ブラジル

「家」の絵を描いてください。そう言われたら、あなたはどう描出するだろうか。三角の屋根、躯体の四角いシルエット、そして窓を描くだろう。そう、家に窓は不可欠だと、私たちは思っている。
そんな概念を打ち壊す従来型のガラス窓を持たない「窓のない邸宅」がブラジリアに完成した。窓がないとはいえ、自然光がいっさい差し込まないわけでもない。従来とは異なる方法で光を取り入れる設計を、ブラジルの建築事務所Bloco Arquitetosが手がけた。
Photo: Joana França, Courtesy of BLOCO Arquitetos
ガラス窓のない家
延床面積420平米の「カサ・トゥピン(Casa Tupin)」は、ブラジリアの中心地区プラノ・ピロートから約20キロメートル離れたゲーテッドコミュニティに位置する。上空から見ると中がくり抜かれた長方形で、中央にはプール併設の広い中庭がある。
ブラジルのセラード(熱帯草原)を見渡せるような、広いガラス窓はない。その代わり、均一な隙間を空けてレンガ状のモジュールを用いた透過性のあるスクリーン壁が積み上げられている。本来は壁として単体の役割を果たす面という面のあらゆる隙間から、角の取れた日光が室内に注ぐ。
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Photo: Joana França, Courtesy of BLOCO Arquitetos
「外から見ると閉ざされた不透明な印象を与えますが、内部は開放的で流動的、そして視覚的に広々としています」と、Bloco Arquitetosは建築デザインメディアDezeenの取材に答えた。
「日射遮蔽と恒久的な換気フィルターの役割」を同時に果たしており「家中のあらゆる方向に空気が流れるようにしている」という。琥珀色の落ち着いた色彩構成をもって、光と影、時間の経過さえも建築の一部となるよう配慮した。
家を「浮かせた」理由
「カサ・トゥピン」には、別の特徴もある。コンクリートスラブが元の地形に対して半浮遊するように設計されているのだ。これにはさまざまな利点がある。
既存の地形が保全され、セラードに生息するトカゲなどの生き物が外と中庭を自由に行き来したり通り抜けたりできる。中庭の樹木も、そのまま残すことができた。また、地面との接触を減らし、住宅の断熱性能を向上させている。Bloco Arquitetosは「形態、技術、そして景観の融合を称える建築を創り出すこと」を目標に掲げている。
「窓のない家は、建物そのものが窓となります。このプロジェクト(カサ・トゥピン)は、特定の景色を切り取るのではなく、建築物全体を、内部の生活と周囲の風景とを結びつける媒介者へと変容させるのです」


