ラスベガスの新名所“巨大半球”Sphereは、裸眼でも圧倒的没入感!【CES2024レポート番外編】

  • 文:麻倉怜士

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超話題のラスベガスの新名所、Sphereを体験してきた。旧サンズコンベンションセンターの隣に聳え立つ、巨大半球。遠くからでも余りに大きく見える。2023年9月にオープンした、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン社(以下、MSG)が運営するSphereは、その名の通り、“球形” の大型アリーナだ。外壁は面積約5.4万m2の表面は、すべてLEDパネルで覆われ、1日中、広告や案内を流している。夜の眩しいこと。内側は高さ約110m× 幅約157m。16Kの解像度の全面LEDスクリーンが設置。シートは17500の固定席と2500の折り畳み式席。オーディオは157000の指向性スピーカーを会場に散りばめ、ビーム・フォーミング(音を束状に絞り、聴取位置に投射)で個々の席に届ける。

ネットで夜7時のチケットを買って(約70ドル)、少し前に、スフィア2階の入り口に到着すると、黒山のひとだかり。

上映されたコンテンツは、『POSTCARD FROM EARTH』(50分)。宇宙、地球、海、山、峡谷、森、都会、雑踏、砂漠、平原、大草原、ツンドラ、水中、コンサートホール……と、地球のあらゆるところの生命の営みのミクロとマクロを、ものすごい解像感(18Kの解像度で撮影)と、全周のウルトラ大画面で体験する半球大画面巨編だ。30メートル大のカマキリも登場する。

一言でいうと、ヘッド・マウント・ディスプレイ無しの裸眼のVRだ。上は天井まで270度をLEDスクリーンで覆われている。毎秒120フレームなので、動きのブレは少ない。何しろ、見切れないのである。前の映像を見ていても同時に左、右、上でも映像が進行しているのだが、それは視野から外れ、見えない。ハイビジョンの開発物語をNHK技研に訊いたことがあるが、「画面がすべて見切れるのは臨場感につながりません。大きなスクリーンで、全体が視野からはみ出すことが、没入感になるのです」と言われたことを思いだした。

臨場感演出は、画面の大きさだけでなく、風は吹くは、匂いはするわ、倚子は振動するわ、ライトは点滅するわ、霧はでるわ、香りがするわ……視覚、聴覚、嗅覚、触覚が総動員だ。『POSTCARD FROM EARTH』は、人のほとんどすべての感覚で感じさせるコンテンツであった。次世代のイマーシブ映像だ。

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夜間に見ると、まるで地球が浮いているかのよう。

ちなみに、入場時、カバンを見せて、その中に菓子や飲み物やあると、没集される。ここが大問題で、ニューメディア編集長吉井勇氏はメールマガジンで憤慨していた。

「チケットはチケットマスターからネットで送られてきて、それをゲートでかざす。ここまではデジタル対応ですから、そうなんでしょうというレベルでした。デジタルチケットの確認は、3秒ほどで通過します。ですが、ここからが不愉快。荷物チェックが待ち構えていたのです。荷物を持っていると、担当者がそのバッグなり袋の中味を確認するのです。形式的なチェックではなく、念入りです。飲み物のペットボトルやポテトチップスの袋は、ゴミ箱に投げ入れられてしまうのです。そうこうしていると、前のグループ3人の日本人たちの荷物にあった缶ビールもNGのようで、つまみ用の袋菓子も没収です。つまり食べ物、飲み物持ち込みNGを徹底したいのです」

恐らく、入れ替えの時間が短く、掃除の時間も限られるので、面倒な空き瓶や袋類を始めからシャットアウトしようという魂胆なのだろう。しかし、吉井氏は「見せるコンテンツは地球環境の問題提起を投げているのだから、そうしたメッセージを際立たせる、入場のためのプロトコルを考えてはどうでしょうか。MSGSphereさん」と、憤きどおっていた。

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PXL_20240111_030054890.jpeg遠景からでも巨大に見える。

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内側は高さ約110m× 幅約157m