AIや立体音響、超大型ディスプレイなど最先端のテクノロジーと手を結んだ、“音楽フェスの新しいかたち”を先取りして体験できるイベントが開催中だ。
音楽と芸術が融合した美術館
東京・虎ノ門ヒルズにあるTOKYO NODEで開催中の没入型音楽ミュージアム『MUUUSE(ミューズ):MUSIC MUSEUM〜音に触れる、光を聞く。身体が反射する。〜』。総合プロデューサーのJ—WAVE取締役・小向国靖は開催のきっかけをこう語る。
「AIをはじめ、音楽や映像に関わるテクノロジーの進化に注目し、人気アーティストのライブパフォーマンスをデジタルで真空パックしてしまえば、会期中ならいつでも誰でも参加できる新しいフェスを開催できるのではないか、と考えたのが始まりです」
在京FM局として長年音楽業界のトレンドを牽引するJ—WAVEと、アートやテクノロジーなどジャンルの垣根を越えた情報発信拠点として、先進的なイベントを実施するTOKYO NODEがタッグを組んだ『MUUUSE』。音楽(Music)と美術館(Museum)の語源であるギリシャの女神たちミューズ(Muse)からインスピレーションを得て、音楽と芸術の融合を目指した。
「ギャラリーAからCまでの3つの空間で行われる展示は、太古の時代の自然音楽から、最先端の音響と映像による人気アーティストたちのパフォーマンス、AIを使った音楽体験まで、過去・現在・未来の変遷を感じられる構成に。ライブに行く、音源を聴くという体験に続く、まったく新しい第3の体験ができると思います」
「未来への実践」がテーマのギャラリーCは、水曜日のカンパネラのケンモチヒデフミとAR三兄弟の川田十夢による共作。水曜日のカンパネラの楽曲をAIに学習させ、生成された曲の数々を“1日先の未来への拡張”という意味を込めた「木曜日のカンパネラ」として新発表。最先端の演出技術であるファイバービームを駆使した光の躍動とあいまったインスタレーションだ。ケンモチは、AIとの向き合い方についてこう話す。
「音楽に限らずさまざまな創作に使われていくであろうAI。その存在や進化に先んじて自ら情報を取りに行き、現状のAIはどこまでのことができるのか、どこが人間と違うのかなどを知った上で、自分自身の作家性の維持や制作プロセスへの導入に向き合うのが得策なのではと感じました」
特にAIの楽曲生成の精度とレパートリーには脅威を感じたというケンモチ。ギャラリーCではAIの学習能力の高さと同時に、ファイバービームの身体に迫る光の表現に圧倒されるだろう。
地上45階に位置する天空のギャラリーで、音と空間に時間感覚までもが溶け込むような体験をぜひ味わってほしい。未来型の音楽フェスのかたちが、想像力を大きく刺激するはずだから。
『MUUUSE:MUSIC MUSEUM〜音に触れる、光を聞く。身体が反射する。〜』
開催期間:〜12月27日(金)
会場:虎ノ門ヒルズ・TOKYO NODE(東京都港区虎ノ門2-6-2 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 45F TOKYO NODE GALLERY A/B/C)
開館時間:10時~20時
※入館は閉館の30分前まで
※12月17日(火)以降は10時〜22時
料金:一般(平日)¥2,500 一般(土日祝)¥2,800 ほか
問い合わせ先:www.tokyonode.jp/sp/muuuse/index.html
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