フリースをウール素材でグレードアップ!裏面オーガニックコットンの快適な一着がナナミカから

  • 文:一史
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天然ウールで仕立てられた男女兼用のフリースジャケット。フライトジャケットふうの袖と裾のリブもクール。¥64,900/ナナミカ×プリスティン (ナナミカ 代官山

なんだかんだでフリース。我々男たちの真のデイリーな愛用品。シワも汚れも目立たず軽いフリースが一着あれば、冬の日常生活はたいてい間に合ってしまう。できることなら室内やアウトドアだけでなく、外出着にも活用できる上質感がほしいところ。カジュアルすぎる印象がブラッシュアップされたら、大人の洒落着になれそうだ。
このようにハイグレードなフリースを望んでいた人にぴったりの逸品が登場した。表面がウール、裏面がオーガニックコットンで天然素材100%のジャケットである。ルックスもディテールもどこまでもシンプル。色はベージュ系の上品なナチュラルのみ。無駄を削ぎ落とし、着る性別を問わないジェンダーレスデザインだ。裏地つきだから風が吹く冬の屋外でも保温性が期待できる。
しかもなんとリバーシブル仕立てで、ウール面とコットン面の2通りに着用可能。コットン面を表にすれば暖かさはキープしたままシックな印象に早変わりする。着ていく場所やコーディネートしだいで自在に切り替えられ、旅行着にも役立つだろう。

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裏面のコットンを表にひっくり返した状態。両サイドにポケットも装備されたリバーシブル仕様だ。

タオルのようなパイル状に起毛されたフリースは、アウトドアで人気を博した1970年代から石油由来のポリエステルが主原料だった。軽く洗濯しやすく低価格の化繊フリースは、実用度が高く気軽に購入できる優れた服だ。ただし現代では水洗いで流れ出るマイクロプラスティックの水質汚染の槍玉に挙がる服にもなっている。環境意識の高い人に好ましい服ではなくなってきたようだ。
今回のウールフリースがつくられたのも、ウールなら環境に影響を与えにくいことが発想の源である。羊の毛を刈るウールは持続生産可能な素材として注目されている素材だが、この服はさらに羊の身体を傷つけない育て方をされたノンミュールジングウールを使用している。
もうひとつの素材のオーガニックコットンは、無農薬栽培で土壌と水質汚染を防ぐ素材だ。着る快適さにも優れ、糸にギシギシとしたきしみがなく洗濯を繰り返しても劣化しにくい。美しく長く着られるため、多少高価でも結局はお得な素材ともいえる。

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コットン面を表に着た背中。ネームタグはこの裏面についている。

大人こそが似合うウールフリースを制作したブランドはナナミカ。レトロなアウトドア系デザインを得意として、ゴアテックス素材を使うスペシャリストとしてもファッション界で尊敬される存在である。ザ・ノース・フェイス パープルレーベルのデザインも手掛けるハイセンスな彼らが、エシカルでオーガニックなプリスティンと協業してこの服が誕生した。素材高騰や円安などの要素が絡み合い日本ブランドでも価格が爆上がりした現在、いま本当に購入する価値があるのはこのように流行に左右されず社会的意義もある服に違いない。

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ウィメンズのロングジャケット。素材構成はこちらもノンミュールジングウールとオーガニックコットン。記事掲載の2着は10月25日(金)より発売予定。¥64,300/ナナミカ×プリスティン (ナナミカD.W.S.

ナナミカ

www.nanamica.com

 

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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