昨年、高市早苗が内閣総理大臣に就任した際、緊急来日したドナルド・トランプ米大統領との晩餐会は、日米両国でも大きな話題となった。
そんな歴史的な節目となる会で、アメリカ・カルフォルニア州を代表する老舗のワイナリーのワインが供される中、ひときわ存在感を放っていたのが、同州ソノマ郡のフリーマン・ヴィンヤード&ワイナリーのフラッグシップ「アキコズ・キュヴェ ピノ・ノワール ウエスト・ソノマ・コースト 2022」だ。
フリーマン・ヴィンヤード&ワイナリーは、日本人醸造家のアキコ・フリーマンと、夫のケン・フリーマンが2001年に設立。冷涼な気候で知られるグリーン・ヴァレー・オブ・ロシアン・リヴァー・ヴァレーと、さらに海に近いウエスト・ソノマ・コーストに自社畑を持ち、シャルドネとピノ・ノワールを中心としたワインづくりでこれまでも国際的な評価を得てきた。
ホワイトハウス御用達、老舗ワイナリーと肩を並べる1本に
フリーマン・ヴィンヤード&ワイナリーのワインが日米の公式な交流の場で供されるのは、今回が初めてではない。
2015年には、バラク・オバマ元大統領が安倍晋三元首相を迎えたホワイトハウスの国賓晩餐会で「フリーマン 涼風 シャルドネ 2013」を、24年には岸田文雄元首相の訪米を記念し、カマラ・ハリス元副大統領とアントニー・ブリンケン元国務長官が主催した米国務省の公式昼食会で、シャルドネやピノ・ノワール、スパークリングワインが振る舞われるなど、これまでも外交の舞台で存在感を示してきた。
今回選ばれたのは「アキコズ・キュヴェ ピノ・ノワール 」のほか、およそ160年前にナパ・ヴァレーに設立された老舗ワイナリー「シュラムスバーグ」のスパークリングワイン、1885年創業の「ファー・ニエンテ」のシャルドネ。いずれもアメリカワインの名産地である、ナパ・ヴァレーで長きに渡り名を知らしめてきた老舗ばかり。今回の晩餐会で採用された経緯を、アキコ・フリーマンはこう語る。
「アメリカ大使でいらっしゃるジョージ・グラスさんは、コンテナ単位で世界中のワインを買われるほど、かなりのワイン通として知られる方です。すでに赤、白、スパークリングと晩餐会で出されるワインは、すべて老舗のワイナリーで決まっていたようなのですが、ジョージさんが『最後の赤ワインはフリーマンを使いたい』とおっしゃってくださり。急遽ご提供することになりました」
突然の要請もあり、かなり急ピッチで晩餐会への準備がされたというが、幼少期に在日米国大使館の近くで育ったというアキコは、この出来事について「思い出深い場所でフリーマンのワインが人と人をつなぐ役割を果たせることをうれしく思います」と振り返った。
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新たな品種と畑の開発へ
ホワイトハウス御用達のワインとして、さらに存在感を高めたフリーマン・ヴィンヤード&ワイナリーだが、昨年、19世紀にカリフォルニアで日本人としてワインづくりを行った長澤鼎の子孫にあたる醸造家、赤星映司ダニエルを後継者に指名し、ワイン業界で話題を呼んだことも記憶に新しい。さらなる発展をし続けているワイナリーの今後について、アキコに尋ねてみた。
「いま新しい畑を植えつつありまして。そこが育つと、ほぼ100%近く自社畑のものでつくれるようになって、完全に品質管理ができるんです。赤星さんにも入っていただいて、さらにパワーアップしたフリーマンというのを皆様にお届けできるようになるといいなと思っております。新たにリースリング(白ワイン品種)も植える準備をしているので、こちらもぜひ楽しみにしていただけたらと思います」
日本人が築いてきたカリフォルニアワインの歴史を受け継ぐ存在として、ますます注目が集りそうだ。
WINE TO STYLE
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