【いまこそ欲しい腕時計3選】チューダー、クレドール、ハミルトン。時計エディター3人が選ぶ、“いま一番欲しい腕時計”

  • 写真:丸益功紀(BOIL)
  • 文:谷田部 凱
  • イラスト:moka
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趣味嗜好の異なる3名のエディターが、それぞれ気になる腕時計を自由にセレクト。

編集部が気になる腕時計 Vol.1


腕時計を担当するPenエディターやライターが、個人的に気になっている時計を紹介。今回のテーマは「いま一番欲しい腕時計」。
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開發(Pen編集部)

Penの腕時計記事を2022年ごろから担当する。スイス・ジュネーブで行われる世界最大の時計見本市「Watches and Wonders」には過去2度参加。買い物は慎重なタイプ。最近ゴルフを始めた。

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小林(Pen編集部)

編集プロダクションを経て、2024年よりPen編集部に所属。腕時計とクルマをメインに、カルチャーやライフスタイルなど幅広い領域を担当。「Watches and Wonders」は未経験。趣味はカメラ。

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谷田部(フリーエディター・ライター)

モノ・トレンド誌『GoodsPress』で編集経験を積んだのち、フリーランスとして活動。家電やガジェット、時計をはじめ、ルーツであるファッションまで、ジャンルを横断しながら編集・執筆を手がけている。

36㎜の新サイズで最強のデイリーウォッチに!

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チューダー「レンジャー」

開發:初回のテーマは超シンプルに「いま一番欲しい腕時計」です。僕が気になっているのは、チューダーを象徴するコレクションの一つである「レンジャー」の新作。ブランドを代表するロングセラーシリーズであり、1950年代にイギリス海軍が北グリーンランド遠征で使用したツールウォッチを原点としています。そのため堅牢性が高く、防水性やパワーリザーブなど実用性も申し分ない。365日使える"デイリーウォッチ"を探していたので、まさにいまの自分にしっくり来ました。

小林:ケース径が小ぶりなのに、文字盤のアラビア数字がしっかり大きくて、視認性も高そうですね。

開發:そうなんです。今回の新作はコレクション初の36㎜サイズですが、数字やインデックスのデザインはオリジナルを踏襲しているので、小さくなっても見やすさは損なわれていません。以前からレンジャーは好きな時計でしたが、新作のスモールサイズにより一層惹かれました。デイリーで使うことを考えると軽さも重要ですし、サイズが小さい分、自然と着け心地も軽くなります。

谷田部:ここ数年は時計全体で小型化の流れがありますし、トレンドも押さえていますよね。どういうシーンで着けたい、というイメージはありますか?

開發:特に「ここ」というシーンは想定していないですね。むしろ特別な日に着けるというより、どんなシーンでもシームレスに着用できそうだなと。ドレスウォッチではないですが、フォーマルな服装をする必要がある場面でも、落ち着いた文字盤のマットな仕上げや36㎜というサイズ感、そしてロレックスの姉妹ブランドならではの品格が装いを引き立ててくれそうです。サイズダウンしたことで、さらに活躍の場が広がったのではないでしょうか。

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レンジャー/自動巻き、SSケース&ブレスレット、ケース径36㎜、パワーリザーブ約70時間、100m防水。¥523,600

 

最初の高級時計に選びたい、クラシックかつモダンなデザイン

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クレドール「ロコモティブ GCCR997」

小林僕が選んだのは、クレドール「ロコモティブ」です。この時計の起源は、デザイナーのジェラルド・ジェンタが1979年に手掛けたモデルにさかのぼります。六角形ベゼルと一体型ブレスレットという大胆な意匠が特徴で、国産ラグジュアリースポーツウォッチの先駆けともいえる存在でした。そんな彼のデザインが好きで、2024年にクレドールが50周年を迎えた際に復刻されたアニバーサリーモデルもかなり気になっていました。今回選んだのは、その流れを汲んで25年に登場したレギュラーモデルです。

開發:限定モデルも、放射状の文字盤が印象的でカッコよかったですよね。ジェンタと言えば「ロイヤル オーク」や「ノーチラス」など他にも名作はあるけど、「ロコモティブ」を選んだ理由は?

小林:腕時計担当になってから“初めての高級時計”を探しているんですが、僕は最初に選ぶものが「基準」になると思っていて。まず日常で使えるかどうかを軸に他の名作と比べた時に、この一本が自分の好みとスタイルに合っているのでは! と感じました。具体的には、幾何学模様の文字盤とグリーンの色使いが、全体のクラシックなデザインの中にひと匙のモダンさを添えているところ。細部の仕上げも、もちろんていねいで、そうした点も含めた主張しすぎないのにしっかり個性がある。そのバランスに惹かれました。

谷田部:なるほど。最初の一本が基準になると、時計選びそのものも変わってきそうですね。

小林:そうですね。たとえば趣味のカメラでは、最初に選んだのがCONTAX T2という一台でした。そこから、よりクラシックなデザインのカメラを手にしてみたり、逆に高機能モデルを試したり。自分の中に軸があると、次はなにが欲しいかがわかってくる。今回の「ロコモティブ」も、これから、自分が欲しい高級時計を選ぶ時の指標になると感じたんです。

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ロコモティブ GCCR997/自動巻き(手巻き付き)、ブライトチタンケース&ブレスレット、ケース径38.8㎜、パワーリザーブ約45時間、10気圧防水。¥1,870,000

 

4年かけて誕生した、ハミルトン渾身の意欲作

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ハミルトン「カーキ フィールド メカ パワーリザーブ」

谷田部:僕が選んだのは、ハミルトンの「カーキ フィールド」の最新作です。

小林:ファッション好きの谷田部くんらしいセレクトですね!

谷田部:実は今日のコーディネートも、この時計を着ける前提で考えてきました。開發さんのレンジャーと同様に、こちらもミリタリーウォッチをルーツに持つモデルです。そこでミリタリー要素を拾いつつ、古着ミックスのスタイルにしました。ただ、ミリタリーに寄せすぎるとコスプレ感が出てしまうので、ディアンヌ期の上品なマルジェラのニットをインナーに入れたり、要所で現行アイテムを差し込んでいたりします。

小林:さすがですね。この時計を「いま欲しい」と思った決定打は?

谷田部:やはり、新たに搭載されたパワーリザーブのメモリ表示ですね。以前から気になっていたモデルではありましたが、残りの駆動時間を目視で確認できるのは、巻きすぎによる過負荷を防ぐ意味でも安心です。さらに、スイスの大手ムーブメントメーカーであるETAが、ハミルトンのためだけに開発したムーブメントを搭載しながら、価格は10万円台。この点も大きな後押しになりました。

開發:パワーリザーブ表示があると、より"ギア感"が出ていいですよね。特に着けたいシーンとかは?

谷田部:2泊3日の旅行に着けていきたいですね。しっかり巻いて旅先に向かい、帰ってくる頃にはちょうどパワーリザーブが尽きる。そのタイミングでまた巻き直し、日常に戻る。ガジェット的な面白さがありつつ、時間と向き合うという時計本来の役割を、あらためて実感させてくれる気がします。スマートフォンがある時代に、あえて着けたい。いまの自分が手にしたら、“相棒”と呼ぶべき一本になるでしょう。

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カーキ フィールド メカ パワーリザーブ/手巻き、SSケース、ケース径40㎜、パワーリザーブ約80時間、NATOストラップ、10気圧防水。¥134,200