永山瑛太が京都で体験する、 グッチの没入型巡回展

  • 写真:TISCH(MARE Inc.)
  • ヘア&メイク:松山和美
  • 編集&文:佐野慎悟
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展覧会の会場となった京都市京セラ美術館の前には、新しいグッチのシグネチャーカラー「グッチ ロッソ アンコー ラ」で表現された“GUCCI COSMOS”の巨大なロゴが出現。着物のような前合わせのジャケットに身を包んだ永山瑛太は、さながら時空を超える旅人のようだ。ジャケット¥484,000、シャツ¥165,000、パンツ¥176,000、グロー ブ¥86,900/すべてグッチ(グッチ ク ライアントサービス)

グッチ日本上陸60周年を記念して、上海、ロンドンで成功を収めた世界巡回展『GUCCI COSMOS(グッチ コスモス)』が京都にて開幕。過去と未来が溶け合う異次元の旅路に、俳優の永山瑛太が迷い込む。

永山瑛太●俳優

1982年、東京都生まれ。2002年、青春群像劇『青い春』で映画デビューし、ドラマ『ウォーターボーイズ』や『オレンジデイズ』など話題作で注目を浴びる。近年は自身で撮影した写真やペインティング作品を発表するなど、多方面で才能を発揮する。2025年には映画『宝島』が公開予定。

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果てなく広がるグッチの宇宙を、身体全体で体験

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最初の展示ルーム「Time Maze – 時の迷宮」の入り口にあるエス・デヴリン作のゲートウェイが、来場者を時空の旅へと誘う。グッチオ・グッチの誕生から現代に至るまでの歴史が幾重にも連なり、タイムトンネルを潜り抜けていくような感覚が味わえる。

デザインをイギリス人アーティストのエス・デヴリン、キュレーションをイタリアのファッション研究家であり評論家のマリア・ルイーザ・フリーザが手掛けた『グッチ コスモス』が、グッチ創設の地であるフィレンツェと姉妹都市の京都へと上陸した。6つのエリアに分けられた会場では、100年以上にわたるグッチの歴史と、各時代を彩ってきた歴代クリエイティブ・ディレクターたちのデザイン、そして時を超えて愛されるアイコンの数々が、先進的な演出で展示されている。

「Leisure Legacyーライフスタイル賛歌」と「Bambooーバンブーの世界」の展示ルームでは、グッチのアイテムとともに京都市京セラ美術館の所蔵コレクションを展示し、ここでしか実現し得ないインスタレーションを展開。果てなく広がるグッチの宇宙(コスモス)を、身体全体で体験できるイマーシブなエキシビションには、訪れる度に新たな発見がある。

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最初の展示ルーム「Time Maze – 時の迷宮」では、ブランド創設当時から現在に至るまで、グッチの歴史を彩るマイルストーンやアイコニックなアイテムがマッピングされており、来場者は引き出しや棚を自らの手で開け閉めしながら、自由に探索を楽しめる。

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2番目の展示ルーム「Zoetrope – 乗馬の世界」では、グッチと乗馬の世界のつながりをたたえ、その歴史を通じて表現されてきたアイテムやインスピレーション源を紹介。円形の空間を囲むように設置されたスクリーンには、疾走する馬の映像が映し出される。Photo : Courtesy of Gucci
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1970年代から現在までに発表された、 グッチのアーカイブ コレクションが並ぶ3番目の展示ルーム「Echoes – ク リエイティビティの系譜」。テーマごとに年代を跨ぐグルーピングで、時を超えて受け継がれるグッチのデザインコードが浮かび上がる。
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サバト・デ・サルノが手掛けたグリーンのカスタムメイドのドレスは、2024年のゴールデングローブ賞授賞式でテイラー・スウィフトが着用したもの。その後ろにはトム・フォードやアレッサンドロ・ミケーレが手掛けたイブニングドレスも並ぶ。Photo : Courtesy of Gucci

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トム・フォードが手掛けた目に鮮やかなベルベットのタキシードスーツと、サバト・デ・サルノによるデニムパンツのカジュアルなルックは、ともにメンズとウイメンズでミラーリングするようにデザインされた。会場でも鏡合わせのように展示された。Photo : Courtesy of Gucci

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4番目の展示ルーム「Leisure Legacy – ライフスタイル賛歌」では、乗馬、テニス、ゴルフといったレジャーとファッションのつながりをリードしてきたグッチのアーカイブ アイテムとともに、京都市京セラ美術館の所蔵コレクションをリンクさせて展示。Photo : Courtesy of Gucci
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馬具の轡(くつわ)から生まれたホースビット、腹帯から生まれたウェブ ストライプなど、グッチを代表するコードと乗馬の世界の関係を、展示を眺めながら改めて確認する永山。

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人の心をつかむのは、所々に忍ばせた遊び心

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「グッチ バンブー 1947」バッグの起源を紐解く5番目の展示ルーム「Bamboo – バンブーの世界」。バンブーハンドルバッグ発売75周年記念のショートフィルム「KAGUYA BY GUCCI」に出演した永山は、映像で映し出された竹林の中へと迷い込んでいく。

 グッチ コスモスの展示を通して、グッチの過去、現在、未来、そして時代を超えて受け継がれてきたフィロソフィーと、アイコンの変遷に触れた永山瑛太。自身も表現者である彼は、100年を超える表現の軌跡を目の前にして、なにを感じたのだろうか。

「各時代のクリエイティブ・ディレクターが見せる細部へのこだわりと、斬新なアイデアや遊び心に感銘を受けました。俳優の芝居でも、ベースとなるものをしっかりつくり込みながら、どこかに枠から外れる遊びや裏切りを盛り込むことが、観る人の心をつかむフックになるということもあります」

 さらに永山は、各クリエイティブ・ディレクターの個性の違いにも着目し、話を続ける。

「それぞれのスタイルを見比べることができる点も面白いですが、表面上の見せ方がどれだけ大きく変わったとしても、根底にある〝グッチらしさ〞みたいなものは、いつの時代も変わらずに、脈々と受け継がれてきたということに改めて気付かされました」

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グッチ日本上陸60周年記念プロジェクトの一環として、日本の伝統工芸作家とコンテンポラリーアーティストによって再生された「グッチ バンブー 1947」バッグは、美術館所蔵の井上流光(いのうえ りゅうこう)作『籔(やぶ)』(1940年)とともに展示された。Photo : Courtesy of Gucci

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日本の「赤い糸」の伝承にインスピレーションを得た最後の展示ルーム「RedThreads – グッチの絆」では、グッチの歴史を通して繰り返し登場してきたレッドのアイテムを通じて、過去と現在をクリエイティブな表現でつなぐ“filrouge”(赤い糸)を表現。Photo : Courtesy of Gucci

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ウエア、アクセサリー、オブジェといった展示アイテムばかりではなく、壁や床まで全面が「グッチ ロッソ アンコーラ」カラーで統一された、最後の展示ルームに足を踏み入れる永山。シューズ¥194,700/グッチ(グッチ クライアントサービス)

『GUCCI COSMOS』

会場:京都市京セラ美術館 本館 北回廊1階 新館 東山キューブ
京都市左京区岡崎円勝寺町124
会期:開催中~12/1(日)
開館時間:10時~18時(最終入館は17時)
料金:一般¥2,200
休館日:月(祝日の場合は開館)


グッチ クライアントサービス

TEL:0120-99-2177