「何やってもいい、自由なのがYouTube」 常に前向きな藤本美貴が、動画配信を続ける理由

  • 写真:ヨシダキヅク
  • 編集&文:井上倫子
Share:
藤本美貴●北海道滝川市出身。2002年にソロ歌手としてのデビューを果たした後に、03年から07年までモーニング娘。の6期メンバーとして在籍した。現在はドラマやバラエティー、雑誌などで多彩に活躍。

MCを務めるバラエティ番組「夫が寝たあとに」(テレビ朝日系)をはじめ、さまざまなテレビ番組に出演し、ミキティの愛称で愛されているタレントの藤本美貴。そんな彼女の著書『ミキティ語録』が9月3日(火)に発売される。この本は自身のYouTubeチャンネル「ハロー! ミキティチャンネル」の人生相談コーナーに集まった言葉から構成されている。常に前向きな彼女のもとには、どんな悩みが寄せられるのだろうか? この本に込めた想いから、YouTubeを続ける秘訣も語ってくれた。

——「ハロー! ミキティチャンネル」の人生相談コーナーに集まった言葉から、『ミキティ語録』は構成されているそうですね。そもそもYouTubeをはじめたのは、どういう理由からなのでしょうか。

自分が好きなことをやってみたい! それが最初の思いで、いまもそれは変わらないです。16歳で芸能界に入ったこともあって、社会勉強じゃないけど、色々なことをしてみたい、見たい、聞きたい。自分が知らなかったお仕事をされている方や、いろいろな人に会えるのが楽しいんですよ。

——実際にお会いした人で印象的だった方はいますか。

企画でレンタル彼氏に会ってみたりとか、投資家の方に話を聞いたりもしましたね。私と同じように子育てをしているママたちに話を聞いても、似ているようで全然違うんですよ。子育てや生活って、自分は普通だと思っても実は結構皆さんこだわりがあったりしますから。

——YouTubeの人生相談のコーナーはいつから始めましたか。

最初はネット掲示板に掲載されているお悩みに勝手に答えていたんです。「今日もネット掲示板のお悩みにで答えます」という感じで。そこから、せっかくだからお悩みを募集しましょうとなり、もう2年ぐらい経ちます。

_61A6481_last.jpg
3児の母としての経験を生かした本音トークが、YouTube「ハロー!ミキティ」チャンネルや、テレビ朝日系「夫が寝たあとに」などで共感を呼んでいる。www.youtube.com/@hello_mikitty

——皆さん、どんなことに悩んでいるのでしょうか。

それが幅広いんです。18歳くらいの子から「学校で隣の席の人に声をかけられません」というかわいい悩みもあれば、60代の方からの孫の相談、旦那さんから「妻が不倫して子どもができてしまいました」というディープなものまで。質問ボックスに常に2000通くらいお悩みがあるらしく、そこからスタッフさんが選んで、ひとつの動画で5、6個の質問に答えています。毎回、撮影本番になって初めて聞くので準備することもできないまま答えてるんですけど。

——その場で答えているというのはすごいですね。藤本さんの回答は、ズバッと言うけど嫌じゃない感じがして、それが魅力的です。

ありがとうございます。せっかく答えるなら、言ってあげなきゃと思うんです。一緒に寄り添っても、解決にはならないのかなと。さまざまな目線から物事を見てほしいんです。いまは右からしか見てないけど、左もあるし、上も下もあるし、 後ろも前もあるよと教えてあげたい。それを聞いて、結局どうするかは自分次第だと思いますし。 

——動画の企画や編集はどのようにされていますか?

夫の庄司さん(庄司智春)との夫婦での動画は撮影と編集も彼がやってくれるんです。企画もスタッフさんがこういうのやろうと思いますと提案してくれたり。悩み相談と並行してさまざまな企画をやっています。

——動画をつくる上で気をつけていることや、こだわりはありますか?

こだわりは持たない方がいいのかなと思っています。何やってもいい、自由なのがYouTubeじゃないですか。テレビ番組はワンクールやりますとなったら、3カ月間、嫌でもやらなきゃいけないけれど、YouTubeは嫌ならやめてもいいと思うんです。自分たちで自由にできるというのがYouTubeのよさなんです。 

_61A6444_last.jpg
「どうして、そんなに前向きなんですか」と何度も質問されてきたという藤本さん。そのたびに「自分が前向きかどうかなんて、考えたことがないんです。何も考えず、普通に生きてきたんですけど……」と答えてきたという。

——いまや登録者数は84万人以上ですが、当初はこんなにも人気になるとは思ってなかったのではないですか。

そうですね。スタッフさんがYouTubeの撮影日をスケジュールに入れてくれているので、配信できています。多分私だけだったら、2〜3カ月はアップされないと思います(笑)。家事もあるし、自分のやらなきゃいけないことを優先すると多分、後回しになってしまう。だからスタッフさんには感謝ですね。私はもう、楽しんでるだけで、庄司さんの方がちゃんと数字を気にしてくれているくらい。見る人が全然いなくても、楽しければ長く続けたい。長く続けることに意味があると思いますし、自分の社会勉強という理由から始めたので、数字のことはあまり気にしていません。自分の好きなことをやれる場所があるというのは、ありがたいですね。

——YouTubeだけでなく、今後やりたいことや会ってみたい人はいますか。

一通りいろいろなことをやってきたので、だからいい意味でやりたいことはないかもしれません。でも、お悩み相談を公開収録でやると、やっぱり直接顔を見て話せるのが楽しいなと思います。いまはコンサートで地方に行くこともないので、日本各地に行ってたくさんの人と実際に会ってお話ししたいですね。海外にも行ってみたい。普通に観光したい気持ちも強いですが(笑)、場所が変わればさまざまな考え方の人がいると思いますし、学びがありそうでワクワクします。

mikity_shoei.jpg
前にジャンプすることが得意なうさぎがモチーフ。『ミキティ語録 前しか見ない』は、9月3日から発売。

——『ミキティ語録』は、“MIKITTY WORDS”である「語録」と、それに対する文章という構成になっていますね。どんな本なのでしょうか。

当初から、子育てや仕事で忙しい方でも、隙間時間に読めるような読みやすい本にしたいと思っていました。私自身、毎日本を読むかというとそうではないので、最初からはもちろん、どのページからでも読めるような構成にしています。前向きになれる言葉ばかりですし、女性でも男性でも子どもでも、誰でも読みやすい本です。

『ミキティ語録 前しか見ない』

藤本美貴著 CCCメディアハウス ¥1,650
www.amazon.co.jp