メルセデス・ベンツ「新型Sクラス」を発表。140周年で進化した、“走る重役用会議場”を体感した

  • 文:小川フミオ
  • 写真:Mercedes-Benz
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自動車メーカーが大切にしているもの。技術の蓄積、人材、ブランドイメージ、それにもうひとつは創業年だ。

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ドイツのメルセデス・ベンツ・ミュージアムで開催された140周年記念イベントで最新のSクラスがデビュー。

メルセデス・ベンツは、その代表格。2026年1月29日を「140周年」の記念日として、本社のある独シュトゥットガルトで記念イベントを催行した。

同時に、最新の「Sクラス」が発表された。現行モデルに対して50パーセントの部品を新しくし、「これまでのSクラスのなかでもっとも包括的な改良」とする。

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「スター」がキラキラとちりばめられたグリルはオプションで用意される。

私もそのSクラスに短い距離だが同乗試乗させてもらった。その時点でわかったのは、乗り心地のよさと、静粛性と、スムーズな加速感だったが、フタを開けてみると、内容は凝りに凝ったものだ。

MBの創設者のひとり、カール・ベンツが内燃機関(エンジン)で走る「パテントモトールバーゲン」をつくったのが1886年。

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世界最初のエンジン自動車であるカール・ベンツのパテントモトールバーゲン。

大きな概念で自動車をとらえると、1769年にフランスのニコラ=ジョゼフ・キュニョーの蒸気自動車が世界最初となるが、エンジン車はパテントモトールバーゲン。これが現在の自動車の原点とされる。

カール・ベンツの自動車の特許が受理された1月29日に、メルセデス・ベンツは「マイルストンとなる日」として、数かずの歴史的モデルとともに、Sクラスをはじめ最新モデルをお披露目した。

「ボードルーム・オン・ホイールズ」。走る重役用会議場と呼ぶ最新のSクラス。 

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ホイールベースやシルエットは従来型と同じでエレガンスさを強く感じさせる。

6気筒のガソリンあるいはディーゼルエンジンを使ったプラグインハイブリッドシステムが搭載される。

サスペンションは標準で電子制御の「エアマチック」。オプションで、より快適志向のダンパーの「Eアクティブ・ボディコントロール」が選べる。

このオプションには、専用の後輪操舵システムも含まれる。通常4.5度までの操舵角が、10度まで角度がつく。それだけ小回りが効き、動きもより敏速になる。 

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MBUXスーパースクリーンをそなえたダッシュボードが印象的。

室内は「ファーストクラスのコンフォートとウェルビーイング」がうたわれる。ヒーター内蔵セイフティベルト、メモリー機能つき空調システム、エナジャイジング・エアコントロールなど装備。

車両は「MB.OS」が組み込まれ、通信を通じてアップデートされる。ダッシュボードは最新のメルセデス車でおなじみ「スーパースクリーン」が備わる。

会話型音声入力システムをいち早く採用したメルセデス・ベンツだけあって、オペレーションシステムも進化。

とりわけ「ユーザー習慣や状況に応じて各種情報や機能を流動的かつ予測的に表示する先進的な機能」をうたうゼロレイヤーの使い勝手が上がったのは、ユーザーの注目点だ。 

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クルマの挙動に応じてパターンを変えるコミュニケーションランプをそなえる。

ボディは基本的に標準ホイールベース(3106mm)とロングホイールベース(3216mm)の2タイプ。

パワートレインのバリエーションは多い。本国では、3リッター直列6気筒ディーゼルにはじまり、3リッター6気筒ガソリン、4リッターV8ガソリン、プラグインハイブリッドが用意される。

一部車種には、4マチックと呼ばれるフルタイム4WDシステムも用意される。 

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ISG(インテグレーテッドスタータージェネレーター)をもつマイルドハイブリッド仕様は継続。

私がシュトゥットガルトで乗ったのは、ロングホイールベースモデル。「日本では標準ホイールベースが人気だけれど、売れるのはロングホイールベースです」とメルセデス・ベンツの開発担当者。 

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ロングホイールベース仕様にはオットマン機能もそなえたオプションが用意される。

からだを包みこむようなシートに座り、アウトバーンの国で移動していると、乗り心地に優れるセダンの魅力が堪能できる。

私は、ただし、自分で操縦するクルマとしてもSクラスをとても気に入っている。でかいミニバンよりスタイリッシュなところもよい。

「先進性、卓越したエンジニアリング、安全装備、快適性、エレガントなデザイン」を掲げるSクラス。

「140年にわたるパイオニア精神をもった、これからも世界でもっとも求められるモデル」と、今回の140周年イベントの場で、メルセデス・ベンツは声高らかにうたった。 

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アディダスとのコラボレーションで140周年記念モデルを発売。

メルセデス・ベンツ S580 4MAATIC

全長×全幅×全高:5192×1921×1503mm
ホイールベース:3106mm
3982cc V型8気筒 4輪駆動
最高出力:395kW
最大トルク:750Nm
変速機:9段オートマチック
車重:2250kg
価格:未定
www.mercedes-benz.co.jp

小川フミオ

モータージャーナリスト

自動車を中心に活躍するジャーナリスト/ライター。自動車誌やグルメ誌の編集長を務めた後、フリーランスとして活動。新車の試乗記をはじめ、グルメ、ホテル、人物インタビューなど、多岐にわたるジャンルの記事を独自の視点で執筆し、雑誌やウェブメディアを中心に寄稿している。

小川フミオ

モータージャーナリスト

自動車を中心に活躍するジャーナリスト/ライター。自動車誌やグルメ誌の編集長を務めた後、フリーランスとして活動。新車の試乗記をはじめ、グルメ、ホテル、人物インタビューなど、多岐にわたるジャンルの記事を独自の視点で執筆し、雑誌やウェブメディアを中心に寄稿している。