アスティエ・ド・ヴィラット 東京フラッグシップストア
パリ発のクラフトブランド、アスティエ・ド・ヴィラットが、東京・表参道に国内最大規模となるフラッグシップストアを開いた。表参道ヒルズのすぐそば、路地の落ち着いた一角に現れたその空間は、ブランドが長年培ってきた手仕事の美学を余すところなく見せている。
入口をくぐるとまず目を奪われるのが、白い陶器の器やオブジェが壁面いっぱいに並ぶ光景だ。幾重にも積み上げられた白釉の表情は、光を受けて柔らかに揺れ、まるで陶の森を抜けるような静かな高揚感を生む。アスティエ・ド・ヴィラットの陶器は、ひとつひとつが職人の手によって形づくられ、ニュアンスの異なる白が絶妙なリズムを紡ぎ出している。
店内は二つの空間に分かれ、それぞれに“選ぶ愉しみ”が凝縮されている。淡路島の香師が伝統製法で仕立てるインセンスや、「香の世界一周」をテーマに掲げたフレグランスキャンドルのフルコレクションが棚を埋め尽く。パリの老舗と静かに呼応するディスプレイが、嗅覚を刺激する旅へと誘い、香りをめぐる物語をそっと立ち上げる。
陶器だけでなく、本棚にはデザイナーのインスピレーションの源泉をたどる古書や活版印刷の作品、大小さまざまなテーブルランプが配され、空間は奥行きと物語性を持って立ち上がる。また、ヴィンテージ感あふれる文房具など、日常に寄り添う品々も個性的に顔を見せる。これらはすべて、パリのアトリエで育まれた世界観を体現している。
2階にはギャラリースペースも併設され、オープニングではフランスのアーティスト、セレナ・キャロンヌによる個展が開催中だ。静謐な空間を背景にした作品群は、陶器の柔らかな表情と共鳴し、訪れる人の感性をそっと刺激する。パリの手工芸から生まれる品々に囲まれ、感性が研ぎ澄まされていく唯一無二の場所だ。