大人男性の着こなしをアップデートするアイテム8選の後編(前編はこちら)となる今回は、残す4アイテムの紹介。新鮮なスクエアトゥの革靴、次のトレンドを予感させるショート丈トップス、スポーツウェアとお洒落着の中間的な短パン、Tシャツの上に羽織る透け素材シャツ。人気が盛り上がりそうな新定番で、夏から秋の装いをフレッシュにしよう。
斬新なスクエアトゥが、革靴をおもしろくする/DR. MARTENS
ドクターマーチンは革靴、ワークブーツ、スニーカーをミックスしたような機能と顔つきのイギリスブランド。アイコニックなエアクッションソールが歩きやすさを生む。ヨウジヤマモトやシュプリームも近年にコラボしたほど、ファッションシーンに愛され続ける存在だ。スニーカーのネクストを探している大人が、いま履くのにぴったりの革靴ではないだろうか。
そのドクターマーチンが8月に個性的なニューモデルを発売する。それがこの「DURROW」だ。デザインポイントは靴先をスパッとカットしたようなスクエアトゥ。スニーカーシーンではボリュームのある派手なモデルが最近のトレンドだが、それに負けないほど印象的な1足である。
パンツは裾がフレアな1970年代調がよく似合いそうだ。現代的なワイドパンツやルーズパンツとも相性抜群。まずはこの靴を手に入れてから、好みのパンツを探して新しい装いに挑戦するのもきっと楽しい。
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男のシルエットが動きはじめた!キーワードは「短丈」/JIAN YE
着丈が長いダボダボ服の時代に、変化の兆しが現れてきた。街行く女子たちは、ピタピタでお腹見せの超ショートトップを着ている。クールな彼女たちを見ていると、男でも上半身をコンパクトに引き締めたくなる。男女の流行は相互に影響し合い大きな時代の流れになっていく。ここにピックアップした一着は、アジア発若手モードのジェンイェのニット。ウエストに乗るくらいの、男性的な体格を強調する着丈がスタイリッシュだ。
迫力のあるこのニットをカッコよすぎると感じる人も、今年は「短丈(俗に“たんたけ”と呼ばれる)」をキーワードに自分らしい服を探そう。例えばアウターなら、ロングコートをジージャンやブルゾンに変えるだけでも旬のムードになる。洗濯で縮んだヴィンテージスウェットシャツもいい候補だ。夏の季節から秋冬まで、今年は短丈コーデでキメていこう。
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短パンはスポーツを意識して、ドレッシーさも忘れずに/迷迭香
暑すぎる日本の夏のマストアイテム、短パン。大人が街で洒落見えさせるには、どのようなものを選べばいいだろうか?まず品の良さは外せないところ。素材はドレッシーなウールが一番なのだろうが、手軽に水洗いできる化繊のほうが実用的である。ファッションとしてつくられた化繊短パンなら街着で十分に見栄えする。
ここに紹介するパンツも、ストレッチの効いたナイロン素材のもの。深みのある黒に上質感があるうえに蒸れにくい快適素材だ。このパンツは上写真ではわかりにくいが裾幅が少し狭くなっている。ヒップ周りがたっぷりなのに、絶妙な“きちんと感”がある。パリッとした白シャツやストライプシャツと組ませれば、リゾート気分のドレスアップができあがる。
「短パン=コットン素材」が常識だった人にこそお薦めしたい一本。気楽に過ごせてどんな服にも合わせやすい、スポーツ×ファッションの良品だ。
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Tシャツ一枚はNG、透けレイヤードで体型カバーを/参考品(古着)
夏の男性の誰もが着る服、Tシャツ。リモートワークの広がりで仕事着が自由になったからか、Tシャツ一枚で街を歩く大人が増えたように思う。ただしTシャツは、いい齢になるほど似合う人とそうでない人がはっきりわかれてくるアイテム。体型が生々しく強調されるから、着こなし難易度が高いのだ。対策として上になにか羽織り、膨らんだお腹周りや背中をカバーすればお洒落度がアップ。Tシャツを「カッコいい下着」程度に考えるとコーデの幅が広がるようだ。
とはいえこれほど蒸し暑い日々が続くと、羽織れる服も限られる。そこで注目されるのが涼しい「透けシャツ」だ。女性のファッショントレンドでもある透け素材(シアー素材)に目を向けよう。風を通すシャツはTシャツの上に着ても体感温度がさほど変わらず実用的だ。
透け素材のうち男性がより親しみやすいのは、写真のようなスポーツ系のメッシュだろう。今夏のセレクトショップで見つけやすいニット、刺繍、レースのメンズシャツもいい選択になる。透け効果を計算した重ね着で、どうぞ軽妙でモダンな大人スタイルを。
ファッションレポーター/フォトグラファー
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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