えたほうがさらにおいしいという声が多かったそう。「伊勢商人の伊勢茶の風味で、ブラッシュアップされた味わいになりました」
伊勢製餡所 http://www.iseseian.jp
牡蠣の佃煮のリゾット
![2023_1222_pen mie22107.jpeg](/uploads/2023_1222_pen%20mie22107.jpeg)
![2023_1222_pen mie22060.jpeg](/uploads/2023_1222_pen%20mie22060.jpeg)
タイヨウ水産さじべ屋の「牡蠣の佃煮」
炊きたてご飯のお供である佃煮に、新たな可能性を。ウエキが考案したのは、佃煮のよさを損なわずにアレンジした和洋のコラボ。「佃煮に牡蠣の旨みがギュッと凝縮されている。だから佃煮自体には手を加えず、ご飯を洋風のリゾットにしました」。炒めた生米を鍋で炊いたら、パルミジャーノチーズを混ぜて牡蠣の佃煮をトッピング。「牡蠣とチーズの組み合わせが秀逸。ワインと合わせたくなるひと品です」
タイヨウ水産さじべ屋 https://sajibeya.com
三重の食材を味わえる、特別なフェアも実施
期間中には「松阪牛のかっぱ焼肉」「鹿肉ハンバーグ」など、レアな逸品も提供予定。この機会に、多様な三重の食材を堪能してほしい。
豊かな三重の食材を、実際に舌で確かめられる機会も用意。会場は、「土佐清水ワールド」など関西を中心に郷土料理店を展開する企業「ワールド・ワン」の店舗だ。実施するのは「食のお三重参り2024」と題したフェアで、ウエキトシヒロとともに考案したアレンジメニューを提供する。松阪牛かっぱ肉や伊勢うどんなど、今回紹介した食材も新たなメニューとして登場する予定。詳細はPen Onlineの記事やワールド・ワンのサイトを参照のこと。期間限定での開催だ。
「食のお三重参り 2024」
会場:神戸市内を中心としたワールド・ワン複数店舗
会期:2月中旬~3月中旬予定
※詳細は下記サイトにて公開
www.world-one-group.co.jp