【見渡す限り大自然の温泉付きヴィラ】ラグジュアリーを極めた露天風呂 小山薫堂の湯道百選 第115回

  • 写真:アレックス・ムートン
  • 文:小山薫堂
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〈鹿児島県霧島市〉
天空の森

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真のラグジュアリーとはなんだろう? その答えがこの湯にあると思った。他人の視線を気にすることなく山の頂で服を脱ぎ、ウッドデッキの先端にある露天風呂に浸かる。ぬる過ぎず、熱過ぎず、絶妙の湯加減に調整されている湯は自家源泉100%掛け流しの炭酸水素塩泉。心地よい風を頬で感じながら、鳥のさえずりに耳を傾ける。視界に飛び込んでくる霧島連山はまさに地球の原風景のようだ。

「リゾートとは人間性回復産業である」と、オーナーの田島健夫さんは言う。1994年に竹山の開墾を始め、10年後に「天空の森」をオープン。東京ドーム13個分におよぶ広大な敷地には、温泉付きのヴィラが5棟あるのみ。隣のヴィラの気配はおろか、見渡す限り誰もいない環境で大自然を独り占めできる。「ドレスコードは裸」という謳い文句は決して大袈裟ではない。

 開墾してから30年以上の時を重ね、進化し続けてきた。美しい夕日、満天の星空、穏やかな風、心を癒やす雨音……。すべての建物は自然を主役にして設計されていて、その中心に温泉がある。

 ここの湯に浸かっていると、これまで纏ってきた余計なものがはだけていき、人間からヒトという生き物に回帰するような気分になる。自分を空っぽにすることで、経験するすべてのことがありがたく思えてくる……。これこそを「心のラグジュアリー」と呼ぶのかもしれない。

 

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鹿児島空港、またはJR嘉例川駅よりクルマで15分。霧島連峰を望む大自然の中に5棟のヴィラが点在する究極のプライベートリゾート。1組ごと滞在可能で、時期やプランによって料金形態が異なる。
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今回訪れた「花散る里」の内観。露天風呂とシャワー、ベッドを兼ね備えた日帰り用のヴィラとなっている。

 

天空の森

住所:鹿児島県霧島市牧園町宿窪田市来迫3389
TEL:0995-76-0777
営業時間:10時〜17時(日帰りヴィラ)
休業日:木
料金:一般¥60,000〜(1組あたり日帰りヴィラ)、¥300,000〜(1組あたり1泊)※いずれもプラン内容や時期により変動あり

https://tenku-jp.com