クラフトビールと相性抜群! グラスが進む、料理自慢の東京の5軒

  • 編集&文:久保寺潤子
  • 文:岡野孝次(ファットQ)
  • 写真:河内 彩、齊藤誠一(ファットQ)
Share:

風味豊かでバリエーションもさまざまなクラフトビールは、料理を引き立て、食事の楽しみを高めてくれる。両者の相性を追求した東京の5軒を厳選紹介!

Pen最新号は『驚きと、よろこびのクラフトビール』。この数年で、クラフトビールをめぐる景色が大きく変化しつつある。ていねいにつくられたもの、多様性を包み込むもの、消費されない価値を持つもの。こうした価値観、考え方が世の中に浸透し、新しい時代の姿となっているが、クラフトビールは、まさにその流れの真ん中にあるものだ。世界を動かす驚きと、よろこびあふれるクラフトビールを体感しに行こう。

『驚きと、よろこびのクラフトビール』
Pen 2024年10月号 ¥880(税込)
Amazonでの購入はこちら
楽天での購入はこちら

料理とマリアージュを楽しむ、ビストロ系ビアバー【ノウス (八幡山)】

04_240705_141- 1600.jpg
京王線八幡山駅からすぐ。店先には「本日のタップメニュー」が置かれ、クラフトビール初心者も入りやすい。

昼はハンバーガーショップ、夜はビアバーとして営業するノウス。カウンターのみの店内で腕をふるう小沼浩次シェフは、コロナ禍でクラフトビールにハマり、6種のタップを備えたビアバーを昨年11月にオープンした。北海道のブラッスリーノットから埼玉のティーンエイジブルーイング、西池袋のサイカドブリューイングなど人気ブルワリーの銘柄が揃う。

「食事と一緒に楽しんでほしいので、ビールは派手すぎないものを選んでいます」。桃やイチヂクなどフルーツを使った料理にはセゾン系のヴァイツェンを、和の食材を使ったスパイシーな料理にはコクのあるペールエールがお薦めだ。ワインのようにビールとのマリアージュを楽しみたい。

01_240705_199- 1600.jpg

素焼きした万願寺唐辛子にしらすとアラビアータソースをかけた一品。唐辛子のほろ苦さとスパイシーなソースは、しっかり目のペールエールやサワーエールなどが合う。お馴染みの食材をビストロ飯に変身させるのがシェフの得意技。「万願寺唐辛子としらすアラビアータ」¥1,100

02_240705_144-.jpg

生ハム、チーズ、桃が三位一体となって口の中で味のハーモニーを奏でる。ストラッチャテッラ(ブッラータチーズの中身)のとろみが塩味、甘み、酸味をまろやかに包み込む。ミントとディル、レモンドレッシングがアクセントになった爽やかなひと皿。季節に応じて果物は随時変更される。「桃とストラッチャテッラのカプレーゼ」¥1,100

03_240705_168- .jpg

香ばしく炙ったスルメイカと肉厚な椎茸に、タイムやローズマリーの香るバターソースが味に深みを与えている。「スルメイカと椎茸のグリル カフェドパリバターソース」¥1,100

ノウス

住所:東京都杉並区上高井戸1-1-9
TEL:03-6304-6047
営業時間:18時~23時(火) 12時~14時30分、18時~23時(水、金)  12時~15時、17時~23時(土) 12時~14時30分(日)
定休日:月 
Instagram@novus_oh_my_beer

 

---fadeinPager---

エスニック料理のスパイスが、ビールの味を引き立てる【ビア オタク スパイス(秋葉原)】

08_240702_039- 1600.jpg

カウンターの上には「本日のクラフトビール」が6種掲示されている。合わせる料理や好みを店主に相談すれば親切に教えてくれる。

「これまではアメリカが先陣を切っていましたが、いま日本のクラフトビールが俄然おいしくなっています」と話すのは昨年4月、秋葉原に店を開いた尾形廣店長だ。

6種類のタップは静岡のウエストコーストブルーイング、山梨のうちゅうブルーイング、広島のブレイクエッジなど個性派揃い。料理とのマリアージュが難しいとされるヘイジーIPA に合う料理を試行錯誤し、生まれたのが看板料理のビリヤニだ。バスマティライスを特製スパイスで炊き上げるビリヤニは、どんなクラフトビールとも相性がいい。他にもタイ風豚しゃぶ、ラープガイ風鶏挽肉キャベツなど、エスニックな香りとパンチの利いた味で、ビールが進むこと間違いなしだ。

05_240702_099- 1600.jpg

ビリヤニの具はチキンまたは魚の2種類から選べる。パラパラとしたバティマライスにスパイスが絡み合い、おつまみ感覚で楽しめる。トッピングのキーマカレーは隠し味にビールを使用。写真は2種盛り+キーマカレー、ライタ付き。「ビリヤニ」¥1,000~

06_240702_045-.jpg

クミンやコリアンダーなどカレースパイスに豚を漬け込み2~3時間低温調理したローストポーク。ホップが効いたヘイジーIPAに合わせるのがお薦め。スパイス入りのヨーグルトソースとコリアンダーがアクセント添えている。 「スパイシーローストポーク」¥750

07_240702_049-.jpg

シナモン、八角、ナンプラー、きび砂糖を使って甘しょっぱく仕上げた豚肩肉の煮込みは、黒っぽい色のビールや赤ワインのように酸味やフルーティなビールにも合う。しっかり味がしみた厚揚げと煮卵とともに箸が止まらなくなる。 「カイパロー」¥750

ビア オタク スパイス

住所:東京都台東区台東1-8-5
TEL:03-4362-8746
営業時間:11時30分~14時L.O.、17時~23時L.O(. 木~日) 17時~23時L.O(. 火、水)
定休日:月 
Instagram@beerotaku_spice

---fadeinPager---

日本では希少! ブルワリー併設のテキサスバーベキュー専門店 【ファットQ(要町)】

11_22A1990 1600.jpg

特注したスモーカーでバーベキューを調理する。ここに店を構える前は、おもにビアフェスに出店していた浅賀。自身もクラフトビール好きだそう。

今年4月、サイカド ブリューイング内に、テキサスバーベキューを提供するファットQが開業。タップルームのフードを一手に担うようになった。

「薪を燃やした煙で、リブなら5時間、ブリスケットなら12時間かけて燻しながら焼きます」。低温でじっくり火入れすることで肉の旨味の凝縮感が生まれる。代表の浅賀俊介は現地でこの料理に感銘を受け、帰国後に独学で調理法を習得した。

「ビールとの相性も抜群です。ホップの風味の強いアメリカンIPA はもちろん、ライトな飲み口のペールエール、酸味の利いたサワーIPA で脂を流しながら食べるのもグッド。ぜひサイカド ブリューイングのいろんなビールと合わせてみてください」

09_22A1949 1600.jpg

部位をバットに盛り付け、みんなでわいわい食べるのがテキサス流。右上から時計回りに ハーブを利かせた「ビーフソーセージ」(1本)¥1,200、アメリカで「ラブ」と呼ばれるミックススパイスをまぶして燻製した「リブ1/4ラック」¥2,200、週末のみ提供されるのは、牛の肩バラ肉を塩コショウのみでシンプルに仕上げた「ブリスケット1/2パウンド」(226g)¥4,400 

10_22A1978.jpg

ブリスケットを10日間塩漬けし、燻製した自家製パストラミを挟んだ「パストラミ・オン・ライ」¥3,600。パンも天然酵母を用い、浅賀が焼く。

ファットQ

住所:東京都豊島区西池袋4-19-14
TEL:03-6873-2143
営業時間:12時~14時30分L.O.、17時~22時L.O.(月~金)12時~22時L.O.(土、日、祝) 

定休日:火
Instagram@phat_que

---fadeinPager---

香港発、アジアのカルチャーから生まれたビアバー【カーボン ブリュース トーキョー(赤坂)】

14_240705_302- 1600.jpg

地下にある店はカウンターとテーブル席でゆったりした雰囲気。入り口横のセラーでは缶ビールが購入可能。一人でも仲間とでも幅広く利用したい。

2018年、香港の工業地帯、火炭(フォータン)で誕生したカーボンブリュース。アジアと西洋が交差するカルチャー発信基地で革新的な醸造を行っている。日本でも舌の肥えたビールラバーから支持を得て22年、赤坂にタップルームをオープン。香港のビールをメインに12種類のタップを揃えるほか数十種類の缶ビールも販売する。料理は香港焼きそばをはじめ、点心や麻婆チーズポテト、肉まんなどアジアのエッセンスが詰まったオリジナルだ。

「夏は塩とコリアンダーが効いたサワー系のゴーゼなどを合わせるのもお薦め」と澁川拓也店長。7品のコース料理(飲み放題付き¥5,000~)は当日の注文も受け付けている。仕事帰りに大勢でわいわいと楽しみたい。

12_240705_367- 1600.jpg

香港でお馴染みの名物チキンウイングは、五香粉、ガーリック&チリフレーク、チリレモンの3つからフレーバーを選べる。写真はスパイシーなチリフレーク。ほのかに柑橘が香るスパイシーなセゾン系ビールとも相性がいい。「チキンウイング」¥1,280 

13_240705_334-.jpg

看板メニューの焼きそばは中国のたまり醤油、ローツォーワンと2種の醤油、紹興酒などを使った本格派。あっさりした細めの香港麺とシャキシャキもやしが絡み合い、クセになる。メインにもシメにもなる万能選手。「香港風味 屋台焼きそば」¥1,300 

カーボン ブリュース トーキョー

住所:東京都港区赤坂3-14-2 B1
TEL:03-6426-5332
営業時間:17時~23時30分(月~金) 15時~22時(土、祝)
定休日:日 
https://carbonbrewsjapan.com/ja/pages/taproom

---fadeinPager---

懐かしの居酒屋スタイルで、クラフトビールを広めたい【タヰヨウ酒場(西小山)】

18_240705_228- 1600.jpg

タップは品川のデビルクラフト、静岡のベアード、神奈川のヨロッコ、三重の伊勢角屋麦酒、新潟のスワンレイクなど。

有名ブルワリーで働いた経験のある鳴岡哲哉店長。クラフトビールとの付き合いは長く品揃えにもこだわりがあるが、店は居酒屋スタイルを貫いている。


「日本酒や焼酎のように、クラフトビールもお客さんに長く親しんでもらいたいから、流行りに走らない。飲みやすく料理に合うものしか置いていません」。暖簾をくぐると昭和の雰囲気が漂う店のお品書きには、もつ焼き、冷奴、マカロニサラダ、ハムカツといった居酒屋メニューがずらり。本日のクラフトビールと日本酒がそれぞれ7種類ずつボードに手書きされている。

「ビール好きと日本酒好きが一緒に楽しめる場所。クラフトが苦手な人にも飲んでほしいからクラシックなものを選んでいます」

15_240705_280- 1600.jpg

愛媛出身の店長が幼い頃に通っていた町中華の味を思い出してつくった特製焼きそば。出汁にイワシとサバ節を使い、ウスターソースで仕上げている。カリカリの麺とチリメンジャコの歯応えもよく、瀬戸の香り漂うあっさり焼きそばは、ビールのアテに最高だ。「店主想い出の焼きそば」¥630

17_240705_247-.jpg

近隣にある馴染みの業者から仕入れているタン生は、新鮮さが身上。醬油、ショウガ、酢とともにさっぱりいただける。IPAやセゾン系のビールとの相性もよく、クラフトビールの味わいを邪魔しない絶妙な一品だ。「タンナマ」(数量限定)¥450

16_240705_240-.jpg

メインメニューはもつ焼き。焼き鳥屋で働いた経験のある店主は、シンプルで飽きのこないものを厳選して提供している。もつ焼きの盛り合わせは右からかしら、はつ、自家製つくね。コクのある黒いビールに合わせてちびりちびりやるのもオツ。「焼き物」¥130~

タヰヨウ酒場

住所:東京都品川区小山5-23-16
TEL:03-6886-4533
営業時間:16時~23時30分(火~土) 12時~21時(日、祝)
定休日:月(祝日はオープン)
Instagram@taiyo.sakaba

Otomoni×Pen編集部による、限定クラフトビールのコラボセットを発売中!

「Pen」クラフトビール特集の記念企画として、世界各地・日本全国400社4000種類のクラフトビールを扱う定期便サービス、Otomoni(オトモニ)とPenのコラボが決定。Otomoni Storeにて、ここでしか買えないクラフトビールのコラボセット2種類を数量限定で発売開始! 

詳細はこちら

 

『驚きと、よろこびのクラフトビール』
Pen 2024年10月号 ¥880(税込)

Pen0828売_表紙_RGB.jpg
Amazonでの購入はこちら
楽天での購入はこちら