若手からファッションメゾンまで、注目のプロダクトたち
今年はエウロルーチェ(照明)の年だったがファブリックも多数登場。ファッションメゾンのアイテムから新進気鋭の若手の照明まで、編集部がセレクトする注目アイテムを一挙に紹介しよう。
いま、ヴィンテージが面白い。本特集では、目の肥えたクリエイターたちが愛用している品から、いま訪れるべき話題のギャラリーや海外での暮らし、人気店のオーナーが目をつけているネクストブレイクまで、ヴィンテージの魅力や注目アイテムを徹底取材してお届けする。ようこそ、まだ見ぬ、奥深きヴィンテージの世界へ。
『ようこそ、 ヴィンテージへ』
Pen 2025年8月号 ¥990(税込)
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1.新生デザイナーによる、美しいグラデーション
ルイス・マリー
35歳以下のデザイナーが出展するサテリテのアワードで2位を受賞したのが、オランダのスタジオ、ルイス・マリーだ。自立型の布製パーティションやテーブルを中心に発表。写真のパーティション「パリサード」は伝統的なプリーツ加工でつくられ、見る角度によって動いているような印象を与えるグラデーションが美しい。職人の手作業によって製作され、結束具や接着剤を使用しておらず、折りたたんで収納できるのも魅力だ。

photo: ©LuisMarie
2.職人による手刺繍でオリエンタルを表現
アルマーニ / カーザ
今年25周年を迎え「オリエンタル インク」コレクションを発表。なかでも刺繍を施したアイテムが印象的だった。これはイギリスのラグジュアリーブランド、ドゥ・グルネによるもので、龍や猿など、オリエンタルなモチーフをインドの職人による手刺繍で仕上げている。サテンやベルベットの生地に、スパンコールなど最大50種もの素材を刺繍、ひとつの家具に15名の職人が70時間以上をかけて仕上げた。受注生産品で日本からも注文可能。

photo: ARMANI / CASA
3.バウハウスの女性が生んだテキスタイルに注目
デダール
シャルロット・ペリアンをはじめ、モダニズムの時代に活躍した女性デザイナーが再注目されている。イタリアの高級ファブリックブランド、デダールは、バウハウス出身のデザイナーであるアニ・アルバースのアーカイブから再解釈した5種類のファブリックを発表。現代のジャカード技術で再現し、ウールやコットン、ジュートなど、多様な素材で立体的なテクスチャーを生み出した。残念ながら日本での展開は未定だ。

photo: Dedar
4.ポップな寝具に包まれる、ユニークな空間
マリメッコ
フィンランドのデザインハウス マリメッコは、アーティストのレイラ・ゴハーとコラボし「All the things we do in bed(ベッドでするすべてのこと)」と題したインスタレーションを開催。見学者は寝転んだり本を読んだりとベッドで自由に過ごした。テキスタイルは、マイヤ・イソラが1960〜70年代に製作した柄を現代的な色合いでリバイバルしたもの。2025年秋に、この生地のパジャマ、スリーピングマスク、ベッドカバーなどが発売される予定だ。

photo: © Sean Davidson
5.学生時代に描いたパースがブランケットに
ルイ・ヴィトン
今年はオブジェ・ノマドやシグネチャー・コレクションなど、5つの分野からなるホームコレクションを発表。なかでも注目なのが、シャルロット・ペリアンのアーカイブに注目した展示。会場の中庭には彼女がデザインした市民向けの週末用住宅がインテリアを含め再現されていた。写真は学生時代に描いたパースの一部から生まれたファブリックで、三角形、四角形、円という基本的なかたちで構成されている。日本での展開時期は未定。

photo: Louis Vuitton
6.イタリアの視点から解釈、日本の伝統に新境地
細尾
京都の西陣織の老舗HOSOO(細尾)は、毎年デザインウィークで人気のディモーレスタジオとのコラボレーション。細尾が代々受け継いできた図案を、ディモーレ独自のカラーリングで現代的に再解釈した33種のテキスタイルを発表した。キャストブロンズ製の家具を製作するオザンナ・ヴィスコンティのアトリエで発表し、家具のスタイリングも含めた世界観が多くの人を魅了した。京都の細尾ギャラリーにて展示、発売中。

photo: Silvia Rivoltella