ノルウェーのFarris Badのサウナプログラム:目覚めから眠りまでトータルケア

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    「一度は行ってみた方がいい」といろんな人に言われてきた、ノルウェーのサウナ、Farris Bad。サウナの数、1日を通しておこなわれるサウナプログラム、そして身体のことを考えた食事。すべてがわたしの細胞を喜ばせてくれた体験でした。

    前回のコラムでFarris Badにある10のサウナのご紹介をしていますが、今回は実際に入ってみた感想を、自分の気持ちを忘れないためにも記しておこうと思います。

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    この日は朝9時から「Good morning auguss」に参加。朝の日差しが降り注ぐガラス張りで海に迫り出している「フィヨルドサウナ」でおこなわれたプログラムでした。

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    朝イチのアウフグースは、とても穏やかな香りでスタート。ゆっくり体感温度を上げていき、でも熱すぎず、絶妙に計算された熱と香りでサウナマスターのヤニークさんが寝ていた体を目覚めるように導いてくれます。

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    わたしは、何も考えず、あらがわず、ただそれをストレートに受け入れるだけ。全身の血が目覚めて、エネルギーが湧いてきます。

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    そして終わった後は、海に入ってシャキッとしたい!という気持ちが不思議と芽生えました。フィヨルドサウナからは階段を降りて、すぐ海へダイブインできるようになっています。一緒にGood morning aufgussを受けた人はほとんど海に入っていました。

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    朝から考え尽くされたアウフグースを受けて、海で身体を浮かべられる幸せ。しかもわたしはこれをノルウェーでやっている。なんてありがたいことなんだろう。


    その後、サウナマスターのみなさんがどのようにアウフグースやサウナリチュアルの準備をしているのか、バックヤードを見せていただきました。


    バックヤードへの通路にはたくさんのハーブが。

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    そして、エッセンシャルオイル、ハーブ、お香、製氷機やアウフグースに必要な小道具などがたくさん置かれています。ここでみなさん、プログラム前にこうして準備をするんですね。

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    次は「Sauna experience」のプログラムへ。今度は女性のサウナマスターのプログラムで、一番大きなサウナでおこなわれます。このプログラムは日本人のわたしたちも馴染みのある音楽に合わせてタオルで仰ぐもの。しかもなんと日本の曲(もののけ姫!)でのアウフグースだったんです。遠く離れたノルウェーのサウナで、日本の曲で癒しを届けてくれてるんだと思うとなんだか感慨深いアウフグースでした。

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    これが終わると、ランチタイム。朝ごはんをすでにもりもり食べたので、ランチはいらないかなぁ〜くらいでちょっと覗きにいくと、ヘルシー且つ豪華でカラフルなビュッフェがずらり。やっぱり逃せない……ということでしっかりランチも食べちゃいました。朝からやったことといえば、おいしい朝ごはんを食べて、サウナに入るx2、しかもサウナマスターがしっかりとスタートからゴールまで導いてくれる、そしておいしいお昼ごはん。こんな贅沢していていいんでしょうか。

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    北欧ではよく食べられるザリガニですが、わたしは初ザリガニ体験!

     

    でもわたしの贅沢はまだ続きます。午後はサウナヨガ。サウナの中でヨガをするプログラムなんですが、ヨガに通っていないわたしでもできる心地の良いヨガでした。ちなみに先生はなんと、ヨガの先生ではなく、地元の歯医者さんだそうです。ヨガ好き・サウナ好きなのでここでヨガサウナをやっているそう。

    プログラムの合間には、自由にほかのサウナを楽しめます。とはいえ、やはりわたしのお気に入りは海に突き出ているフィヨルドサウナ。ここにいがちになってしまいますね。

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    そして夜は、日本にもハーバルサウナの講師で来たことのあるジェロームは特別に2つのプログラムをやってくれました。ちなみに、ハーバルサウナでは「リラックス」に重きをおいているため、タオル技や熱々のロウリュをすることはありません。落ち着いた環境の中、穏やかな熱と自然のハーブやお香、エッセンスなどを使う種類のプログラムです。

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    1つ目はハーバルリチュアル。ハーブをふんだんに使って穏やかに時間をかけて体験していく形です。ノルウェーではサウナを「Bastu(バストゥ)」と言います。低温で長い時間をかけて途中で換気をして温度を下げて、少しずつ熱を上げていくのがバストゥスタイル。長い時は3時間も続くそうです。今回は30分程度のプログラム。

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    ジェロームさんはハーブやお香を使いながら、ゆっくりとお客さんの表情を見ながら温度をコントロールしていきます。サウナマスターは、こうしてお客さん全員が心地よくいられているか、熱すぎていないか、無理していないか、などをしっかり確認しながらプログラムを進めていくのです。

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    そしてプログラムが終わると、海へ。しっかりと体を冷やして、解放して、リラックス状態へ持っていきます。

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    そして2つ目のハーバルリチュアルへ。こちらは、「バイキングの宴」がテーマ。ジェロームさんもバイキングの衣装とメイクで挑みます。私たちお客さんがバイキングの宴に参加している世界観を一気に作れるところも、2018年のハーバルカップ優勝者のジェロームさん、さすがです。

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    バイキングの世界にするために、たくさんの小道具が用意されています。例えば、風を送るセンスが動物の骨と羽で作られているものだったり、動物の皮のドラムを曲に合わせて演奏したりと、ハーブの香りと蒸気を届けつつも、演出も同時におこなうのです。

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    ジェロームさんの経験の積み重ねと知識で成り立つことだと思います。日本人のわたしはバイキングに馴染みがないので、神秘的でありながらも、なんだかディズニーランドのアトラクションにいるような、異世界を感じました。サウナでこれができちゃうって、本当にすごい……。

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    というわけで、わたしの1日は終わりました。これがFarris Badのサウナプログラムです。朝から寝るまでサウナづくしですが、まさに汗と一緒にすべてが浄化された気分でした。

    もしFarris Badに行ってみようかなと思う方は、ぜひ最低でも2日は滞在して、余すところなく体験をしていただきたいと思います。

    岩田リョウコ

    文筆家、イラストレーター

    コロラド大学大学院東アジア言語文明学科卒。2009年から外務省専門調査員として在シアトル総領事館勤務。在米中に出版した『COFFEE GIVES ME SUPERPOWERS』がベストセラーとなり世界5ヵ国で翻訳出版されている。サウナ愛好家でもあり、フィンランド政府観光局サウナアンバサダーに任命されている。著書に『週末フィンランド』、『エンジョイ!クラフトビール』、『コーヒーがないと生きていけない!』、『HAVE A GOOD SAUNA!』がある。
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    岩田リョウコ

    文筆家、イラストレーター

    コロラド大学大学院東アジア言語文明学科卒。2009年から外務省専門調査員として在シアトル総領事館勤務。在米中に出版した『COFFEE GIVES ME SUPERPOWERS』がベストセラーとなり世界5ヵ国で翻訳出版されている。サウナ愛好家でもあり、フィンランド政府観光局サウナアンバサダーに任命されている。著書に『週末フィンランド』、『エンジョイ!クラフトビール』、『コーヒーがないと生きていけない!』、『HAVE A GOOD SAUNA!』がある。
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