【進化するニッポンメイドの新拠点】「オニツカイノベーティブファクトリー」で、日本のクラフツマンシップと出合う

  • 写真:齋藤誠一 文&編集:柳澤 哲
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鳥取県境港市に誕生した、オニツカタイガーの専用生産拠点「オニツカイノベーティブファクトリー」。

創業者生誕の地で息づく、日本のクラフツマンシップ

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日本のものづくりを世界に発信する文化拠点として、オニツカタイガー独自の価値を生み出していく。

オニツカタイガーが、鳥取県境港市にブランド初となる専用生産拠点「オニツカイノベーティブファクトリー(以下OIF)」を開設した。同施設は、1969年に創業者・鬼塚喜八郎の故郷である鳥取県に設立された工場を前身とする。57年を数える歴史のなかで培ってきた、この地に根づく熟練の技術、誠実なものづくりを世界に発信する文化拠点として、最先端のデザイン開発を進める「ミラノデザインセンター」、先進テクノロジーを研究する神戸の「スポーツ工学研究所」とともに、イノベーションの中核を担っていく。

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裁断されたパーツにオニツカタイガーストライプの刺繍を施していく様子。このあとアッパーを縫製、成型し、ソール接着などを経て、一足のシューズがつくられていく。
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洗いの工程までを終えたシューズ。中敷きを入れ、シューレースを通し、しっかり検品したうえで箱詰めされて世界各国へと出荷される。

OIFでは、オニツカタイガーの素材開発からデザイン、生産までを一貫して行う体制を備えている。裁断から縫製、成型、加工に至るまでのすべてを日本で行う、ブランドのものづくりの象徴として世界的な人気を誇る「ニッポンメイド」シリーズはもとより、フォーマルなレザーシューズを展開するブランド「ジ・オニツカ」も生産体制を強化。新たにレザーバッグの生産にも着手するという。 

スニーカーとドレスシューズを同じ生産ラインで製造する工場は、世界にも類がない。品番や素材の違いに柔軟に、ていねいに向き合うことができる美意識、それを可能にする卓越した技術こそ、オニツカタイガーが伝統とするクラフツマンシップだ。

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“マザー工場”として、ブランドの思想と品質を世界へ

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「加工棟」には、洗い加工を終えて乾燥を待つシューズとともに、オニツカタイガーならではの加工が施された多くのサンプルシューズが並ぶ。
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洗いの工程では、専用液を加えたお湯に浸して、ていねいに揉みほぐし型付けしていく。

なかでも、洗いや染めに至るまでの独自加工はOIFの強みである。このたび新設された「加工棟」では、日本のものづくりの素晴らしさを世界に発信していく「ニッポンメイド」シリーズの最終工程が行われる。染色されたシューズを、熟練の職人が手仕事によって一足ずつ時間をかけて洗い、最後も手で優しく揉みほぐして型付けしていく。1日に向き合えるシューズの数は限られるが、こうして手間をかけることによって、同じ製法でつくられたシューズであってもふたつと同じものはなく、買ったその日から長く愛用してきたような風合いや履き心地が楽しめる。「ニッポンメイド」シリーズ特有の奥深い味わいや表情は、こうして生まれるのだ。

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ゴールドの塗料を手作業で着色していく様子。職人の手仕事ゆえ、一足一足その表情は異なる。
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加工棟に展示されたデザイン画の数々。「ニッポンメイド」シリーズの独創的なシューズは、ここOIFで生み出される。

工場とは、ブランドの価値を生み出す源泉だ。効率や量産を重視する世の中の多くのブランドとは異なり、ラグジュアリーブランドにとっての工場は、伝統的なものづくりを継承する、ブランドの資産そのものである。そして、単に伝統を守るのではなく、それを世界基準へと昇華させ、ここ境港で磨かれた技術と美意識が海外の工場へと伝播し、どこでつくられてもオニツカタイガーの価値を再現可能とする。OIFは、そんな未来を創造する場でもある。 

実際、ベトナムやインドネシア、インドなど世界各地の提携工場に技術指導や人材育成を行い、オニツカタイガーの品質と思想を統率する“マザー工場”としての役割も果たしていく。

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職人の手仕事が味わえる「ニッポンメイド」

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「MEXICO 66 DELUXE」¥33,000
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かかとのタブとシュータンのブランドタグに、職人の手作業によってシルバーの色つけが施される。

OIFでつくられた「ニッポンメイド」シリーズを紹介しよう。数あるオニツカタイガーのシューズの中でも、世界中で愛される永遠のスタンダードが「MEXICO 66」。そのアッパーに上質でやわらかいゴートレザーを採用し、職人が一足ずつ洗い加工を施したのが、高品質なハイグレードラインである「MEXICO 66 DELUXE」だ。

 オニツカタイガーストライプからソールまで、すべてをブラックで統一した上品で洗練された一足は、どんな装いにもマッチすること間違いない。

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「MEXICO 66 DELUXE」¥33,000
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インソールにはオニツカタイガーのロゴとともに、「日本製」の文字が刻まれる。

「MEXICO 66 DELUXE」のバリエーションは多岐にわたり、きめ細かなスエードによるモデルもラインナップ。温かみのあるベージュのアッパーを、ブラックのオニツカタイガーストライプとソールが適度に引き締めた一足は、どんな日常にも寄り添ってくれるはずだ。

洗い加工による、長く履き込んだような奥深いシワのニュアンス、足を優しく包み込むやわらかな風合いは、いかなる素材にあっても健在。熟練の職人技、日本のものづくりはこうして形となり、世界に向けて発信されるのだ。

オニツカタイガーの詳細はこちら

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ブランドの価値を伝える「オニツカギャラリーストア」

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OIFの敷地内にある「オニツカギャラリーストア」。限定モデルの販売のほか、オーダーメイドのサービスも請け負う。
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多くのアスリートを支えた1950年代から1970年代にかけての名作シューズをビジュアルで紹介するとともに、その貴重な現物も展示している。

新たに併設されたギャラリー内では、オニツカタイガーの歴史を垣間見る名作シューズのアーカイブや、ブランドの伝統的なものづくりを紹介するコンテンツを展示。さらに店舗としての機能も持たせ、「オニツカギャラリーストア」として鳥取県で初めて販売を開始する。OIFで生産された一部の「ニッポンメイド」シリーズの販売に加え、「MEXICO 66 DELUXE」のカスタムオーダーも展開する。

また、OIF内にある講堂はイベントスペースとしての活用も予定しており、地域住民や国内外の来訪者が交流する開かれた文化拠点を目指すという。

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タブレットを用いて「MEXICO 66 DELUXE」の各パーツのカラーを選ぶことができるカスタムオーダーは、「オニツカギャラリーストア」のみで体験可能。価格は¥60,500(送料別)、納期は約2カ月。

ここでしか体験することのできない、日本の職人技、ものづくりの現場、ブランドの思想。OIFは単なる工場でも、観光スポットでもない。訪れた人の五感に必ずなにかを働きかける場所だ。そんなファッションの領域を超えた取り組みは多岐にわたる。

1949年の創業から、来たる100周年、そして次の100年へ。日本発のラグジュアリーブランドとして、世界を舞台に進化し続けるオニツカタイガー。そのブランドの価値を、ここ「オニツカイノベーティブファクトリー」で感じてほしい。

オニツカイノベーティブファクトリー
住所:鳥取県境港市渡町2900番地
 

オニツカギャラリーストア
営業時間:11時〜17時
定休日:土、日、祝

オニツカタイガー

Onitsuka Innovative Factory