【ウイスキー入門】世界で最も親しまれるスコッチ、「シーバスリーガル12年」はいかにして生まれたか

  • 写真:小野田 忍
  • 文:西田嘉孝
Share:

日本ではリカーショップはもちろん、スーパーマーケットやコンビニエンスストアにも並ぶシーバスリーガル12年。スコッチのブレンデッドウイスキーとしては第3位の販売量を誇る、世界で最も多くの人々に飲まれているスコッチウイスキーのひとつだ。

そんなシーバスリーガルの始まりは、スコットランドの北海に面する港湾都市アバディーンで、1801年に創業したワインと食料品の店だった。その後、同店の共同経営者となっていたジェームズ・シーバスが、弟のジョンを参画させる形でシーバスブラザーズ社が誕生。高級なウイスキーなども扱う兄弟の店は評判となり、1843年にはヴィクトリア女王から英国王室御用達の勅許状(ロイヤルワラント)も与えられている。

そして1850年代から60年代には、需要が伸びていたウイスキーに事業の柱を移し、自社ブレンドウイスキーの発売もスタート。優れたブレンダーでもあった兄弟のウイスキーを後継のブレンダーが発展させる形で、1891年に世に送り出されたのが「シーバスリーガル」だ。

1786年に創業したスペイサイド最古の蒸溜所
1786年に創業したスペイサイド最古の蒸溜所。1951年にシーバスブラザーズ社が買収した際、蒸溜所名が正式にストラスアイラと改められた。スコットランドで最も美しい蒸溜所としても有名だ。

もちろん当時と現在のブレンドは別物だが、“最高の品質を追求する”という姿勢はシーバス兄弟の時代から変わらない。

「シーバスリーガル12年」や「同18年」、日本限定で発売される「同ミズナラ12年」など、バラエティ豊かなラインナップが揃うが、すべてのブレンドの核となるのはストラスアイラ蒸溜所のモルトウイスキー。スペイサイド最古の歴史を誇る同蒸溜所でつくられるモルトウイスキーは、フルーティでまろやかな味わいが特徴だ。

ブランドを所有するペルノ・リカール社は、他にもロングモーンやグレンリベット、アベラワーなどのモルトウイスキー蒸溜所や、グレーンウイスキーをつくるストラスクライド蒸溜所などを傘下に持つ。同社の集中熟成庫に眠るのは、それらの蒸溜所から集められた数百万樽のウイスキー原酒。そこから選び抜いた原酒を匠の技でブレンドするのは、名ブレンダーとして名高いサンディ・ヒスロップ氏が率いてきたブレンディングチームだ。

テイスティングノート

シーバスリーガル12年テイスティングノート

フラッグシップの「シーバスリーガル12年」を飲んで感じるのは、洋梨や青リンゴなどを思わせる爽やかなフルーツの香りと、骨格のしっかりとした芳醇な甘さ。飲み口はスムースで味わいのバランスに優れ、ロックはもちろん、水割りやソーダ割りなど、様々なスタイルで楽しめる。

入手のしやすさも含め、ウイスキー初心者にもうってつけ。スコッチのブレンデッドウイスキーの入門編として最適な一本でありながら、オーチャードフルーツ(果樹園の果物)と称されるめくるめく香味など、その奥深さも教えてくれるウイスキーだ。

シーバスリーガル

https://www.chivas.com



Photograph by

小野田 忍

1984年生まれ、愛知県出身。名古屋ファション専門学校を卒業した後、東京を拠点にスタイリストとして活動。2010年にフォトグラファーに転向し、現在は合同会社 丗(SANJU)にて、ファッション、広告撮影を中心に活動中。
Instagram:@shinobu_onoda

連載「ウイスキーの肖像」

 

西田嘉孝

ウイスキージャーナリスト

ウイスキー専門誌『Whisky Galore』 やPenをはじめとするライフスタイル誌、ウェブメディアなどで執筆。2019年からスタートしたTWSC(東京ウイスキー&スピリッツコンペティション)では審査員も務める。

西田嘉孝

ウイスキージャーナリスト

ウイスキー専門誌『Whisky Galore』 やPenをはじめとするライフスタイル誌、ウェブメディアなどで執筆。2019年からスタートしたTWSC(東京ウイスキー&スピリッツコンペティション)では審査員も務める。