成熟が進む加熱式たばこ市場における意欲的な製品が発表された。日本たばこ産業（JT）は5月27日、新型加熱式たばこ用デバイス「Ploom AURA（プルーム・オーラ）」と専用スティック「EVO（エボ）」を日本市場で先行発売した。

持つ所作までも美しくなるデザイン

「プルーム・オーラは、単なる新製品ではなく、私たちの成長戦略の主軸を担う存在です」と語るのは、JTインターナショナルのRRPエグゼクティブ・バイス・プレジデント、筒井岳彦。

JTは喫煙に伴う健康リスクの低減を目指し、リスク低減製品（RRP）への移行を進めている。その中でも加熱式たばこスティックを最重要セグメントと位置づけ、2025年から2027年にかけて約6,500億円を投資する計画だという。

「優れた商品と体験を通じて、お客さまに心の豊かさを届ける」。この思想は、JTが掲げるブランドパーパスであり、プルーム・オーラにも貫かれている。

プルーム・オーラの設計は、喫煙行為をひとつのスタイルとして再定義する。筒井は「味わい、体験、スタイルのすべてにおいて飛躍的に進化した」と語っている。

有機的な曲線とコンパクトなフォルムは、手にしたときの収まりのよさだけでなく、視覚的な美しさも併せ持つデザイン。ボタンやスクリーンを排したミニマルな構造で、スライド操作だけで使用できる点も注目したい。

本体は4色展開。さらに10種類のフロントパネルを組み合わせることで、自分好みのスタイルをつくり出すことができる。

喫煙体験を自分好みにカスタムできる

独自の加熱技術“SMART HEATFLOW”を搭載し、加熱温度の緻密なコントロールを可能にした。これにようり、たばこ葉の香味を最大限に引き出しつつ、雑味や焦げを抑える。内部の加熱カップはミクロン単位で加工され、スティックとの接触面積を増やすことで、味わいの一貫性を実現した。

さらに、“HEAT SELECT SYSTEM”によって、スタンダード、ストロング、ロング、エコという4つのモードが選択可能に。吸いごたえや使用時間の好みに応じてカスタマイズできる。

喫煙者487名を対象としたブラインドテストでは、56%が競合製品よりもプルーム・オーラを「最も美味しい」と評価。嗜好性の高いユーザーにも支持される味覚設計であることが示された。 

また、オーラ専用の新スティックブランド「EVO」も同時に登場。世界30カ国以上から厳選したたばこ葉を用い、10万回以上のテイスティングを経て開発された3銘柄として、レギュラーとメンソール、そしてベリーのフレーバーが展開される。

さらに、プルーム・オーラの登場を記念して展開される「SENSATIONAL」プログラムにも注目。製品の持つ世界観を体験してもらうことを目的としたプログラムで、現在は世界一周の旅が当たるキャンペーンが実施中だ。今後は、アーティストとのコラボレーションなども予定されている。

感性に訴えるデザインと、ユーザーの期待を超えるブランド体験。この両軸により、プルームは「一服」の定義を更新しようとしている。喫煙を単なる嗜好ではなく、スタイルと呼べる領域へと引き上げる挑戦だ。