【銀座で“花見アート”を鑑賞】SHUN SUDOの大型展がGinza Sony Parkで開催中

  • 文:石川博也
  • 写真提供:Ginza Sony Park
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展覧会のメイン作品「A MOMENT, 2026」

花の中心にボタンを描いたボタン・フラワーをアイコンに、ポップで色鮮やかな作品で知られるアーティストがSHUN SUDOだ。

ふたつの生地をつなげるボタンのように、人と人の心もつなげたいとの思いが込められたこのアイコンが象徴するように、SUDOは作品を見た人がエネルギーをもらえたり、ポジティブな気持ちになれたりする作品を精力的に描いてきた。

昨年、作家活動10周年を迎えたSUDOにとって、現在、Ginza Sony Parkで開催中の「ART IN THE PARK : SHUN SUDO "HANA-MI"」は、まさに節目となる大規模展覧会である。

開催期間は2026年3月29日(日)まで。銀座の真ん中の公園で、文字通り、HANA(花)をMI(見)るという日本の文化を世界に発信するプロジェクトでもあり、会場には今回のために描き下ろされた45点の新作を中心に作品が展示されている。

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4階の会場風景。入り口から奥に向かって花の蕾が開いていくような展示レイアウトになっている。

SUDOはこの10年について「自分なりにアクリル絵具で表現できるものを突き詰めていくうちに、気づいたら10年が経っていた」と振り返る。もともとはイラストやグラフィックデザインのクライアントワークを行なっていたが、それとは別に100%自分の好きなものを描いて発表していきながら、自然の流れで少しずつ作家活動に軸足を移してきた。余計な気負いがなく、常に楽しんで描くことを大切にしてきたからこそ、今も作家活動を継続できているとSUDOは話す。今回の展示では2024年から取り組んでいる油彩画にもより一層力を入れ、当初は35点の予定だったが、ワクワクした感情に導かれるように最終的に45点もの新作を描き上げた。

「アクリル絵具で描く時は線をいかにキレイにカチッと描くかにこだわっていましたが、油絵の場合は、もっと自由に感じるままに描いています。特に今回はオイルスティックと呼ばれるクレヨンのような絵具を多用しました。絵筆の場合は筆につけた絵具の分しか一度に描けませんが、オイルスティックであれば、気持ちが途切れるまで線を描けますし、それによって、自分の中のパッションをうまく表現しやすいと感じます。今の自分には油絵のほうがしっくりくるんです」

加えて油絵は絵の具の乾きが遅いため、ひとつの作品と向き合う時間も長く、だからこそ、優しかったり、荒々しかったり、軽やかだったり、絵によって異なるタッチには、これまで以上にSUDOの内面が表現されている印象を受ける。

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「The Sketch_01, 2026」

今回の展示では“The Sketch”と名付けられた、SUDOの頭の中にある日常の何気ない風景を投影した作品や、旅先で印象に残った風景や出来事をボタン・フラワーとともに表現した”Traveling Flowers”など、鑑賞者の想像力をより具体的にかきたてる作品が多い。さらにそれをSUDOがこれまでに影響を受けたさまざまな作家の画風を取り入れて描いている点も見どころのひとつだ。

「旅をモチーフにした作品では、パリやヴェネチア、ミラノ、マヨルカ島などで得たインスピレーションを自分の記憶の中にストックしておき、それをさまざまな要素とミックスしながら形にしました。僕は散歩が好きで、旅先でも場合によっては1日中歩きながら、いろいろな刺激をもらっています。異国では朝に街を歩いているだけでニヤニヤしてしまうくらい気分がときめくのですが、こういう感覚は東京では味わえないので、普段は感じられない感情に出会うためにも海外に足を運ぶことを大切にしています」

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「A MOMENT, 2026」の前に立つSHUN SUDO。

多様な作品が並ぶ会場内。中でもこの展覧会を象徴する作品が、桜を描いた「A MOMENT, 2026」だ。横幅9メートルにも及ぶ大型作品で、SUDOの中で過去最大のサイズとなっている。表現したのは、一番美しい姿を見せたあと刹那的に散ってしまう桜の儚さだ。作品の前にはベンチも用意されているので、ぜひそこに座ってお花見気分でじっくりと作品に向き合いたい。

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地下2階ではプロジェクトのアーカイブが紹介されているほか、会場限定のオリジナルグッズも販売されている。

3階、4階で作品を楽しんだあとは、地下2階へ。このフロアではクリスチャン ルブタンやポルシェ、タオなどとコラボレートしたプロジェクトのアーカイブの紹介のほか、花々のアートでデザインされたTシャツやトートバッグ、先行発売の新作ベアブリックなど、会場限定のオリジナルグッズの販売も行われている。

中でも3点の新作シルクスクリーンは、各エディション30、つまり30点限定であり、固有のリファレンス番号がふられたサイン入りだ。

また、3階、4階に展示された作品も一部をのぞき抽選販売が行われる。抽選の申し込み期間は3月22日(日)までとなっている。

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地下3階の「1/2(Nibun no Ichi)」で提供される展覧会限定のコラボレーションメニュー「HANA-MI Plate」(¥1,650)とシトラスレモネード(¥600)。Photo:Hiroya Ishikawa

さらに地下3階のカジュアルダイニング「1/2(Nibun no Ichi)」では、展覧会限定のコラボメニューが登場。「HANA-MI Plate」は、ジンジャーデミグラスハンバーグとオランデーズエッグベネディクトが一皿に盛り付けられた見た目も華やかな春の洋食プレートだ。

実はハンバーグはSUDOの好物でもあり、豚のひき肉がギュッと詰まったハンバーグをマッシュポテトのなめらかな食感とともに味わえる、サイズ以上に満足感の高い逸品だ。一方、エッグベネディクトもトリュフが香るグルメな仕上がりで、花々が描かれた作品を鑑賞した、いわば花見のあとの余韻を贅沢に包み込む。

テイクアウトができるTO GOメニューも用意されているので、それを手に今度はリアルな花見に繰り出すのもありだろう。

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「ART IN THE PARK : SHUN SUDO "HANA-MI"」は、東京・銀座のランドマークのひとつ、Ginza Sony Parkで開催中。

「ART IN THE PARK : SHUN SUDO "HANA-MI"」は入場無料で事前予約なども必要ない。フラッと入場して、自由に鑑賞することができる。何度観ても、何時間観てもOKだ。

「海外ではピカソやモネなどの作品も気軽にサクっと観に行けることが多く、今回の展覧会もそのような感覚で、あまりアートに触れたことのない人にも足を運んでいただき、アートっていいなと感じてもらえたらすごく嬉しいです」とSUDO。

10周年を迎えたSUDOだけでなく、4月からの新年度を控えたこの時期は、多くの人にとっても節目となるタイミングであり、さまざまな思いを胸に抱えながら作品を鑑賞する人も多いだろう。だからこそ、作品を通してポジティブな気持ちになってもらったり、元気になってもらいたいと願うSUDOの思いを、会場全体を通してさまざまな形で感じたい。

『ART IN THE PARK : SHUN SUDO “HANA-MI”』

開催期間:2026年3月7日(土)~3月29日(日)
開催場所:Ginza Sony Park(B3、B2、3F、4F)
東京都中央区銀座 5-3-1
開催時間:11時~19時 ※最終入場18時30分
※最終日は17時まで(最終入場16時30分)
入場無料
https://www.ginzasonypark.com/activity/019/index.html

1/2(Nibun no Ichi) 
東京都中央区銀座 5-3-1 Ginza Sony Park B3
営業時間:11時~21時 ※20時L.O.
https://www.ginzasonypark.com/activity/005/