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資生堂が今年、CESに初出展した。CESは毎年1月にラスベガスで開催される世界最大のテクノロジーの祭典で、世界中の企業が自動運転やAI、ヘルスケアテック、スマートホームなどの新製品を展示する最先端の場でもある。化粧品会社とは一見縁がなさそうなイベントにも思えるが、今回のCESではフランスの大手化粧品会社ロレアルがイベントのオープニングを飾るプレゼンテーションを行うなど、今やAI、ITといったテクノロジーはあらゆる業界にとって不可欠な要素であり、資生堂の出展もその一つの現れといえるだろう。
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![写真2.jpg](/uploads/e20337bfa06fee16df2043ebcb86e743358fde68.jpg)
資生堂が発表したのは、スマートフォンを使って「自分の顔の未来」を予測、美容対策を教える技術。カメラに映ったイメージから、くすみ、たるみ、水分量、シワ、均一性など5つのポイントの状態をはかり、イラストでイメージ化するというものだ。
筆者も実際に試してみた。まずはスマートフォンで撮影。しばらくするとイメージがイラストと図形で表示された。
テキストと図形で、現在の肌の傾向が示される。筆者の場合は「たるみにくいが、くすみに注意」との診断だった。くすまないように、抗酸化のものを摂取するか、化粧品でケアするのが良いとのアドバイスが表示された。
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![写真3.jpg](/uploads/20a860915c75b2ca0151769d520cb97ee8eeec38.jpg)
未来の自分の姿。シワがどの部分に出るかなどが可視化される。
将来の自分の姿も表示されたが、イラストなので不快な気持ちにはならない。今後の傾向と対策がわかることで、肌管理への迷いがなくなり将来への意識を高められる良い機会になった。
以前からビューティカウンターや美容サロンでこうした肌診断は行われていたが、今回の資生堂の予測は人間の「鼻」で未来を判別している。これが新しいテクノロジーだ。
資生堂は長年の研究で、鼻骨格が胎児の発育3週目に始まり、10代までに完全に形成され、生涯変わることはないことに気がついた。この現象から「鼻」で遺伝的特徴や呼吸能力などの特徴を判別し、将来を予測するこのシステムが誕生した。
CESの現場でも様々な国の来場者がこのシステムを試していた。世代、性別、人種を問わない診断のため、世界各国からの反応も良いようだ。
ほかにも、ハンドマッサージをレクチャーするシステムも展示。エステティックサロンで行う効果的なマッサージ技術をARで学べるというものだ。どのポイントに触れれば良いか、スピードはどのぐらいかなど指導してくれる。店頭に置くことをイメージしているそうだが、これを学べばゴールドハンドいらずで自宅でケアが可能になる。
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![写真4.jpg](/uploads/fc23416839e6313f85d57bf99ae19f4a882a81e3.jpg)
資生堂は長らくサイエンス分野の研究を続けてきたが、ここ数年のコロナ禍で、デジタル領域との親和性が高まり、こうした出展に繋がったのだという。
肌診断については2024年2月から日本でもアプリがリリースされる。資生堂と言えばハイブランド、30代以降の化粧品ブランドというイメージがあるが、これが流行れば若年層の人気も高まるに違いない。美容意識が高く、リサーチ力も高いデジタルネイティブ世代に広く受け入れられそうな予感がする。
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