
イタリア、ミラノ中央駅の目の前にそびえるピレリ高層ビル(1960年竣工)や、堅固さと軽さを完璧なバランスで仕上げた名作アームチェア「スーパーレジェーラ」などで知られるジオ・ポンティ。20世紀のイタリアのモダニズムを代表する建築家の表現に迫る展覧会が、21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3で開催中だ。


ジオ・ポンティ・アーカイヴスの協力のもと、ミラノのデッツァ通りに位置する自宅のためにデザインした家具から、モルテーニ社により復刻されたアームチェア、コーヒーテーブル、ブックシェルフと、床に大胆に導入されていたセラミックタイルの再現を通して、ポンティ独自の空間世界をインスタレーションする。
会場には、1920年代から70年代までのプロジェクトを時系列で紹介する大パネルが設置され、直筆のスケッチや1920年代のリチャード・ジノリの磁器なども展示。また、ミラノにあるサン・フランチェスコ教会のファサードに使用されたタイルがリクシルによって復元され、日本人建築家の友人に宛てた直筆の手紙などを通してポンティと日本のつながりにも言及する。


建築、プロダクト、グラフィックなど分野の細分化に与することなく、統合的に自身の「眼」を追求したポンティの表現。今回の展示を通して、大量生産に対するアートと工芸や、ミニマリズムに対する装飾といった一般的な二元論を軽やかに超え、未来に向けて開かれたモダニストの視点が浮かび上がってくる。
国立新美術館で6月30日まで開催されている企画展『リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s』の期間中、関連展示企画『リビング・モダニティtoday』にモルテーニのジオ・ポンティコレクションも出展されるので、本展とあわせて楽しんでほしい。

『ジオ・ポンティの眼:軽やかに越境せよ。』
開催期間:開催中〜3月31日(月)
開催場所:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
東京都港区六本木9-7-6
開館時間:10時〜19時
休館日:水、祝、3/25
料金:入場無料
TEL:03-3400-3322
www.gioponti-exhibition-japan.com