「世界のベストレストラン 50」で世界一に4度輝いた、コペンハーゲンにあるnoma(ノーマ)。でも一体、なにがすごくて、なにが超絶にすごいの? 日本初、全世界でも15人しかいない「世界のベストレストラン 50」のオフィシャル“テイストハンター”Keisuiが、自腹で訪れたnomaの思い出を振り返る!
●8月12日
コペンハーゲンに着いた。はじめまして、コペンさん。
9日の午後、nomaから4人の席が空いたという連絡がきた。こりゃ、行くしかないと思って滞在中のパリからコペンへ。
にしても、めちゃ焦った。だって、わたしたちは2人ぼっち。席を確保するにはもう2人必要…。いきなりコペンに来れる人なんて、そうそういないよね。と思って真っ先にJuncoに連絡したらマジでアゲだった。だって3日後にはコペンで待ち合わせだよ。フッカル。
nomaとは。まさにコレ。
3日前に「席取れたからコペンくる?」と言われて行かなきゃ後悔するな、と思わせるレストラン。そんなレストランはなかなかない。
●8月13日
お昼をフィッシュアンドチップスで軽め?にしておいて、もう心をnomaモードに。
ヤバい。ソワソワが止まらない。だって、nomaってビニールハウスなんだよね? そろそろ閉店するんだよね? 世界中のフーディーが集まるんだよね? ラボなんだよね?
と妄想と質問の波が次々に訪れてきて、心が忙しかった。ふぅ。楽しみMaxすぎて、nomaに向かうタクシーの車内がワクワクで埋もれて、記憶が飛田給。
到着…。
これが夢にまでみた…。
N O M A 様!!!!
ビニールハウスでまずはウェルカムTea飲んで、なんだかとってもファンシーでアリスインワンダーランド的な農園?畑?の中を通って店内へ向かう。
すでにもはや泣きそう。というか、泣いてる。いや、泣くよね。もう食べる前からなんなんだこの感情は! 夢が叶って自分がここに来れる日がくるなんて。
うぅ、エントラスを抜けたらスタッフ全員が手をとめてお出迎えとか~。この情景、後で思い出しても泣ける。ホスピ~。
あふれんばかりの「いままで出会ったことない美味しさ」が次々追いかけてくる感じ。すごい感じ。新記録が秒で塗り替えられる美味しさ。美味しさのオリンピックや~。
もうなんだろう。nomaというすごさを肌でも脳でも口でも感じて、ぐうの音も出ないというか、ドヤってどんどん押し切られる感覚。
これがnomaやで、ドヤっ。
と、怒涛の野菜メニューが続く。このまま私は一生お肉なしでも満足できる気がしてきた。美味しい。素直に美味しい。
接客も素晴らしかったな…。英語、日本語を使い分けて、ていねいに説明してくれるスタッフたち。
大きな窓辺の席で、日が落ちるを眺めながら「え~、いまのあたしって幸せすぎるのでは~」などと思っていたら本当に泣きそうになったので、帰国してからの現実を思い出して涙腺に蓋。
デザートの後、キッチンツアーも、ラボツアーもしてもらった。去年のnoma at Ace Hotel(エースホテル京都)の時のお料理の写真や模型も並んでいて、「あぁ、わたし、ここにもいました(高揚)」となってしまったあとに、「あ、そうだ、また今年もnoma at Ace Hotelに行くんだった」とさらに高まった。
そう、noma at Ace Hotelは2024年10月にまた帰ってくるし、予約してるし、またnomaれるし、アゲだし、揚げ出しでるかもだし(出ない)。めちゃ楽しみ、いまから絶食して挑むくらい敬意を払いたい(無理)。
あぁ、来てよかった。来なかったら後悔していた。
noma がある世界はさらに鮮やかに見えた。おいしさという世界線を越えて、 これがnomaやで、ドヤっ。と押し寄せてくるのがnomaである。きっとそう。
幸せnomaパワーで1年は頑張れるわ。
nomaとはレストランではなく、食体験である。食を通じてこれまで感じたことのない世界に連れて行ってくれる。
朝のワクワクから、寝るまでの気持ちの満足感。noma様。あなたが存在するこの時代を少しでも共有できてよかった。
nomaに寄り切りされて土俵の外に出てしまったわたしは、一から勉強しなおします。
おいしいものがあれば西へ東へ、世界中を駆けまわるFoodie、Keisui。ミシュランと並ぶ食のコンペティション「世界のベストレストラン 50」の公式デジタルアンバサダーで、世界で15人しかいない「TasteHunters」に唯一の日本人として就任。Instagram: @keisui