世界で活躍するファッションモデル、UTAがクラウン(セダン)で 軽井沢の自然と伝統と革新を訪ねる

  • 写真:田中駿伍
  • 文:青山 鼓
  • 動画撮影、編集:齋藤誠一、ヤギトモヒロ
  • スタイリング::飯垣祥大
  • ヘア&メイク:豊田健治
  • 編集:POW-DER
Share:

軽井沢の南端、国道18号バイパスとして整備された「グリーンライン」は、浅間山の稜線を借景に、白樺と針葉樹が連続する緑陰を抜けてゆく全長約6 kmのハイランドロード。森が呼吸するような静けさの中、プレシャスメタルとプレシャスホワイトパールのバイトーンをまとったクラウンの70周年特別仕様車Z“THE 70th” (燃料電池車)を走らせるのは、パリ・メゾンを舞台に活躍するモデル、UTAさんだ。水素燃料から電気をつくる過程で吸い込んだ空気をよりきれいにして排出し、走るほどに大気を浄化するマイナスエミッションを実現したクラウンとともに、UTAさんは旧碓氷峠の煉瓦アーチ〈めがね橋〉を経由し、世界的なプリツカー賞受賞建築家である坂茂氏が設計したブティックリゾート〈Shishi-Iwa House〉へ。森と空気を慈しむ軽井沢ならではの道で、伝統と感性を重ねる旅に出た。

326A2245.jpg
ファッションモデル UTA ●1997年10月、東京都生まれ。幼少期からインターナショナルスクールで学び、中学時代はスイス、高校では米国IMGアカデミーに留学してバスケットボールに打ち込む。大学でもNCAAディビジョンⅡのチームに所属しながら、2018年にパリのモデルエージェンシーSUCCESSと契約。パリ・メンズでCOMME des GARÇONSとUNDERCOVERのランウェイに登場しデビューを飾った後、HERMÈSやKENZO 2023FW(オープニング)などへも起用され、東京・ニューヨーク・ミラノを舞台に活動を広げている。190cmの長身とスポーツで培った身体能力を生かし、動画キャンペーンやスポーツブランドのビジュアルでも存在感を発揮。父は俳優の本木雅弘、母はエッセイストの内田也哉子、祖母に故・樹木希林を持つ“芸能一家”の次世代を担うモデルである。

クラウン 特別仕様車 Z “THE 70th” (燃料電池車)

---fadeinPager---

静寂な森を“マイナス”エミッションのクラウン(セダン)でドライブ

326A1228.jpg
クルマが行き交う国道18号(グリーンライン)から一本横道に入ると、静寂で自然豊かなエリアが広がる。

「軽井沢って、道を一本入るとすぐ森で、背の高い木々にぐるりと抱かれながらも不思議と息苦しさがない。ひんやり澄んだ風が山道を抜け、歩いているだけで身体が洗われるような健やかさを覚えるんです」

UTAさんがその魅力を語る軽井沢を、燃料電池車のクラウン(セダン)は静かに、そして滑らかに走ってゆく。

「明治時代にできた別荘や石づくりの教会、ガラス張りのギャラリーが木漏れ日に溶け込んでいて、子どもの頃に訪れた北欧の森の街のような雰囲気も好きです。自然と文化が同居する、この開放感こそ軽井沢のいちばんの魅力だと思います」

326A0428.jpg
適度なアップダウンが続くグリーンラインを、軽快に、そして粛々と走るクラウン 特別仕様車 Z “THE 70th” (燃料電池車)。プレシャスメタルとプレシャスホワイトパールのバイトーンが、樹々の緑と空の青とマッチする。ボディカラーの特別設定色プレシャスメタル〈1L5〉×プレシャスホワイトパール〈090〉[M75]はメーカーオプション。写真はオプション装着車。

モーターが発するレスポンスの高いトルクと、減衰力を可変するショックアブソーバー(AVS)を備えた足回りによって生み出される滑らかな走りは、まるで絨毯の上を滑っているようだ。ステアリングを握るUTAさんは、「ちょっと信じられない感覚です。自分が操作をしようと思った瞬間にはもうその通りにクルマが反応しているようです」と、そのエフォートレスな走りに驚きを隠さない。

エンジン音も振動もないキャビンでは鳥のさえずりが気持ちよく聞こえ、ドライバーはリラックスして自分の空間に入り込める。

「静かすぎて外の鳥の声が聞こえるクルマなんて初めてですよ。僕はサンルーフのあるクルマが好き、というかクルマにはサンルーフがあることが絶対条件なんです。ガラス越しでもいいんですが、窓越しに景色とあわせて空も一緒に流れているのが心地よくて。こうやって走っていると、軽井沢の森とひとつになれるような気がします」

326A1679.jpg
「クルマを運転すること」が大好きなUTAさんは、グリーンラインや自然の中を嬉々としてドライブ。クラウン(セダン)の走行性能に大満足の様子だ。

冒頭で「健やかさを覚える」とUTAさんが語る通り、森が生み出す澄んだ空気は軽井沢の魅力のひとつ。その空気をさらに磨き上げるのが、走行中に吸気を浄化して大気へ戻す“エアピュリフィケーション”機構だ。水素で走る電気自動車であるFCEVの機構を聞いたUTAは、「走る空気清浄機ってことですね。クルマが走れば走るほど空気がきれいになるなんて、自分たちの未来を感じます」と頷いた。

フルタンクで重量にしてわずか5.6kgの水素は約3分で充填可能。その航続可能距離は約820km(※)だ。「罪悪感ゼロでそんな遠くへ行けるなんて、自由すぎる」とUTAさんは楽しそうにコメントすると、避暑地への遠出でも旅程を縛られない解放感に目を輝かせる。

※水素充填規格(規格:JEVS Z 902-2018)に基づいた燃料電池自動車の水素有効搭載量[kg]とWLTCモード走行パターンによる燃料消費率[km/kg]とを乗算した、参考値。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法(急発進、エアコン使用等)、水素充填量に応じて大きく異なる。

クラウン 特別仕様車 Z “THE 70th” (燃料電池車)

---fadeinPager---

技術性と芸術性が凝縮した建造物を見上げ、クラウン(セダン)の歴史を想う

326A1347.jpg
1982年に完成しためがね橋を見上げるUTAさん。その圧倒的な大きさと、栄えある歴史に感動を覚えていた。

グリーンラインをいったん外れ、国の重要文化財「めがね橋」へクルマを寄せる。正式名は「碓氷第三橋梁」。1892年に完成したこのレンガ橋は、全長91m・高さ31m、4連アーチすべてを約300万個の煉瓦で積み上げた日本最大級の煉瓦造アーチ橋だ。旧信越本線の難所・碓氷峠を越えるために築かれ、当時の最新工法だったイギリス積みで高い強度を実現。アーチごとに伸びやかなスパンが取られ、「煉瓦のリズムで山肌に曲線を書く」とも称される美しいプロポーションを誇る。

326A1474 - コピー.jpg
完成当時は鉄道が走っていためがね橋だが、現在では観光客やハイカーが散策する遊歩道となっている。

UTAさんは赤煉瓦の曲面を見上げ、「佇まいに静かな威厳がある。このクラウンも同じ雰囲気を纏っていますね」と感嘆する。さらに「実家にクラウンをベースに改造したクルマがあったんです。納車の日、ただひたすら見とれていたのを思い出しました」と語り、70年の歴史を重ねた16代目クラウンと130年を刻む橋の時間を重ね合わせる。伝統を受け継ぎながら静かに革新を宿す。その価値が、森の中で赤煉瓦とバイトーンボディを響き合わせていた。

326A0044.jpg
めがね橋へ続くアップダウンを、スムーズに走り抜けていく。

再びグリーンラインへ戻ると、連続する大小のコーナーをUTAさんはリズミカルに駆け抜けていく。「体がまったく揺れませんね。カーブが続いてもアクセルを軽く当てるだけでスッと曲がっていく」。路面状況や走行姿勢に応じてショックアブソーバーの減衰力を瞬時に可変し、乗り心地とハンドリングを同時に最適化する電子制御サスペンションが生む安定感に、UTAさんは「セダンってこんなに運転しやすいんだ」と驚く。

326A0457_2.jpg
一充填走行距離の参考値が約820km(※)という、ロングドライブにも心強いクラウン 特別仕様車 Z “THE 70th” (燃料電池車)。

行程のゴールで待っていたのは坂茂氏が設計した〈Shishi-Iwa House No.02〉。10 室だけの木造ブティックリゾートだ。最大の特徴は、波のように起伏する屋根を支えるラミネート材フレーム。“梁らしい梁”をほとんど用いずに連結した軽やかな構造で、建物全体が森の樹木を避けるように蛇行する。曲線の屋根下には層状に積んだベニヤ板で強度を確保した薄肉の壁体が連なり、視線を遮らずに外と内を溶かし込む。客室と共用空間の家具には、坂氏が災害支援建築でも多用する紙管パイプを使った椅子やヘッドボード、アルヴァ・アアルトに敬意を払った曲木チェアなどが配され、木・紙・ガラスという素朴な素材だけで“森と呼吸するラグジュアリー”を完結させている。

326A1702.jpg
「Shishi-Iwa House」のレストランテラスに佇むUTAさん。モダンラグジュアリーなスペースで寛ぐことで、改めてクラウンの革新と挑戦を意識する。

古典的な赤煉瓦でつくられた明治期の〈めがね橋〉が“重ねられた時間”の象徴だとすれば、〈Shishi-Iwa House〉は日本の美意識を現在形に更新したモダン・ラグジュアリーのアイコンだ。その佇まいはクラウンが、乗員に「どんな時間を過ごせるのか?」「どんな体験を味わえるのか?」、さらには社会や地球環境に「どんな価値をもたらしてくれるのか?」を念頭において、70 年の伝統を礎に時代ごとの最新技術を搭載することでニューフォーマルへと進化し続ける姿とも重なる。

※水素充填規格(規格:JEVS Z 902-2018)に基づいた燃料電池自動車の水素有効搭載量[kg]とWLTCモード走行パターンによる燃料消費率[km/kg]とを乗算した、参考値。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法(急発進、エアコン使用等)、水素充填量に応じて大きく異なる。

クラウン 特別仕様車 Z “THE 70th” (燃料電池車)

---fadeinPager---

森と調和したブティックリゾートで、クラウン(セダン)のデザイン性を語る

326A1990_2.jpg

クラウン(セダン)を眺め、スタイリングやディテールをチェックするUTAさん。きめ細かい配慮がなされたデザイン性に、好印象を受けたようだ。

「このクラウン(セダン)は、外観は一見シンプルながら、近づいたときに面の張りと艶の差がはっきりわかる。それでいて、水平基調のデザインが堂々とした佇まいを生み出していて、とても上品だと思います」

渦を巻くような70周年記念モデル特別装備のマットブラックのホイールも、UTAのお気に入りのディテールだという。「要素を削ぐほどディテールが効いてくる感じですよね」。そう言うと、70周年記念の特別なサイドデカールや、格子状のフロントグリルの奥に刻まれた矢柄のような密かな装飾を見つけては、ほら、ここにも、ここにも、と、デザイナーのこだわりに触れていく。

326A0023.jpg
326A0014.jpg
クラウン70周年を記念して誕生した特別仕様車では、記念ロゴを刻んだプレミアムシフトノブを採用。また、ボディサイドの記念のデカールが、クラウンの歴史を主張する。

「軽井沢もそうですけど、日本の良さって“ミニマル”な引き算の美学のなかに、誰も見たことのない形や新しい調和を生むことだと思うんです。僕は12歳で海外に出て、スイス、そしてアメリカで大学生まで育ってきたので、よく“考え方も外国風でしょ?”って聞かれるんですよ。でも、日本の美学というものに触れたときに、心の底にある魂はやっぱり日本人だと強く感じるんです。

それはクラウン(セダン)の内装からも感じました。黒一色に見えて、ピアノブラック、レザー、木目と、質感で陰影を作る。その“抑えた表現で深い陰影を出す”感じ、ああいうディテールにこそ、日本の美意識が凝縮されていると感じました」

UTAさんは、とても居心地のいいクルマだと話す。そして、それこそUTAさんがクルマに最も強く求める部分だという。

「速さより、安心できること。ハンドルもペダルも“がんばらなくていい”クルマが好きです。このクラウン(セダン)は思った瞬間にクルマが反応してくれるから、操作しようという意識さえ薄くなる。テクノロジーが乗り心地や安心感に直結しているのもいいですよね。

家族や友人とクルマで出かけるとき、僕はいつも運転手なんです。それが楽しいから全然苦じゃありません。食事しながらだったり、お酒を飲んだりしながら親しい人と話すじゃないですか。でもドライブをしながらの会話って、それのどれとも違う時間だと感じていて。クルマの窓の向こうを街や自然の景色が流れていく中での時間は特別なものだと思うんです」

UTAさんのまなざしは、再び軽井沢の森を映し出すクラウン(セダン)へ向けられた。

326A1821.jpg
326A2200.jpg
3000mmというロングホイールベースの恩恵で、前席と後席の間には余裕があるため、長身のUTAさんもリラックスして座ることが可能だ。リアアームレストにはタッチパネルが内蔵されており、オーディオを始めエアコン、シート機能、リラクゼーション機能などの操作を指先で直感的に行うことができる。

「結局“豊かな時間”って、一人で考え事をしたり、誰かと笑い合ったり、そんな時に何かに気を取られることがなく、自由でいられる瞬間のことだと思うんですよ。今日乗ったクラウン(セダン)は、走るほど環境にも貢献できるクルマ。乗る人にも、地球にもWin-Win。そんなクルマだからこそ、心まで気持ちよくしてくれるんじゃないかな。これからも、こういうクルマで誰かを乗せて、特別な時間を過ごしていきたいですね」

そんなUTAさんの言葉は、ふとかつての記憶へつながる。それは祖母、樹木希林さんとのドライブだ。

「日本に帰国してから、祖母は僕が運転するクルマでドライブするのが好きで、よく二人で出かけたんです。さっき話した父が改造したクラウンです。郊外を走りながら、古い歌謡曲を一緒に口ずさみました。静かで、でも忘れられない時間でした」

326A1254_2.jpg
フロントからフェンダー、ショルダーライン、そしてリアエンドまで水平基調でまとめたクラウン(セダン)のサイドフォルム。「ニューフォーマルセダン」に相応しいスタイリングだ。

トヨタ クラウン 特別仕様車
Z “THE 70th” (燃料電池車)

https://toyota.jp/info/crown/special_70th

47 ROADS BY CROWN
クラウンの豊かな移動時間と日本の魅力を体感いただける、生誕70周年記念プロジェクト「47 ROADS BY CROWN」特設サイト。世界で活躍するナビゲーターが道を駆け抜けて感じた日本の魅力や豊かな移動時間を疑似体験できる記事コンテンツを順次公開中。

 

(衣装クレジット)
ジャケット¥74,800、パンツ¥57,200/ユーゲン(イデアスTEL: 03-6869-4279) シューズ¥46,200/パラブーツ(パラブーツ青山店: 03-5766-6688) サングラス¥57,200/E5 アイヴァン(アイヴァン PR: 03-6450-5300) シャツはスタイリスト私物。