新たなライフスタイルを提案する、フォレストゲート代官山の必見ショップ5選

  • 写真:吉田 塩
  • 編集&文:久保寺潤子
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代官山駅前に誕生したフォレストゲート代官山で、特に注目すべきショップをセレクト。緑あふれる憩いの場所で、食を中心とした循環型のライフスタイルを体験してみよう。

Pen最新号は『東京がおもしろい!』。都市は新陳代謝を繰り返し、常に変化し続ける。世界屈指のメガシティ、東京はなおさらだ。アフターコロナのいま、気がつけばあちこちで新しい動きが起きていた。世界中の人々を惹きつける新旧混じり合うこの都市で、いまどこへ行くべきか? 2020年以降オープンのショップからクリエイターたちのお気に入りまで、東京の“ いま”がここにある。 

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食と緑の循環を目指す、街の憩いの場

2023年10月、代官山駅の目の前に、積み木を重ねたような10階建ての建物が完成した。フォレストゲート代官山は、レジデンス、シェアオフィス、商業施設の複合型ビル。駅から八幡通りへと抜ける1階エリアには、緑豊かな中庭を中心にカフェやグリーンショップ、飲食店、フレグランスブランドなどが並ぶ。敷地は決して大きくないが、都会のサーキュラーエコノミーの実験場として、ユニークな取り組みが行われている。

館全体の植栽を手がけるのはグリーンデザインのパイオニア、ソルソ。テノハ棟にある同グループが企画・運営するサーティーカフェでは、屋上菜園で育てた野菜を店舗で提供。岡山の間伐材を使った建物は環境建築デザインを得意とするスープが担当した。メイン棟のレストランと食材店を運営するのは、次世代に向けた食文化に挑戦する日本食品総合研究所だ。2階の研究所でシェフが考案した料理や商品を1階の店舗で展開し、循環型の飲食ビジネスを行う。

館全体から出る食品廃棄物は横浜のバイオ工場へ送られ、メタン発酵で生成したカーボンニュートラルな電力を再び館へ還元している。量り売り販売のビオスク、定期的に開催されるマルシェは住民を中心に目下浸透中。心地よい風が通り抜けるこの場所は、身近なエコロジーを考えるきっかけになりそうだ。

喫茶室/メリー ジェーン

進化系料理に出合える、緑が眩しい心地よい空間

緑豊かな中庭から朝日が差し込むレストラン。モーニングやランチは季節の食材を活かしたデリカテッセン、ディナーはナチュラルワインやタパスを中心としたビストロ&ワインバーとして楽しめる。現在はネキの西恭平シェフ監修のもと、中東やレバノンのエッセンスを取り入れたブランチブッフェを提供(ディナーは順次開始予定)。人気シェフの考案する最先端な料理と出合える。

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スキントーンの内装に大きなテーブル、広々したソファなど、居心地のいい空間で朝から晩まで楽しめる。
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10時30分から15時までのブランチブッフェ(¥3,300)には10種類以上もの前菜が並ぶ。エスニックなスパイスが食欲をそそる。 Instagram:@maryjane_nsk

食品庫

食のプロが厳選した食材で、毎日の料理が楽しくなる

日本食品総合研究所に加盟する15人の気鋭のシェフが厳選した食材を扱う。シャルキュトリーやチーズ、全国の知られざる絶品調味料、今後は奥のセラーでナチュラルワインなどの取り扱いも予定している。紹介されている調味料の横には推薦人シェフのコメントも書かれており、ほとんどが試食可能。今後はシェフが開発したオリジナル商品も販売予定だ。楽しく高品質な食の魅力を伝える、新形態のグローサリーだ。

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調味料の試食コーナー。鳥取のわさびオイル、逗子サンダウナーの生ドレッシング、廃棄されるアスパラガスの茎をほうじたお茶など、全国の隠れた名品や人気商品を料理人目線でセレクト。
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調味料が整然と並ぶ棚。店は八幡通りに面している。 Instagram:@nsk_office

サーティー ビオスク バイ トトヤ

梱包材ゼロの量り売りで、都会のゴミを削減

日本初のゼロ・ウェイストなスーパーマーケットを京都で展開する斗々屋が、キオスクスタイルで出店。ディスペンサーでグラノーラや米を量り売りしたり、旬の野菜や果物、ワイン、さらにはデポジット制の容器で乾物、調味料、チョコレートなどを販売する。もちろん持参した容器に必要な分だけ買うことも可能。少量から購入できるので、ひとり暮らしでも無理なくエコライフを始められる。味噌や納豆、キムチ、醤油麹などの発酵食品も扱う。野菜は早めに売り切れてしまうので、電話で予約することも可能。

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キッチンカーのようなコンパクトな店舗で気軽に日用食品を買うことができる。野菜や果物は無農薬・減農薬のものをメインに、20gから販売。
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洗剤の量り売りも行っている。 Instagram:@totoya_daikanyama

サーティーカフェ

開放感あふれる循環型のカフェ

「代官山サーキュラーコミュニティ」をスローガンに2030年を見据えた循環型カフェ。屋上菜園や水耕栽培で育てた野菜やハーブをカフェメニューに展開し、花屋サーティーフラワーズではロスフラワーを安価で販売。2階では瞑想や読書会、イベントも開催する。建材に使われているヒノキのほのかな香りと朝日に包まれる都会のオアシスだ。

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国産の木材を使用し再利用可能な構造で設計された。
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“店産店消”を目指すカフェメニュー。 Instagram:@cirty_30

ソルソ ホーム

都会に癒やしを与える、グリーンのスペシャリスト

日常にグリーンを取り入れるためのハイセンスなアイデアを提案するソルソ ホーム。フォレストゲート全体の植栽は同店を運営するソルソの造園・緑化チームが担当。、代官山駅からの人の流れを意識し、空気の循環をつくるように設計した。店内には盆栽や、オブジェのように個性的な形の植物などインテリアに取り入れたいアイテムのほか、コンポストキット、リサイクル素材の鉢植えなども販売する。全国の生産者とネットワークをつなぎながら、都会の生活に潤いを与えている。

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都会のマンションでの植物の育て方のコツなど、気軽にスタッフに相談してみよう。
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ベランダで使えるコンポストキット(右)¥5,401、廃材でつくった鉢(中)¥3,300〜、(左)¥3,850〜。 https://solsohome.com/daikanyama

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