コジマプロダクションとASUSが共同開発。コラボPC「ROG Flow Z13-KJP」に宿る創造の思想とは

  • 写真:宇田川 淳
  • 文:倉持佑次
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左:ASUSとコジマプロダクションがコラボした、2-in-1ゲーミングPC「ROG Flow Z13-KJP」。 右:ハードケース。

ゲームの思想を、PCというハードウェアに落とし込む。そんな試みから生まれたのが、2-in-1ゲーミングPC「ROG Flow Z13-KJP」だ。ゲームクリエイター小島秀夫が率いるコジマプロダクションと、ゲーミングPCの世界で圧倒的な存在感を持つASUS(エイスース)のゲーミングブランド「ROG」が手を組み、コジマプロダクションのシンボルである「ルーデンス(Ludens)」の世界観をデザインに取り入れた。数量限定で発売されたこのPCは、テクノロジーと創造性の交差点に生まれた一台だ。

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遊ぶ者と挑む者——ROGとコジマプロダクションが交差した理由

小島秀夫は斬新なアイデアと自身の哲学で、ゲームという表現の可能性を拡張し続けてきた、世界的なゲームクリエイターの一人だ。40年以上にわたりゲームという表現媒体を追求してきた彼は、2015年にコジマプロダクションを設立。19年に発表した「DEATH STRANDING」は、ゲームとも映画ともつかない独自の体験として、ゲーマーの枠を越えた幅広い層に届いている。

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小島秀夫(こじま ひでお)⚫︎ゲームクリエイター。1987年に初監督作品『メタルギア』でデビュー。同作はシリーズ化され、ステルスゲームというジャンルを確立した。2001年、米「ニューズウィーク」誌の「未来を切り拓く10人」に選定される。15年末に独立し、コジマプロダクション設立。19年『DEATH STRANDING』を発表、コジマプロダクションとして「The Game Awards 2019」3部門で賞を獲得。

小島の創作を貫くテーマは一貫している——テクノロジーと人間の関係、そして「遊ぶこと」の意味だ。その哲学を体現するのが、コジマプロダクションのシンボルキャラクター「ルーデンス」である。宇宙服のような装備を纏ったそのビジュアルは、未知の領域へ踏み出す者の象徴として生まれた。

その名はラテン語の「Homo Ludens(遊ぶ人)」に由来する。「遊びこそが人間活動の本質であり、文化の源である」——オランダの歴史学者ヨハン・ホイジンガが提唱したこの思想に触れ、コジマプロダクションは「From Sapiens to Ludens」というスローガンを掲げた。人類が"考える人(サピエンス)"から"遊ぶ人(ルーデンス)"へと進化していく未来像を示す言葉だ。そして、遊ぶ人は同時に創る人でもあると言う。

一方、ROGが20年にわたり掲げてきた信念は「For Those Who Dare(満たされぬ、挑戦者たちへ)」。コジマプロダクションが言う「遊ぶ者」と、ROGが言う「挑戦する者」。言葉は違えど、目指す方向は驚くほど近い。

コジマプロダクション10周年とROG創設20周年。その節目が重なった時、両者が手を組む理由は自然と生まれていた。今回のコラボは、その精神を合わせた言葉「For Ludens Who Dare」を掲げている。

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ルーデンスの装備をPCにする

ROG Flow Z13-KJPのデザインを担ったのはコジマプロダクションのアートディレクター新川洋司だ。30年近く小島作品のビジュアルを形作ってきたアーティストで、大胆な筆致と緻密なメカニカルデザインで知られる。そんな新川が、ゲームの画面ではなく今回初めてPCというハードウェアに向き合った。

「ルーデンスが装備するガジェットをつくりたいという想いを、PCデザインに込めました。パーツやデザインはルーデンスからインスパイアされ、そのエッセンスが組み込まれています」

PCには、コジマプロダクションが「EXTRA-VEHICULAR CREATIVE ACTIVITY suit」と呼ぶルーデンスの装備から着想を得た意匠が随所に盛り込まれている。

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キックスタンドを立てた状態。ルーデンスのスーツを想起させる幾何学的なラインが、13.4インチのボディに凝縮されている。

ベースになったのは、デタッチャブル型のROG Flow Z13。キーボードが外れ、スタンドで自立し、空気の流れさえもデザインの一部になる。この構造上の自由度が、コジマプロダクションの「ひと目でPCに見えない」という要求に応える余地を生んだ。

エアベントの形状、穴の数、レーザー刻印のサイズ、ロゴの位置。ひとつひとつの要素について、ROGチームとコジマプロダクションの間で何十回もの議論が重ねられた。なかでも、通気孔の形状と穴の数には最も時間がかかり、美しさと冷却性能のバランスに苦慮したという。金属とカーボンファイバーを組み合わせた天板も、接合強度や発熱といった技術的ハードルを内部構造の補強で乗り越えて実現した。こうした、10回以上の再設計を経て、ROG Flow Z13-KJPは現在の優れたデザインにたどり着いた。

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ROGゲーミングノートPCに初めてカーボンファイバーを使用。

コジマプロダクションは、このプロセスをゲーム制作に重ねてこう語る。

「実現したいアイデアをエンジニアに伝えると、技術的に難しいと言われることがある。解決策を探すか、形を変えて実現する——今回のPC開発も同じでした」

数多くの設計変更を経ながら、最終製品には初期スケッチのディテールが今も息づいている。

 

ROG Flow Z13-KJP の詳細はこちら

 

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デスクトップ級の性能を、13インチに

このPCの魅力はデザインだけではない。内部性能もまた、このコラボにふさわしい水準にある。

搭載するのはAMD Ryzen AI MAX+ 395。16コア / 32スレッドのCPUで、Radeon 8060S 統合GPU 搭載し、そして50TOPSのNPU(AIアクセラレータ)を統合したプロセッサだ。CPUとGPUを統合することで、省電力とデスクトップ級のパフォーマンスを13.4インチのボディに凝縮した。

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アダプタ本体にはルーデンスのスカルロゴが刻印される。

メモリはASUS初となる128GBのユニファイドメモリ(LPDDR5x)を搭載。ゲームに集中したい時はGPU側へ、映像編集やAIモデル処理ではCPU側へと、用途に応じて柔軟に割り当てることができる。

ディスプレイは2560×1600ドット・180Hz対応のROG Nebulaディスプレイでタッチ対応。色域はDCI-P3をほぼ100%カバーし、ゲームから映像制作まで幅広い用途をこの一台でこなせる。

キーボードを外せばタブレットとして使え、Microsoft Pen Protocol対応のペンで画面に直接描くこともできる。外出先でラフを描き、帰宅後は外部モニターにつないで仕上げる。そんな一日のワークフローを、10時間以上のバッテリー駆動が支える。

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マシンを守る専用ハードケース。

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ルーデンスを携えて創造する未来

今回のコラボレーションはPCだけにとどまらない。

ゲーミングヘッドセット、ゲーミングマウス、マウスパッドといった周辺機器も同時に展開される。ホワイトを基調にゴールドをアクセントとしたデザインで統一され、PCと揃えることで世界観はさらに際立つ。マウスパッドに描かれたルーデンスのイラストは、新川洋司本人が直接手掛けた。

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PCケースには、これらを一緒に持ち歩くことで、ルーデンスとともに日常を過ごしてほしいという小島の考えが反映されている。

さらに購入者には、限定特典 『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH PC版』 が付属。その世界観をハードとソフト両面ですぐに楽しめるというわけだ。

コジマプロダクションはこう語る。

「ルーデンスが象徴しているのは、私たちを支え、次の未来へ導くテクノロジーです。人々がルーデンスを携え、創造的な活動に取り組む姿を思い描いています」

思想がハードウェアになり、ハードウェアが日常になる。なにかをつくることに向き合う人間にとって、道具は単なる道具ではない。それは創造への意志をかたちにしたものであり、使うたびに「なにをつくるか」という問いを投げかけてくる。ROGとコジマプロダクションがたどり着いたのは、そういう一台だ。

※限定特典 『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH PC版』は、Steam® でご利用いただけるゲームコードの提供となります。また、ゲームコードはROGのアプリ「Armoury Crate」より配信いたします。

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