なにかが主流になれば、その対抗馬が出現してカッコよく見えてくるのが世の常。ファッションにおいて現在の主流派といえるキースタイルは「ジェンダーレス」。女性はセクシーさのアピールを避け、男性はマッチョな外見を包み隠す。男女の違いが少ないニュートラルな装いが、2010年代から現在まで続く大きな流れである。この潮流は今後も変化しつつ続いていくと予想されるが、いま再び昔ながらの“男っぽさ”も人気が復活してきたようだ。ボロボロに加工されたゆったりデニムを若年層が好んで穿き、ハードで力強い着こなしが台頭している。もっとも東京の街中では同じようにハードな服で全身を固める女子も増えてきた印象だし、この攻めたファッション傾向もまたジェンダーレスと呼べるのかもしれない。
---fadeinPager---
アメカジや歴史的なアウトドア服も同列のトレンドとして人気が高まるなかで、注目すべきフットウェアが新登場した。ドイツのコンフォートサンダルであるビルケンシュトックと、アメリカ発祥の森林活動ウェアであるフィルソンとがタッグを組んだコレクションである。タフで野性的なレザーがアッパーに使われ、野山を散策するクラシックな服装にフィットするムードに仕上がっている。
驚くべきは今回のコラボのために3型も新型が開発されたこと。そのひとつ「Skykomish」はフィルソンのティンクロス生地を部分的に使ったラギッドソールのブーツ。ハンティングシューズを彷彿させるアッパーの凹凸ラインやマッドガード(泥除け)が印象的だ。「London Methow」はリングベルトのようなバックルを搭載したモデル。モカシンシューズに近いニュアンスがアメリカンである。「Lahti」はフィルソンのアイコニックなウール素材を採用した薄底ブーツ。古着屋の軒先に置かれていそうな味わいのある佇まいだ。
---fadeinPager---
発売は10月22日(火)より、filson.jp、1774.com、FILSON TOKYO STORE、BIRKENSTOCKの一部直営店舗、1415+2、Nigel Cabourn THE ARMY GYM阪急メンズ店、FILSON Shop-in-Shop at 4Pieceでスタート予定。凝ったデザインだけに価格もワンランク上だが、矯正靴の伝統をいまに伝えるビルケンシュトックと野外フィールドを歩む王道のフィルソンとの歴史的なコラボに心躍る人は要チェックだろう。足下をモードなスニーカーからラギッドなシューズに変えようと狙っている人にも、ぴったりな購入候補のひとつとなるに違いない。
ファッションレポーター/フォトグラファー
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。