【標高3000mの巨大かまくら】スノービューを独占! 極寒の雪山にポツンと浮かぶ“かまくら型”の隠れ家リゾート

  • 文:山川真智子
Share:

ジョージア

ALTIHUT 01.jpg
courtesy of Stipfold

ジョージアは、コーカサス山脈を中心に 5000 メートル級の高峰が広がる山岳国家だ。古くから高地リゾートが整備され、年間を通し多様なアウトドアアクティビティが楽しめる。その中の一つ、ステパンツミンダでは、まるでかまくらのようなユニークなコテージの建設計画が進行中。よりパーソナルな体験を提供するべく、少人数向けの静かな隠れ家的ホテルとなる予定だ。

持続可能な高地リゾート ジョージア初の取り組み

ステパンツミンダは、コーカサス山脈に囲まれたジョージア北部の小さな町だ。ハイキング、登山、スキーなどが楽しめ、伝統的なジョージアのホスピタリティを提供するゲストハウスやホテルも建てられている。この町のすぐ先に建てられたアルティハットは、標高 3014 メートルに位置するホテルだ。近くには標高 5054 メートルのカズベギ山など見どころが豊富にあり、トレッカー、ハイカー、登山者に休息の場を提供している。

ジョージア初の持続可能な高地リゾートでもあり、太陽光発電の利用、観光地に残されたゴミの回収活動などを通じて、環境との調和の中でのホスピタリティの実現を目指している。

ALTIHUT 02.jpg
courtesy of Stipfold

コンクリートのかまくら!? ユニークなコテージが誕生

この理念を継承する新たな施設の建設が、ステパンツミンダで計画されているという。複数の独立したユニットで構成された新しい宿泊施設で、アルティハットのインテリアデザインを担当したジョージアのデザイン事務所、スティップフォルドが設計した。客室は山をよりパーソナルに体験できるよう、家族や少人数グループ向けのコテージタイプになっている。

レイアウトはシンプルかつコンパクト。広さは 50㎡ほどで、中央にはリビングエリアが置かれる。寝室は中二階を利用したメザニンベッドルームで、地平線を見渡す開放的なつくりとなっている。また、家族向けに子供用の小部屋もつくられる予定だ。

建築コンセプトは、スティップフォルドのモットーである「純粋さと抑制」に沿うものだ。繊維コンクリート製の連続したシェルが外装を形成。あたかもそれが元々そこに存在していたかのような形状を成している。丸みを帯びたかわいらしい外観は、日本の雪国につくられたかまくらを思わせる。天然木が使われる内部は、温かさと簡素さのバランスが絶妙だ。大きなガラス開口部は、周囲の景観を内部空間と一体化させ、眺望そのものがデザインの一部となっている。

ALTIHUT 05.jpg
courtesy of Stipfold

自然に溶け込む建物。山岳観光の新たな目玉に

繊維コンクリートの外装は経年変化して地形と融合する一方、内部は穏やかで永続的な佇まいを保つ。その結果として生まれるのは、周囲に溶け込む空間だ。ここでは、建物は山そのものの存在を縁取る役割に徹しており、各コテージは自然の中に置かれた物体ではなく、自然の延長として構成されている。設計事務所によれば、コテージは現在のところ設計段階にあるという。完成すればアドベンチャーツーリズムの新たな可能性を感じさせる特別な施設としてステパンツミンダに新風を吹き込むことが期待される。

ALTIHUT 03.jpg
courtesy of Stipfold
ALTIHUT 07.jpg
courtesy of Stipfold

 

山川真智子

Webライター

早稲田大学第一文学部卒業。レコード会社に勤務した後に渡米し、コミュニケーション学の修士号取得。米ノースウエスト航空機内誌の編集を経て、日本航空の機内エンターテイメントの選定買付に携わる。夫の転勤で通算9年の東南アジア滞在後、帰国して世界のニュースを紹介するライターに。現在は関西の片隅で、仕事の合間にフランス語学習に奮闘中。

山川真智子

Webライター

早稲田大学第一文学部卒業。レコード会社に勤務した後に渡米し、コミュニケーション学の修士号取得。米ノースウエスト航空機内誌の編集を経て、日本航空の機内エンターテイメントの選定買付に携わる。夫の転勤で通算9年の東南アジア滞在後、帰国して世界のニュースを紹介するライターに。現在は関西の片隅で、仕事の合間にフランス語学習に奮闘中。