ブレゲの世界に浸る、ブティック銀座がリニューアルオープン

  • 写真:宇田川 淳
  • 文:並木浩一
Share:
一新したブレゲ ブティック銀座。コンテンポラリーな雰囲気のエレガントな空間が「ニコラス・G・ハイエック センター」の3階フロア全面に展開される。

2024年6月、ブレゲ ブティック銀座が待望のリニューアルオープンを果たした。コレクションを幅広く取り揃えた店舗は、日本のフラグシップにふさわしい雰囲気のスペースだ。

ブレゲの公式サイトはこちら

---fadeinPager---

香港やチューリッヒでも話題となった新コンセプトで、10年ぶりのリニューアル。

ブレゲの日本におけるフラグシップ店「ブレゲ ブティック銀座」が、6月26日にリニューアルオープンを果たした。銀座の一等地である中央通りに面したスウォッチグループの拠点「ニコラス・G・ハイエック センター」。その3階の全フロアを占めるこの店舗は、3カ月の大改装を終えて華麗に生まれ変わった。

前回のリニューアルからちょうど10年。香港やチューリッヒでも話題となった新コンセプトの、東京での完成形だ。ガラス張りの専用エレベーターで降り立つと、アメリカンウォールナットや大理石を駆使したモダンな内装に、ビルの吹き抜けを透かすガラス壁から自然光が降り注ぐ空間が広がる。昼と夜で趣を変える照明が、インテリアのエレガントさをより一層映えさせる。

すべてのスペースデザインと調度品は、スイス本社のデザインチームが選び抜いたものだ。ヴェネツィアの老舗「バロヴィエール&トーゾ」製の照明スタンドはじめ、各国から銘品が運ばれた。そのステータス感にブレゲのエスプリが添えられ、華やかさのなかにもリラックスを誘う。大理石カウンターのベース部分には「クラシック」コレクションのコインエッジを想わせるフルート状の装飾が施された。カーペットにはギョーシェ装飾にイメージが重なる曲線のモチーフが。そしてエナメル文字盤でもお馴染みのブランドカラー、深い“ブレゲ ブルー”が壁面やチェアの座面にアクセントを効かしている。さらに店内奥には、よりセキュリティレベルの高いプライベートな来店を意識したVIPラウンジが設定された。

09.jpg
ゆったりと時計選びを楽しめるテーブル席も新調された。ガラス製の照明スタンドはイタリアのバロヴィエール&トーゾ製。
08.jpg
店舗奥には、VIPラウンジが。正面入り口とは別のエレベーターから出入り可能で、プライベートな空間が保たれている。
07.jpg
ブレゲブルーが強調されたウォールディスプレイに、ギョーシェ装飾を思わせるパターンの敷物など、インテリアにも世界観が。
10.jpg
日本のブレゲブティックでこの一台しかない、19世紀製作のギョーシェ旋盤機を展示。現役の稼働品で、実演イベントでも活躍する。

ブレゲの公式サイトはこちら

---fadeinPager---

ブレゲの歴史と魅力をたどるライブラリーは、まるで小さなミュージアム

02.jpg
クラシック ダブルトゥールビヨン  “ケ・ド・ロルロージュ” 5345

初代ブレゲがトゥールビヨンの特許を取得した1801年と同日、2024年6月26日に発売された「ダブルトゥールビヨン」の最新作。独立した2つのトゥールビヨン機構をブレゲ針の時針を兼ねたバーがつなぎ、中央の差動装置に連結して歩度を調整しながら12時間で1回転。740個ものパーツが構成する壮大なダイナミズムをサファイア文字盤から堪能できる。新たにつくり出されたギョーシェ彫りである、放射状のフランケも美しい。手巻き、18KRGケース、ケース径46㎜、パワーリザーブ50時間、シースルーバック、ラバーストラップ。¥111,067,000 ※2024年7月現在の価格
11.jpg
ケースバックにはブレゲ創業期の工房が置かれたケ・ド・ロルロージュ(大時計河岸)の光景や人物が緻密な彫金で描かれている。

旗艦店ならではの品揃えは、来訪者の期待を裏切らないものだ。ブレゲを象徴する古いギョーシェ旋盤機の実物を置いた中央通り側から奥に向かって、壁面のウィンドー、Jの字を組み合わせたカウンター、オンデスクのショーケースでそれぞれ「クラシック」「タイプ XX」「トラディション」「マリーン」「クイーン・オブ・ネイプルズ」、そしてトゥールビヨン、グランドコンプリケーションのテーマ別ディスプレイが続く。

ブレゲの歴史と魅力をたどるライブラリーは、まるで小さなミュージアムのようだ。逍遥して楽しむことも、気になった商品のピックアップをリクエストしてスタッフとコミュニケーションをとりながらじっくりと吟味することもできる。

オープンの日は、1801年の同日にブランド創始者アブラアン‐ルイ・ブレゲが発明したトゥールビヨン機構の特許が認定された“トゥールビヨン・デイ”だった。「ブレゲ ブティック銀座」は、誰も真似できないヒストリーを再確認し、また新しい物語を紡ぎ始めたのである。

06.jpg
複雑時計も展示。左:「クラシック トゥールビヨン パーペチュアルカレンダー 3795」 右:「クラシック ミニッツリピーター 7637」
03.jpg
フランス軍のために製作されたパイロットウォッチをルーツとする伝説的なクロノグラフ。左:「タイプ XX 2067」 右:「タイプ 20 2057」
05.jpg
初代ブレゲは同時代で唯一、フランス王立海軍時計師を務めた偉人。左:「マリーン 5517」 右:「マリーン アラーム ミュージカル 5547」
04.jpg
「クイーン・オブ・ネイプルズ 8918」。オリジナルは腕時計のルーツとも言われる、ナポリ王妃カロリーヌのために製作された品。

ブレゲの公式サイトはこちら

ブレゲ ブティック銀座

住所:東京都中央区銀座7-9-18 3F 
TEL:03-6254-7211
営業時間:11時~20時
不定休