昼は心満たす定食を、夜はにぎわいの酒場へ。銀行発祥の地から居酒屋カルチャーを発信する「マルヤマ」がオープン

  • 写真:河内 彩
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マルヤマ

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「MARUYAMA定食」¥2,300。おむすびには、海苔ソムリエの嶋田由美子がセレクトした有明海苔を使用。

「日本のウォール街」とも呼ばれる日本橋兜町に、丸山智博シェフ自らの名を冠した居酒屋「MARUYAMA」が開業した。日本食の豊かさを生み出す「水」をテーマとした、その魅力とは?

スウェーデンのデザインユニットが手掛けたこの空間は、歴史的建造物ならではの重厚な趣と素材の力強さを受け継ぎつつ、木のぬくもりを基調に、北欧と和の美意識が静かに響き合う。ランチタイムでは、美しい自然光が差し込まれ、穏やかなひとときを過ごせそうだ。特に注目してほしいのが、平日のランチにのみ提供されるこだわりのおむすび定食。おむすびの海苔には、海苔ソムリエの嶋田由美子がセレクトした有明海産のものを使用している。ひと捻りある具材からなるおむすびに加え、具たっぷりな豚汁や厚焼き卵がついているのも嬉しい。定食のほかに、MARUYAMAらしさを詰め込んだランチコースも用意。どちらも自分へのご褒美ランチにぴったりだ。

ディナータイムでは、唐揚げをはじめとする定番品からフレンチ的要素をかけ合わせた創作料理まで、アラカルトメニューを中心とする居酒屋へと姿を変える。その中でも特にお薦めしたいのが、「翠のたぬき冷奴」と「安曇野放牧豚の焼売 発酵バターと黒七味」。素材や味わいはもちろんのこと、見た目の美しさや香りにまでこだわっているという。さらに、50種類にもおよぶ焼酎や季節に合わせて厳選した日本酒も同店の名物といえる。気軽に立ち寄れるカジュアルさを持ちながら、本格的な味わいを楽しめる名店だ。

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マイクロ複合施設K5にある店内を手掛けたのは、スウェーデンのデザインユニットClaesson Koivisto Rune。
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一つ一つ丁寧におむすびを握る、丸山智博シェフ。
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ディナータイムのアラカルトメニュー。左から「MARUYAMAオリジナル特製ジンジャーサワー」¥1,300、「翠のたぬき冷奴」¥1,000、「安曇野放牧豚の焼売 発酵バターと黒七味」¥1,200。
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酒造を招いたイベントやオリジナル焼酎の展開も予定している。ぜひここでお気に入りの一本を見つけてほしい。
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外の景色を見ながら立ち飲みできるエリアも用意している。写真のドリンクは、宮崎県松露酒造とレモンサワー専門店「オープンブック」が共同開発したグレープフルーツリキュール「SGS(Shoro Grapefruit Sour)」からつくった「ソルティ・ドッグ」。

MARUYAMA

住所:東京都中央区日本橋兜町3-5 K5 1F
TEL:03-6661-0923
営業時間:11時30分~14時30分、17時~22時
定休日:水曜日 ※6月より定休日なし
www.maruyama-tokyo.jp

※この記事はPen 2025年6月号より再編集した記事です。