「京都でいま最も見たい」と言われるホテル、花街の記憶を継ぐ「カペラ京都」。隈研吾が手がけた新名所のほか、国内で30年ぶりに開催された『ブーダン展』から、“窓のない家”まで――。
建築とアートそれぞれの視点で世界の“いま”を映し出す、今週よく読まれた注目記事を3本をお届け。
第3位 【窓が一枚もない家】それでも光あふれる…“外と中”がつながる邸宅に驚きの声

「家」の絵を描いてください。そう言われたら、あなたはどう描出するだろうか。三角の屋根、躯体の四角いシルエット、そして窓を描くだろう。そう、家に窓は不可欠だと、私たちは思っている。
そんな概念を打ち壊す従来型のガラス窓を持たない「窓のない邸宅」がブラジリアに完成した。窓がないとはいえ、自然光がいっさい差し込まないわけでもない。従来とは異なる方法で光を取り入れる設計を、ブラジルの建築事務所Bloco Arquitetosが手がけた。
延床面積420平米の「カサ・トゥピン(Casa Tupin)」は、ブラジリアの中心地区プラノ・ピロートから約20キロメートル離れたゲーテッドコミュニティに位置する。上空から見ると中がくり抜かれた長方形で、中央にはプール併設の広い中庭がある。
ブラジルのセラード(熱帯草原)を見渡せるような、広いガラス窓はない。その代わり、均一な隙間を空けてレンガ状のモジュールを用いた透過性のあるスクリーン壁が積み上げられている。本来は壁として単体の役割を果たす面という面のあらゆる隙間から、角の取れた日光が室内に注ぐ。
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第2位【『ブーダン展』30年ぶり開催】印象派の先駆者、その知られざる革新性とは|SOMPO美術館

『干潮』 1884年 サン=ロー美術館 小さく描かれた人物や船が、その雄大な光景を際立たせつつも、どこかのどかな気配が漂う一枚。潮の引いた海岸が陽光を映して鏡のように輝いている。1884年のサロンに出品され、初の国家買い上げとなった。
19世紀のフランスの画家、ウジェーヌ・ブーダン(1824〜1898年)の国内では30年ぶりの展覧会が、東京・西新宿のSOMPO美術館にて開かれている。「印象派の先駆者」とも呼ばれ、海の情景を多く描いたことで知られるブーダン。そうした海景画のイメージだけでなく、思いがけないほど多面的な魅力に迫る展示の見どころとは?
ノルマンディー地方の港町オンフルールに、船乗りの家に生まれたウジェーヌ・ブーダン。10歳で漁船の見習い水夫となり、刻々と表情を変える海と空に触れるなかで、自然への鋭敏な感受性を育んでいく。1835年、対岸のル・アーヴルへ移り住むと、家業と決別したのち、1844年には共同で画材店を開業した。ここに顧客であったバルビゾン派の画家らが集い、その交流の中で画家を本格的に志すようになる。
ル・アーヴルから奨学金を得るほどの腕前を示したブーダンはパリへと赴く。しかし特定のアトリエには属さず、ルーヴル美術館での模写を通じて17世紀オランダの風景画や動物画を学んでいった。当初その評価が芳しくなかったものの、サロンに風俗画を出品したことを契機に名が知られるようになり、1860年以降は海辺を主題とする海景画家として注目を集める。そしてノルマンディーからブルターニュにとどまらず、ボルドーやオランダなどへと活動範囲を広げていった。
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第1位【京都でいま最も見たいホテル】花街の記憶を継ぐ「カペラ京都」、隈研吾が手がけた新名所の全貌

シンガポール発のラグジュアリーホテルブランド、カペラ・ホテルズ&リゾーツの日本初進出となる「カペラ京都」が、2026年3月に開業した。京都最古の禅寺・建仁寺や、京都の花街文化をいまに伝える宮川町に近い、東山宮川町に立つ。NTT都市開発が主導する再整備の一環として、隣接する歌舞練場とコミュニティ施設の建て替えも行われた。
建築デザインを主導した隈研吾は、「周囲から閉じた都市開発ではなく、細い路地を挟んで建物がつながる京都らしい街並みを尊重することを重視しました。歌舞練場や建仁寺に見られる意匠を取り入れながら、通りや街区の景観の調和を図っています」と語る。