東京とニューヨークを拠点に、ファッション誌からラグジュアリーブランドのアートワークまで幅広く手掛ける写真家のTAKAY。『初恋』や『BADモード』など宇多田ヒカルのアルバムのジャケットワークが記憶に焼き付いている人もいるだろう。そんな創造性あふれる写真家の個展が、Akio Nagasawa Gallery Ginzaで現在開催中だ。

突き抜ける空を背景に光と影が浮き上がらせる、有機的でエネルギーあふれるしなやかな体躯。このグレースケール写真になにを思うだろうか。

森山大道やウィリアム・クラインをはじめ国内外の写真家の作品を取り扱うAkio Nagasawa Gallery Ginzaにて、TAKAYの写真展『Tesseract』が現在開催されている。TAKAYにとって自身3年ぶりとなる個展では、瞬間的な⾝体の動きや変化を独⾃のアプローチで捉え、さまざまなシルエットを追いながらその存在感を表現。写真を通じて、⾝体の潜在的な⼒を視覚的に再構築された。TAKAYは今回の作品についてこう述べている。

「⾝体の動きは、⼀瞬ごとに形を変え、ほどけ、そして新たな流れへとつながります。 この写真展では、その変化の瞬間を光と影で切り取り、 動きを分解し新たな視点で組み⽴てることに挑戦しました。筋⾁の緊張が⽣み出す⼒強いシルエット、ふと⼒が抜けた時の儚いシェイプ。そうした⼀瞬の重なりを拾い上げ、バラバラになったピースをつなぎ直すことで、 ⾝体が持つエネルギーや可能性をより鮮明に浮かび上がらせます。形成ー変化ー再構築。そんなプロセスそのものを表現しました」

また、今回の展示に併せて900部限定サイン入りの写真集『Tesseract』を発売。80ページで綴られた、見応え十分な写真集だ。観る者の心に確かな爪痕を残す、身体が魅せる“新しいかたち”に触れてみてはいかがだろうか。

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