新世代スーパースポーツにおける高回転・高レスポンスを追求した。
ハイブリッドシステム(HPEV)を搭載したランボルギーニのスーパースポーツ第2弾、「テメラリオ」に乗った。先にリリースされた「レヴェルト」と同じ電動アシストによる四輪駆動で、こちらは4LV8ツインターボにフラットプレーンクランクを採用し、夢の1万回転に到達する。
夢の1万回転へ到達する、新世代のV8
ほぼ結論だけど、峠でレースモードの「コルサ」で走ったあの暴風のような速さは、後にも先にも「これで最後」くらいの実感だった。「コルベット Z06」のフラットプレーンクランクも素晴らしかったけど、「テメラリオ」のターボモデルながらアクセル入力のミリ単位の精緻さと、ロケットの航跡をイメージさせる健やかすぎる伸びは、神々しささえ感じたね。
やっぱり夢の1万回転ですよ。8000回転を超えてなお伸び、咆哮とともに景色が圧縮されていく……。排気音はリアの左右でそれぞれ爆発していて、そこにタービン音がかすかに重なる。思わず口が開くほどの臨場感なのに通奏低音で回収し、音の塊としてハイエンドにまとめる品のよさ。
臨場感あるインパネ。コルサ選択時は走行に必要な情報のみを表示する。
そんな新しくも猛烈なランボルギーニらしさに加えられたのが、3つのモーターによる後方支援なんだな。低速時のトルクの間断を埋め、トルクベクタリングによるe-AWDで走行を統合する。このニュアンスが重要で、ブレーキベースで制御するのではなく、出力を統合して四輪で理想値を描き出しているのがわかる。
たとえば峠だとタイトなコーナーが続いても窮屈さを感じさせず、吸い付くように曲がる。舵角は速度とモードに連動し、切り始めに余韻があり、そこから芯が立つ。限界は想像しているはるか先の速度域にあって、走りは速度とともに自然に整っていく。
感覚を拡張する、EV走行
この理想値をランボルギーニ自身が描き出して、低速から超高速ゾーンまでコンセプチュアルに表現している。たとえば「テメラリオ」のEV走行。これまでスポーツカーのEV走行は、ハイブリッドは便利だけど物足りなさが先に立ってしまっていた。それはレイブパーティで原田知世が流れるような、悪くないけど、思わず苦笑いしてしまう音場の不在なのね。
ところが「テメラリオ」のEV走行は、路面の擦過音や起伏を踏む音がそもそも強調されているランボルギーニらしさがあり、そこにモーターと連動した独特の動作音が重なる。映画『DUNE 砂の惑星』で砂嵐の中を航行する宇宙船みたいに、見えない粒子を切り裂きながら進む不穏さがある。
耳に入るノイズの帯域を同じにすることで音像が波動を合わせるように、ステアリングを通して得られる四輪のインフォメーションと連動。すべてが車体とリンクするよう考え抜かれていて、ドライバーの感覚器官を遊ばせない。
リアタイヤを見せることでトレッド感とワイドスタンスを強調する。
スーパースポーツにおけるハイブリッドは濃密な情報量が特徴だけど、「テメラリオ」のそれは未来の先取りとか生存戦略という言葉では収まらない。あえていえば、"欲望の深化を伴った感覚のバージョンアップ"。始まりの静けさから臨場感を仕込み、紛れもないロマンと技術の真価として1万回転のV8エンジンにフォーカスする。すべてはあの1万回転のレッドゾーンに生息し続けるためのサイクルなんだ。
ランボルギーニ テメラリオ
全長×全幅×全高:4,706×1,996×1,201㎜
エンジン:V型8気筒ツインターボ+ハイブリッド
排気量:3,995.2cc
システム最高出力:920PS
最高速度:343km/h
駆動方式:e-AWD(電動4輪駆動)
車両価格:非公表
ランボルギーニ カスタマーサービスセンター
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