【京都でいま最も見たいホテル】花街の記憶を継ぐ「カペラ京都」、隈研吾が手がけた新名所の全貌

  • 文:佐藤季代
Share:
竹簾のように立体的に編み込まれた外装が光をゆるやかに調整する。出入口には歌舞練場に見られる唐破風の意匠が象徴的に用いられた。© Masaki Hamada(kkpo)

シンガポール発のラグジュアリーホテルブランド、カペラ・ホテルズ&リゾーツの日本初進出となる「カペラ京都」が、2026年3月に開業した。京都最古の禅寺・建仁寺や、京都の花街文化をいまに伝える宮川町に近い、東山宮川町に立つ。NTT都市開発が主導する再整備の一環として、隣接する歌舞練場とコミュニティ施設の建て替えも行われた。

1.jpg
エントランスは建仁寺を想起させる垂木や、わび・さびを感じさせる古色を採用し、京都五花街のひとつである宮川町の街並みに調和させた。© Masaki Hamada(kkpo)

建築デザインを主導した隈研吾は、「周囲から閉じた都市開発ではなく、細い路地を挟んで建物がつながる京都らしい街並みを尊重することを重視しました。歌舞練場や建仁寺に見られる意匠を取り入れながら、通りや街区の景観の調和を図っています」と語る。

2.jpg
敷地東側に広がる建仁寺を借景にした客室。軒先に見える垂木などでアクセントを加えつつ、和の要素を現代的なディテールで構成している。photo: Shigeo Ogawa

コンセプトは 〝現代の町家〟。路地のスケールに合わせた4階建ての低層構成とし、外観は景観に馴染む落ち着いた古色で統一した。建物は水盤を備えた中庭を中心に、客室やレストランを配置。庭には屋根の造形やを想起させるデザインを取り入れ、街並みとの視覚的な連続性を生み出している。インテリアはシンガポールのブリューイン デザイン オフィスが担当。木材や漆、和紙など日本古来の素材を基調に、装飾を抑えた設えに仕上げた。

3.jpg
歌舞練場を望む客室。歌舞練場の改修の設計監修も隈研吾建築都市設計事務所が手掛け、通りを軸にしつつ街区全体を一体的にデザインした。© Masaki Hamada(kkpo)

花街の文化が色濃く残る地域の記憶と意匠を継承しながら、建築とインテリアの両面で新たな京都像を提示している。

4.jpg
地下にはダイナミックな石組みが印象的なアトリウムが広がる。中庭の水盤と呼応するように、都市に豊かなランドスケープを生み出した。© Masaki Hamada(kkpo)

 

カペラ京都

住所:京都府京都市東山区小松町130  
TEL:075-541-8877
全89室
料金:デラックスシティキング¥210,400〜
【設計者】隈研吾建築都市設計事務所
1990年に隈研吾が設立。世界各地で自然・技術・人間の新しい関係を切り開く建築を提案する。本建築では、インテリアデザインを手掛けたシンガポールのブリューイン デザイン オフィスと協働した。