かつてないほど活発にファッション界が動いている2026年。誰がどのブランドに移り、どのようなコレクションを発表したのか? 注目の最旬コレクションとともに、彼らのクリエイションを紐解く。
2026年、ファッション界において、激動とも言える時代が到来した。デザイナー、ディレクターの交代が続く中、各メゾンのクリエイションは日々更新され、伝統と革新が交差する新たな世界が生まれつつある。今回は、各ブランドの服づくりを担うデザイナー、クリエイティブディレクターたちを紐解き、いま手に入れたいアイテムを紹介。 彼らが生み出す“新たな伝統”を見逃すな。
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ルイーズ・トロッター
イギリス出身。ノーサンブリア大学でファッションを学び、ロンドンのウィッスルズでキャリアをスタート。ギャップ、ラコステ、ジョゼフなど、多岐にわたるブランドのクリエイティブ・ディレクターを歴任し、ブランドの刷新を手掛けてきた。2025年1月より、ボッテガ・ヴェネタのクリエイティブ・ディレクターに着任した。
2001年 カルバン・クライン ヴァイスプレジデント就任
2007年 ジグソー クリエイティブ・ディレクター就任
2009年 ジョゼフ クリエイティブ・ディレクター就任
2018年 ラコステ クリエイティブ・ディレクター就任
2023年 カルヴェン クリエイティブ・ディレクター就任
2025年 ボッテガ・ヴェネタ クリエイティブ・ディレクター就任
ルイーズ・トロッターによる「ボッテガ・ヴェネタ」
新生ボッテガ・ヴェネタの初陣は、イタリアの伝統あるメンズテーラリングへオマージュを捧げた。ジャケットとパンツに新たに採用した薄手のウールツイルが、流れるようなドレープとシャープな表情を生む。洗練を纏う肩幅広めのダブルブレストは、緻密なディテールによるテーラリングの賜物だ。そこにはやわらかな佇まいと力強い構築性も共存する。メゾンの矜持とリアルクローズを横断する、ルイーズらしい視点が表れた今季を象徴するスタイルだ。
歴任の経験から、クラフトの現在地を示す
2026年、創業60周年を迎えたボッテガ・ヴェネタ。アニバーサリーにふさわしく、26年春夏コレクションの会場には、ブランドの創業地であるイタリア・ヴェネト州を象徴するムラーノガラスの椅子が配され、象徴的な編み込み技法「イントレチャート」を想起させる、韓国人アーティストのイ・カンホによるレザーアートが天井から吊り下げられた。音楽に至るまで、そのすべてがブランドの世界観を体現していた。
そんな記念すべき瞬間にクリエイティブ・ディレクターを務めたのが、ルイーズ・トロッターだ。ジョゼフ、ラコステ、そしてカルヴェンといったブランドを歴任し、テーラリングとスポーツ、構築と流動性を自在に横断してきた彼女。ブランドの文脈を柔軟に読み解き、それを現代的に翻訳する手腕は、ここでも遺憾なく発揮されていた。
構築的なジャケット、そしてブランドの強みであるレザー・クラフトの新たな解釈。そのどれもが、一見するとディレクター交代を意識させないほどシームレスだ。しかしそこには、確かな更新もある。“ヴェネト州の工房”を意味するブランド名の原点に立ち返りながら、工芸的な深みをより現代的な輪郭へと導いているのだ。トロッターは、ボッテガ・ヴェネタがこれまで築いてきた文脈をていねいに読み解きつつ、クラフトの現在地をより鮮明に提示した。
歴任の経験で紡いだトロッターだからこそ可能な、知的で力強い継承と刷新。60周年という節目において、彼女はボッテガ・ヴェネタを確かに次の時代へと進めてみせた。
人気コレクション「ヴェネタ」の新作モデルは、1.2cm幅のパッド入りイントレチャートナッパレザーを採用。ふくよかなボリュームと自然なカーブを保ちながら、身体に寄り添うシルエットを実現した。バッグ(H39×W59×D6cm)¥1,397,000
メゾンを象徴する編み込みの意匠が、さりげなく襟元を飾る。選び抜かれた上質なカーフレザーから現れる、細かなシワや天然素材ならではのムラが、大人の色気を醸し出す。襟は着脱可能で、着こなしの幅も広がる。ブルゾン¥1,177,000
ボッテガ・ヴェネタ
TEL: 0120-60-1966
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