ロレックスから世界初の防水・防塵ケース“オイスター”が誕生してから、今年で100周年。廃盤となった「ヨットマスター」もさらなる進化を遂げ復刻を果たし、新たな物語を紡ぐ9本のタイムピースがついに出揃った。
1. オイスター パーペチュアル 41
複数の緻密なパーツと、それを動かす精巧な機構。そうした繊細な構造を持つ腕時計を、海の深くまで携え、正確に時を計る——いまでは当たり前となったこの機能を実現したのが、ロレックスの「オイスター」である。その革新的な偉業は、現代の時計製造における礎となっている。
そして2026年。そんな時計史に名を刻むロレックスのオイスターが誕生100周年を迎え、世界最大級の見本市「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2026」において、9本の新作タイムピースを発表。節目にふさわしいコレクションを披露した。
そのなかでも象徴的な一本となるのが、「オイスター パーペチュアル 41」だ。特別仕様として、18Kイエローゴールドをドームベゼルとリューズのみに用いた、新たな構成の「イエローロレゾール」を採用。ゴールドをアクセントとしたこのデザインは、初期のオイスターケースから着想を得たもので、ブランドの伝統をモダンに再解釈している。また、ミニッツトラックの5分間隔の目盛りや、パッド印刷によるブランドロゴには、ブランドカラーであるグリーンがさりげなく配され、全体の印象を引き締める。
さらに注目すべきは「高精度クロノメーター」認定の導入。これまでの精度、防水性、自動巻き、パワーリザーブに関する厳密な検査項目に加え、さらに「耐磁性」「信頼性」「持続可能性」という3つの基準が実装された。製造から出荷まで数百にも及ぶ徹底された実験検証によるチェックのもとで、圧倒的な信頼性を誇る。
今回、発表された新作はいれずもこの新たな基準を満たしている。
伝統と革新が凝縮された「オイスター パーペチュアル 41」は、まさに周年の幕開けを飾る、象徴的な一本だ。
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2. オイスター パーペチュアル 36
発表された9つの新作の中で、とりわけ異彩を放つのが「オイスター パーペチュアル 36」。ポップな文字盤デザインは単なる意匠にとどまらない。1970年代末にブランドで初めて導入され、瞬く間にアイコンとなった「ジュビリーモチーフ」を、大胆なマルチカラーのダイアルで再解釈したものだ。「ROLEX」の文字が幾何学的に並び、10色ものラッカー塗料を用い、熟練の職人の手によって一つひとつ丁寧に色を重ねている。伝統と遊び心、そしてクラフツマンシップが交差する一本が、この周年をいっそう華やかに彩る。
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3. オイスター パーペチュアル 28 & 34


オイスター パーペチュアル 34/自動巻き、18KRGケース&ブレスレット、ケース径34㎜、パワーリザーブ約70時間、100m防水。¥5,650,700
オイスター パーペチュアルの小径モデルに、18Kイエローゴールド製の「オイスター パーペチュアル 28」と、18Kエバーローズゴールド製の「オイスター パーペチュアル 34」が加わった。特筆すべきは、ベゼルを除くケースとブレスレット全面にサテン仕上げを施した、金無垢ウォッチである点だ。フルゴールドの外装にサテン仕上げを施したこの仕様は、ロレックス初の試み。質感のコントラストにより、ポリッシュ仕上げのベゼルの存在感を強調している。暗闇を明るく照らす朝日を思わせるゴールドと、温かみを帯びながら夜へと誘う夕暮れを思わせるローズゴールド。それぞれが異なる表情で、手元に豊かなニュアンスをもたらす。
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4. パーペチュアル 1908
ロレックスの伝統に深く根差したシンボルカラー、グリーンラッカーのオンブレダイヤルが目を引く。中心から外周に向かって暗くなるグラデーションは、1980年代にロレックスが発表し、2019年以降「デイデイト」を中心に再び採用されているダイアル表現によるものだ。外周へと深みを増すこの奥ゆかしいグラデーションが、「デイトジャスト」の歴史を雄弁に物語る。
直径41㎜のオイスターケースには、同素材のフラットベゼルに加え、18Kホワイトゴールド製のフルーテッドベゼルを組み合わせた「ホワイトロレゾール」仕様を用意。3列リンクのオイスターブレスレットと、エレガントなジュビリーブレスレットの2種類がラインアップされる。
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5. ヨットマスター II


ヨットマスター II/自動巻き、18KYGケース、ケース径44㎜、オイスターフレックスブレスレット、パワーリザーブ約72時間、100m防水。¥8,575,600
2024年に生産終了したレガッタクロノグラフ「ヨットマスター II」が復活。本作の大きなポイントは、デザインとムーブメントの大幅な刷新にある。まず操作において、従来はベゼル操作とリューズを組み合わせた複雑な手順を要していたが、新世代モデルでは下部のプッシャーのみでカウントダウンの設定が完結。より直感的でスムーズな操作性を実現している。さらにダイヤル上の表示機構も進化し、カウントダウンの分針と秒針が反時計回りに作動する仕様を採用。ゼロへ向かう残り時間を視覚的に把握しやすくした。加えてベゼルデザインも一新され、スケールはダイアル外周へと移動。ブルーのセラクロムベゼルは60分表示へと改められ、セーリングタイムの計測にも対応するなど、実用性を高めている。
心臓部には、自社製の最新ムーブメント「Cal.4162」を搭載。コラムホイールと垂直クラッチを組み合わせた機構により、カウントダウンは安定して作動し、計測の立ち上がりも極めてスムーズだ。さらに特許取得の「クロナジー エスケープメント」を採用することで、エネルギー効率と耐久性を高次元で両立。香箱構造の最適化により、約72時間のパワーリザーブを確保している。
6. デイデイト 40
イエローゴールドのような華やかさを湛えながら、ローズゴールドのようにやわらかな色調も併せ持つ。従来のゴールドの要素を内包しつつ、独自の輝きを放つその外装は、ロレックスが構想から開発、製造までを一貫して手がけた新しい18Kゴールド合金“ジュビリーゴールド”によるものだ。まさに、ロレックスが提示するゴールドの新境地といえる。
そんな外装と呼応するのが、文字盤に採用された「ライトグリーンアベンチュリン」。加工が難しいことでも知られるこの素材は、星空のような美しさを宿すと同時に、ブランドの矜持をも体現する。独自のゴールドの輝きと繊細なグリーンのきらめきが調和し、一本の時計として高い完成度を見せている。
7.オイスター パーペチュアル コスモグラフ デイトナ
人気の絶えないクロノグラフウォッチ「コスモグラフ デイトナ」に、新たな息吹を吹き込むバリエーションが加わった。一見シンプルに見えるこの最新モデルには、伝統的なエナメルダイヤルを採用。グラン・フー(高温焼成)と呼ばれる技法を用いており、エナメルを何層にもわたって丁寧に塗り重ねた後、約800℃の炉で焼成することで完成する。そもそもエナメル塗料の扱い自体に熟練の職人技を要するが、さらに高温での焼成工程を経るため、極めて高度な技術の結晶といえる。スポーティーなデイトナに、新たな一面を引き出したモデルだ。