90年代のマンハッタンで捉えられた、坂本龍一の表情―― 写真家・田島一成の個展『ア デイ ウィズ リュウイチ サカモト』が開催中

  • 文:Pen編集部
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© Kazunali Tajima, Courtesy of Akio Nagasawa Gallery 

銀座のギャラリー、AKIO NAGASAWA GALLERY GINZAで、マンハッタンの街を巡る坂本龍一のとある1日を記録した写真展『ア デイ ウィズ リュウイチ サカモト』が開催している。当時43歳の坂本の自然体の姿を撮影したのは、日本を代表する写真家の田島一成。展示で見られるのは、二人きりの散策で坂本が見せたチャーミングな自然体だ。

「僕の写真集を撮らない?」そう持ち掛けたのは、坂本のほうだった。音楽家のテイ・トウワを通して坂本と知り合った田島は、約半年間毎週のように坂本のオフィスに通い、作曲やレコーディングをはじめとする彼の創作風景を、自ら用意した特殊な背景とライトで撮影した。そして屋外の写真も撮影したいと提案した田島に対して、坂本は快諾した。彼らは1日かけてユニオンスクエア、グリニッジビレッジ、チェルシーピア、ソーホーなどを歩き回り、バーやカフェで休憩したり、地下鉄に乗ったりしながらそれぞれの瞬間を切り取った。

本展の開催にあわせて、会場では同名の写真集も販売している。田島はこう語った。「坂本さんが亡くなってしばらくの間、ショック状態だった。最後の日々を綴った書籍も買ったまま未だに読めていない。坂本さんの良い写真があったら送って欲しいという事務所からの連絡をきっかけに過去のポジやネガフィルムを見返す中で、ニューヨークでの1日のロケ写真を改めて見返し、あの日の坂本さんの言葉や、ふざけてポーズを取る姿が次々と記憶によみがえった。グレーのTシャツの胸元に汗を滲ませながら暑い夏の日に撮影に付き合ってくれた坂本さんに、改めて感謝の念が湧き上がる」

音楽シーンでひとつの“伝説”を築いた坂本龍一。彼の音楽を聴きながら、1990年代のマンハッタンに浮かび上がるそのありのままの姿を楽しんでほしい。

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© Kazunali Tajima, Courtesy of Akio Nagasawa Gallery 
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© Kazunali Tajima, Courtesy of Akio Nagasawa Gallery 
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© Kazunali Tajima, Courtesy of Akio Nagasawa Gallery 
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© Kazunali Tajima, Courtesy of Akio Nagasawa Gallery 
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田島一成 個展『ア デイ ウィズ リュウイチ サカモト』

開催期間:開催中~4月12日(土)
開催場所:Akio Nagasawa Gallery Ginza
東京都中央区銀座4-9-5 銀昭ビル6F
開廊時間:11時~19時 ※土のみ 13時~14時 閉廊
休廊日:日、月、祝
入場料:無料
TEL: 03-6264-3670

www.akionagasawa.com/jp