【妙心寺の名宝を一挙公開】狩野山楽の龍虎図屏風、天球院襖絵も並ぶ禅の美術展|興祖微妙大師六百五十年遠諱記念特別展『妙心寺 禅の継承』

  • 文:青野尚子(アートライター)
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京都の西郊に広大な敷地を構える妙心寺。臨済宗最大規模の宗派、妙心寺派の大本山であるこの寺の寺宝や関連の美術品が大阪で公開される。近年の研究を踏まえて禅に新たな視点をもたらしてくれる展覧会だ。

見どころのひとつは、江戸時代の「開山忌」の設えを再現した展示。妙心寺は建武4年(1337年)、によって禅寺となるが、近年の研究で江戸時代には関山の忌日に大方丈で特別な設えによるがなされていたことがわかった。会場では『』や
『』など、「妙心寺屏風」の異名で知られる煌びやかな屏風が立て廻される。大画面の金地に描かれた龍や虎、花々が見る者を圧倒する。さらには高僧のや、『十六羅漢図』が堂内に掛けられ、厳かかつ華やかな空間が広がる。

妙心寺にはおよそ40ものがあるが、そのうちのひとつ、天球院の襖絵が塔頭内と同じかたちで再現展示されるのも必見だ。狩野山楽・山雪の父子によって描かれた襖絵はかっちりとした画面構成にやまと絵的な優美さをあわせ持つ、江戸初期絵画の傑作だ。天球院は通常非公開、今回の展示が豪華絢爛な襖絵を目にする貴重な機会になる。

大阪の妙心寺派寺院の寺宝が出陳されるのも見逃せない。本展のために文化財調査を行ったところ、妙心寺の創建よりも古い像が安置されている寺が複数あることがわかった。妙心寺派が既存の寺院を引き継いで拡大していったものと考えられる。会場には、大阪の寺院に伝わる平安後期の一木づくりの仏像や、による書画が並ぶ。さらに数え3歳で亡くなり、妙心寺で葬儀が行われた豊臣秀吉の愛児・の遺品や、狩野元信・長谷川等伯ら日本絵画の巨匠たちの作品も。禅の心に改めて触れることができる展覧会だ。

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重要文化財 狩野山楽『龍虎図屏風』(左隻) 桃山時代(17世紀) 妙心寺

興祖微妙大師六百五十年遠諱記念特別展『妙心寺 禅の継承』

開催中〜4/5(前期〜3/8、後期3/10〜)※展示替えあり

開催場所:大阪市立美術館

TEL:06-4301-7285(なにわコール)
開館時間:9時30分〜17時 ※入館は閉館の30分前まで 

休館日:月曜

料金:一般¥2,000

https://art.nikkei.com/myoshin-ji